ふくらはぎの筋肉である下腿三頭筋。その正体を詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は下腿三頭筋の解剖や作用を画像を使って詳しく説明していきます。
下腿三頭筋とはその名の通り「下腿(膝から足首まで)にある3つの頭の筋肉」です。
3つの頭?なんのこっちゃ分からないですよね。
イラストを見る方が分かりやすいと思いますので、早速解剖の詳細に移ります。
下腿三頭筋とは?
下腿三頭筋とはふくらはぎの表層にある腓腹筋と、深層にあるヒラメ筋の2つの筋肉を足した総称です。
なぜ三頭筋と言うのかというと、腓腹筋には2つの頭があり、ヒラメ筋には1つの頭があり、足すと3つの頭になるからです。
このあたりは身体活動研究家の理学療法士・中島卓也先生が動画でまとめておられますので、こちらを先にそちらを観て概要をつかんでいただくとこの後の話も理解しやすいです。
腓腹筋
ふくらはぎの表層にあります。
外側頭と内側頭があり、それぞれ大腿骨の外側上顆、内側上顆を起始とし、停止は踵骨(しょうこつ)の後面中央付近。
起始が大腿骨にある(膝関節をまたぐ)ので、腓腹筋は二関節筋です。
英語では「gastrocnemius(ガストロクニーミアス)」と表記され、略して「ガストロ」と呼ばれています。
ヒラメ筋
腓腹筋の深部にあります。
腓骨頭と腓骨体上部を起始とし、踵骨の隆起部に停止します。
英語では「soleus(ソウリアス)」と表記されます。
ちなみに以前、某医薬品メーカーの湿布の広告で「ヒラメ貼り!」と言ってたのはこの筋肉です。
アキレス腱
私たちが普段よく耳にするアキレス腱は下腿三頭筋の停止部付近にある腱のことで、腓腹筋とヒラメ筋の腱が合わさってできています。
ちなみにタイトルにある「下腿三頭筋は腓腹筋と同じ?」ですが、ここまで読めばご理解いただけるでしょう。
筋肉でガストロというと、それは腓腹筋を指します。下腿三頭筋は腓腹筋とヒラメ筋の総称ですから、下腿三頭筋と腓腹筋はイコールではありません。
ここまではよろしいでしょうか。では次に下腿三頭筋の作用に移ります。
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下腿三頭筋の作用
下腿三頭筋の作用は足関節を底屈することです。
足底が地面に接しているときには、底屈するとは背伸びをするということです。
背伸びはリハビリでは踵上げ(踵挙げ)と呼ばれますし、ウェイトトレーニングではカーフレイズと呼ばれる動きです。
真上にジャンプするときには股関節や膝関節とともに、足関節を力強く底屈しています。
ここで2つ注意点があります。
下腿三頭筋としては足関節を底屈する作用なのですが、腓腹筋とヒラメ筋を個々に見ると、腓腹筋は二関節筋のため膝関節の屈曲にも作用します。(ヒラメ筋は足関節底屈にのみ働く)
また下腿三頭筋は主に真上方向にジャンプするために用いる筋肉ですので、使いすぎて歩くことは股関節が使えていない可能性があります。
股関節疾患のある人はふくらはぎが太くなるという特徴もありますので、歩行時には注意が必要です。
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まとめ
下腿三頭筋の解剖や作用についてお伝えしてきました。
ふくらはぎの筋肉とひとまとめにされることもありますが、腓腹筋・ヒラメ筋に分けて考えていくと、起始が違いますのでそれぞれ違う作用があります。
ストレッチや筋トレをするとにはそのあたりも考慮する必要がありますので注意しましょう。