股関節の筋肉をシリーズでご紹介していますが、今回は3つの殿筋です。
なぜ最初に殿筋にしたのか?それは一番分かりやすいからです。
殿筋とは「殿部にある筋肉」、すなわちお尻の筋肉のことです。
そしてそのお尻にある殿筋は3層構造になっていて、この層の違いにより役割が変わります。
最下層にある小殿筋は中殿筋と大殿筋に覆われています。
では早速見ていきましょう!
大殿筋
大殿筋は股関節周囲の筋肉で一番大きく、おしりの筋肉では一番浅いところにあります。
腸骨外側面、胸腰筋膜、仙骨及び尾骨の背面、仙結節靭帯から、終点の大部分は腸脛靭帯と大腿骨の殿筋粗面までです。
大殿筋単独では、股関節の伸展と外旋の主動作筋となります。
歩行時には踵を接地する直前から踵を接地するあたりでたくさん使われます。
引用)筋骨格系のキネシオロジー.Donald A.Neumann著
大殿筋の筋力が低下すると、立脚相で股関節が過伸展する『大殿筋歩行』が起こることがあります。
大殿筋の筋トレはについてはこちらで詳しく説明しています。
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中殿筋
次の中殿筋は、理学療法を行なっていく上で、ほんと重要な筋肉です。中殿筋は大殿筋をめくったその下あたりにあります。
これを切り取って外して、下から現れるのが中殿筋です。
腸骨稜と腸骨の外側面から始まって、大腿骨の大転子の外側につきます。
なんといっても中殿筋では外転の作用(働き)が重要ですが、外転というと脚を外に開く作用だと思いがちなんです。
しかし、中殿筋で大事な作用は立位や歩行時に、身体が左右にブレないように止めてくれることです。
例えば片脚立ちをしたとしましょう。
このとき中殿筋がしっかり働かないと・・・
まっすぐ立っていられません。
歩行においては、
(引用:筋骨格系のキネシオロジー.Donald A.Neumann著)
踵を接地してから片脚立ちになるあたりで、しっかり使わないといけないことがご理解いただけると思います。
中殿筋が働かないと、トレンデレンブルグ歩行といって、骨盤が墜落する歩行になってしまいます。
中殿筋の筋トレはについてはこちらで詳しく説明しています。
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小殿筋
そして最後は『小殿筋』です。
小殿筋は大殿筋や中殿筋に比べると小さい筋肉で、主に内旋の主動作筋になります。
さきほどご紹介した中殿筋のさらに下層にあります。
腸骨の外側面から始まって、大腿骨の大転子の前面に止まります。小殿筋の役割は、股関節を内旋することです。
大殿筋と中殿筋に覆われた、かなり深部にある筋肉なので、ストレッチやマッサージをするのがなかなか難しい筋肉です。
いや、ほんとに^^; 当然痛みを抱えていることも多いので、要チェックです。
小殿筋の筋トレはについてはこちらで詳しく説明しています。
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小殿筋は大殿筋に比べると小さい筋肉ですが、股関節に近い深層にあることもあり、関節の動き(特に動き出し)に直接関わってきます。それだけ重要ということですね。
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まとめ
3つの殿筋について見てきました。
どれも股関節を語る上では放っておけない重要な筋肉です。それぞの場所と役割は頭に入れておきましょう。