トーマステストの正しい方法を理解して股関節の屈曲拘縮を判別しよう

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股関節に痛みを抱える方は特徴的な姿勢に骨盤前傾位がありますが、その姿勢をとり続けると股関節が屈曲位で拘縮します。

股関節が屈曲拘縮を起こすと、さらなる痛みを生み出す可能性があります。

 

座位にしろ、立位にしろ、自分がどんな姿勢をとっているのか、ちゃんと理解できている人はほとんどいません。

知らず知らずに股関節が前傾位となる姿勢をとっているので、股関節が屈曲拘縮を起こします。

 

「拘縮」とは関節の可動域が制限された状態で、ギプスで長期間固定したり、ある一定の姿勢をとり続けたりすると起こります。

 

今回はトーマステストという、股関節に屈曲拘縮があるかどうかを判別する検査方法をご紹介します。

ご自身で簡単にできますので、この機会にぜひ一度確認してみましょう。

 

目次

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トーマステストの正しいやり方

まずは上向きにベッドに仰向けになります。

トーマステスト1

右脚を曲げて両手で抱えて胸の方へ近づけます。

トーマステスト2

このとき左脚が浮き上がってくるようであれば、左の股関節が屈曲拘縮を起こしているサインです。

トーマステスト3

反対の足脚でも同様に行いチェックします。左脚を曲げて右脚がベッドから浮くようであれば右の股関節の屈曲拘縮を疑います。

 

このとき、どのくらいベッドから脚が浮き上がるか角度を測ることによって、拘縮の程度を判定することができます。

トーマステスト5

角度を測るのは1人でやるのは難しいので協力者が必要です。

 

ちなみに理学療法士が角度を測るときにはゴニオメーターという器具を使います。

ゴニオメーター(プラスチック)1

ゴニオメーター(プラスチック)2

360°測れる分度器のようになっています。

 

ゴニオメーターにもいろいろな種類がありますが、上の写真のタイプのゴニオメーターはコンパクトで携帯しやすいのでポケットに忍ばせている理学療法士や作業療法士も多いです。

理学療法士に接する機会があればこっそりチェックしてみてください。

 

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股関節の屈曲拘縮を簡易的に判別する方法

股関節の屈曲拘縮は別の方法でも簡易的に判別できますのでそちらもご紹介していきます。

 

先ほどと同じようにベッドに仰向けになります。

トーマステスト6

膝がベッドから浮かないようにぴったりとベッドに付けて、腰の下に手を入れます。

トーマステスト7

このとき正常であれば腰の下に手のひら分程度が入る程度の隙間ができます。

しかし股関節が屈曲拘縮していて、腰椎が前弯(ぜんわん)していると手のひらがひとつ以上入る隙間ができます。

トーマステスト8

この隙間が大きくなるほど股関節の屈曲拘縮が強いと判別できます。

 

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股関節の屈曲拘縮の原因は?

ここまで股関節の屈曲拘縮を見分ける方法をお伝えしてきたのですが、股関節の屈曲拘縮はなぜ起こるのでしょうか。

原因は最初にお伝えしたように、同じ姿勢をとることで関節自体が拘縮を起こすのですが、拘縮には筋肉も大きく関与しています。

 

その筋肉とは腸腰筋です。

 

腸腰筋はこちらのブログでは何度も取り上げているので、みなさんご存知だと思いますが、まだ腸腰筋を知らない方は先にこちらをご覧ください。

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腸腰筋は股関節だけでなく、身体の動きを考える上で一番重要という人もいるぐらいです。

大切な働きをする腸腰筋ですが、みんなうまく使えているかというと、残念ながらそうではありません。

「うまく使えない」原因は、筋力不足であることもいれば、腸腰筋の状態が悪い場合もあります。

 

腸腰筋は股関節の屈曲の主動作筋ですが、立位では股関節を前面から支える作用を持っていますし、座った姿勢を維持するときにも働いており身体が後ろに倒れてしまわないように身体を支えています。

また起き上がる、歩くなど日常生活で行う多くの動きで起点になる筋肉です。

 

そんな筋肉だけあって疲労も起こしやすく腰痛などの不調の原因になります。

 

腸腰筋の中でも、腸骨筋は左右の腰骨のすぐ内側にあるので体表からその硬さを確認しやすいです。

大腰筋はお腹の深いところにあり、その上には腸があります。ですので筋肉の硬さも容易には判別できません。

 

しかし股関節の動きをチェックすることでかたくなっているかをある程度状態の予測はできますし、トーマステストで股関節の屈曲拘縮が疑われれば腸腰筋の短縮も考慮していく必要があるでしょう。

そんな場合には腸腰筋のストレッチをしてくださいね。

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まとめ

股関節の屈曲拘縮を判別する方法として、トーマステストと別法をお伝えしました。
まとめるとこんな感じです。

トーマステスト10
引用) 図解入門よくわかる股関節・骨盤の動きとしくみ (How‐nual Visual Guide Book)

股関節に屈曲拘縮があるということは、股関節を伸展しにくいということです。股関節が伸展しにくいと、座位や立位、歩行に大きく影響します。

特に歩行の蹴り出し時に股関節が伸展できないと、荷重による股関節への負担が大きくなります、負担が大きくなると痛みを出現させて跛行の原因になり、さらなる股関節の障害を作り出します。

そのような場合には、歩行練習をする前に股関節の屈曲拘縮を改善する必要があります。

 

股関節の痛みとは関係の深い股関節の屈曲拘縮。この機会にぜひチェックしてみてくださいね。

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