股関節の外転筋は股関節・骨盤の外側に位置し、立位や歩行においてとても大切な筋肉です。
今日は股関節の外転筋の筋力トレーニングについてお伝えします。
まず毎回確認しておりますが、股関節には6方向+αの運動方向があります。
そのあたりはこちらに書いておりますので、まだわかりにくい方はまずそちらをご覧ください。
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今回取り上げるのは外転の筋トレです。
股関節・骨盤の外側で大切な働きをする外転筋
まず外転に関わる筋肉をおさらいしておきましょう。
外転には次のような筋肉が主に関与します。
中殿筋、大腿筋膜張筋
中殿筋と大腿筋膜張筋についての詳しい解剖はこちらに書いていますので、わからない方はこちらを参照してください。
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中殿筋は上記の解剖のイラストではむき出しのように表示されていますが、実際は大殿筋にすっぽり覆われていています。
大腿筋膜張筋はズボンのポケットの位置にあります。
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股関節外転の重要性を知っていますか?
私たちは無意識にまっすぐ、身体が傾かないように歩こうとしています。
股関節外転筋は立位時、特に歩行時の片脚立位になったときに、骨盤や体幹が傾かないように身体を支えてくれます。
普通に立っているときでも、脚を一歩踏み出そうとするときでも、
「外転筋を使って身体が傾かないように支えているぞ」
と考えている人はいません。
このときうまく筋肉が使えていないと、トレンデレンブルグ徴候やドゥシャンヌ徴候などの異常姿勢がみられます。
外転筋はあくまで無意識に身体を支えてくれています。
ですから外転筋は知らないうちに疲れて、コリができたり、痛みが生じやすいのです。
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股関節外転筋の筋トレ
中殿筋と大腿筋膜張筋を分けてトレーニングすることもあるのですが、お一人でされるときにはわかりにくいので、今回はひとつくくりにして外転の筋トレとします。
開始肢位
横になって寝転びます。
その姿勢から脚を上に開きます。少し伸ばす(伸展)方向に意識すると外転筋をうまく使えます。
疲れてくると股関節屈筋で代償したり、骨盤が開いてきますので注意してください。
股関節外転の筋トレの動画 正しい例
股関節外転の筋トレの動画 悪い例
物足りない場合は、足首に重りを巻いて行いましょう。
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まとめ
股関節の外転筋の筋トレについてお伝えしてきました。
外転筋に問題がない人はいない、といっても過言ではないぐらい股関節に疾患や痛みを抱えている方は、外転筋に何かしら問題を抱えています。
ただし筋力だけが問題であることは少ないと思いますし、筋トレをする以前にやるべき治療はたくさんあると思います。
外転筋の筋トレも治療のひとつであることを忘れないでくださいね。