股関節に痛みを抱えている方はこの筋肉を痛めている可能性が高いです。
今回は大腿筋膜張筋のストレッチの方法をご紹介します。
股関節の外転の主要の筋のひとつである大腿筋膜張筋。
その名前や存在、働きをしっかり理解できている方は少ないと思います。
大腿筋膜張筋についてはこちらで解剖を詳しく解説していますので、わからない方はまずこちらをご覧ください。
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特に傾いて歩いていたり、左右にブレて歩かれている方は、大腿筋膜張筋に疲労を痛みを抱えやすくなります。
大腿筋膜張筋の解剖
さきほど記事でご紹介しましたが、大腿筋膜張筋の解剖を簡単に復習してからストレッチの方法をご紹介します。
大腿筋膜張筋は骨盤の外側にあります。
大腿筋膜張筋は筋肉の部分は小さく、遠位は腸脛靭帯という長く薄っぺらい筋(すじ)のような靭帯に停止し、膝関節まで影響を及ぼします。
大腿筋膜張筋は上前腸骨棘のすぐ後ろぐらいに位置します。わかりやすく例えるなら、ズボン縦型のポケットあたりです。
上前腸骨棘がわからない方は、こちらで詳しく解説しています。
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骨盤の模型でいうとこのあたりですね。
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大腿筋膜張筋のストレッチ
大腿筋膜張筋のストレッチ方法はいくつかありますが、自分が安全に行えて、伸びているのを一番感じられる方法を選択してください。
大腿筋膜張筋のストレッチ その1
開始肢位・方法
ベッドで寝転んだ姿勢で片脚を伸ばしたまま、反対側にクロスさせます。
寝ながら行えるのでこの方法でストレッチできればいいのですが、この方法ではあまり伸長感は得られません。
大腿筋膜張筋のストレッチ その2
次は立位で行う方法です。
開始肢位
壁に手を当てて(洗面所や流しを持ってもいい)伸ばしたい方の脚を逆側の脚とクロスさせて伸ばします。
方法
その姿勢から伸ばしたい側に体重を移動していく。
大腿筋膜張筋のストレッチ その3
個人的に一番伸ばしやすいと思っている方法です。
開始肢位
伸ばしたい脚を下にして、次の写真のように椅子にもたれかかります。
方法
その姿勢からさきほどと同じように、体重をかけていきます。
大腿筋膜張筋のストレッチ 別法
別法はいつもようにダイレクトストレッチです。
ダイレクトストレッチがわからない方は、まずはこちらをご覧ください。
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ダイレクトストレッチをするとき、いつもは軟球かテニスボールを使用していましたね。
軟球の方がきつく、テニスボールの方がマイルドです。どちらか自分に合うものをお選びください。
開始肢位・方法
写真のように大腿筋膜張筋にボールに体重をのせます。
体重は手や肘でコントロールしてください。
骨模型でいうとこの位置ですね。
ここにボールが当たるようにします。
腸脛靭帯のストレッチ
腸脛靭帯は大転子あたりから膝の下まで伸びている靭帯です。
靭帯は筋肉のようにストレッチ効果が得られにくいですが、腸脛靭帯はかたくなりやすく、痛みが強い方も多いのです。イメージ的にはほぐす感じでしょうか。
ここでもダイレクトストレッチを使用します。
さきほどは軟球かテニスボールとお伝えしたのですが、腸脛靭帯ではこれを使用します。
どこの家にもあるKURE556。なければトイレの消臭剤でもいいです。
開始肢位
方法
その状態で身体を頭尾方向へゆすります。
ストレッチポールにのる方法をすすめる方もいますが、ストレッチポールではかなり窮屈になりますのでおすすめしません。
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まとめ
大腿筋膜張筋と腸脛靭帯のストレッチについてお伝えしてきました。
大腿筋膜張筋も腸脛靭帯もあまり有名ではありませんが、股関節痛、膝痛の患者さんには関係が深い筋肉です。
一度お試しください。