今回は股関節内転筋のストレッチをご紹介します。
正しい方向に伸ばすようにしっかり意識しましょう。
股関節の内転筋は骨盤の下部と大腿骨をつなぐ強固な筋肉の集まりです。
長いもの、短いものなどいくつかの筋肉で内転筋群を形成していて、それぞれ特徴は異なります。
ストレッチでは特徴によって方法を変えていく方が、効果は得やすいと考えます。
ストレッチの前に股関節内転筋の解剖を復習
内転筋については以前こちらのブログでもご紹介しましたので、内転筋を知らない方はまずそちらをご覧ください。
あと筋トレについても書いていますので、お時間があればそちらもご覧ください。
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さきほどの記事でも紹介しましたが、股関節の内転には恥骨筋、短内転筋、長内転筋、薄筋、大内転筋の5つの筋肉が関わります。
内転筋群:恥骨筋、短内転筋、長内転筋、薄筋、大内転筋
ひとつずつイラストで復習しておきましょう。
まず恥骨筋は股関節の内側の基部にあります。
短内転筋はその遠位にあります。
さらにその遠位に長内転筋があります。
薄筋は股関節と膝関節をまたぎます二関節筋です。
最後は内転筋で一番大きい大内転筋です。これは大腿骨に付着するものと、膝にいくものに分かれます。
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股関節内転筋群の走行は絶対に考えるべき!
ストレッチの基本は筋肉の起始と停止を引き離せいいので、今回ターゲットとなる内転筋の起始部である恥骨付近と、停止である大腿骨内側を引き離すように動かせばよいわけです。
ただ内転筋群の場合、少し注意が必要です。
内転筋群とひとくくりにするとわからないのですが、1つ1つの内転筋を見ていくと微妙に走行が変わります。
図のようにヒトの身体を横からみると軸が通っているのですが、その軸の前にあるか、もしくは軸近くか後ろにあるかで、伸ばし方は変わってきます。
軸の前にあるもの:恥骨筋、短内転筋、長内転筋
軸の近くか、後ろにあるもの:薄筋、大内転筋
前者の軸の前にある筋肉のストレッチは開排(かいはい)すると伸ばしやすいです。後者は開脚系のストレッチで伸ばしやすくなります。
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股関節内転筋のストレッチの方法
まずは開排のストレッチから。
股関節内転筋ストレッチ その1(開排ストレッチ)
開始肢位
床にお尻を下ろした姿勢で、脚の裏同士を付けるようにします。
方法
その状態からまず膝を床に近づけるようにします。そして骨盤を前傾させます。
このとき上半身を前方に倒そうとすると、骨盤が後傾してしまいます。
お一人でされるときにどうしても骨盤の後傾が入ってしまう人は、壁にもたれながらストレッチを行うと後傾しなくなります。
その際には仙骨の後面が壁につくように、しっかり骨盤を立てて壁にもたれるようにしてください。
仙骨後面は骨盤のこの部分ですね。
骨盤をしっかり立てます。
そしてこの面を壁に当てるようにしてもたれます。
股関節内転筋ストレッチ その2
股関節内転筋の中でも、軸の前にある恥骨筋、短内転筋、長内転筋は短くてやや太く、ストレッチ肢位だけでストレッチ感を得るのが難しいのです。
そこで直接筋肉を押して伸ばす方法に切り替えると伸ばしやすいので、開排肢位でストレッチするのが難しい方は、まずこちらの姿勢で直接筋肉を伸ばしてみましょう。
用意するのはかためのクッションや棒など。ストレッチポールがあるとやりやすいです。
ベッドに横になり、ストレッチポールにまたがって大腿の基部を当て、ゆっくり体重をかけて伸ばします。特にかたいところを狙ってくださいね。
当てるときはしっかり解剖のイラストをイメージして、どの筋肉にあてているのか意識してください。
股関節内転筋ストレッチ その3(開脚)
開始肢位
床にお尻を下ろした姿勢で脚を開きます。
方法
その状態から骨盤を前傾するように倒していきます。
さきほどと同じく、骨盤が後傾するとストレッチ効果を得られませんので注意してください。
上半身を前に倒そうと意識すると、骨盤が後傾していきます。動かすのはあくまで骨盤。骨盤をしっかり前傾させます。
開脚でも骨盤が後傾しやすい人は、壁にもたれながら行うとやりやすいです。開排のときと同じく、骨盤をしっかり立てて、仙骨の後面で壁にもたれるようにしてください。
もし難しければ、開脚よりも内転筋は伸ばしにくいですが、片脚ずつやってもらってもいいです。
これはハムストリングスを伸ばすときにお伝えした方法と同じですね。
股関節内転筋ストレッチ その4(開脚ストレッチ別法)
身体がかたい方が開脚ストレッチすると、上半身を前方に倒していく際に必ず骨盤が後傾してしまいます。
これを防止するために壁にもたれる方法を紹介したのですが、別にこんな方法もあります。
床に寝転んで、壁を床面に見立てて開脚します。
かなりアクロバティックな方法ですが、これだと下肢の重みで勝手に開いてくれますから、上半身を動かす必要がありません。
どの方法も、可能であれば30秒程度伸ばしましょう。
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まとめ
股関節内転筋のストレッチについて解説してきました。
内転筋群は長さや走行が色々あるので、ひとつの方法で伸ばすというよりも、狙いたい筋肉によってストレッチの方法は変えた方が筋肉を伸ばしやすくなります。
またいつも申し上げておりますが、伸ばされている筋肉を意識することも大切ですので、しっかりイメージしながらストレッチするようにしましょう。