コアを意識するなら腸腰筋ではなく大腰筋が大切な理由

最近話題の腸腰筋ですが、身体の軸を意識する場合、腸腰筋を意識するというのは誤った使い方かもしれません。

以前よりこちらのブログでも腸腰筋についてお伝えしてきました。

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今回は腸腰筋を復習してから、その中でもなぜ大腰筋が大切なのかお伝えします。

 

腸腰筋の解剖の復習

腸腰筋は腸骨筋、大腰筋、小腰筋の集まったもので、腰と股関節をつなぐ大切な筋肉です。

腸骨筋

腸骨筋イラスト

大腰筋

大腰筋イラスト

小腰筋

小腰筋イラスト

身体の運動においてコアという概念が取り入れられてからは、下部体幹や骨盤においては腸骨筋が重要だと言われるようになりました。

ただし「腸骨筋」は元々3つの筋肉の集合体であり、始まりの部分である起始は大きく異なります。

腸骨筋の起始:腸骨窩(骨盤の内側)

大腰筋の起始:第12胸椎の横突起、第1~5腰椎の椎体及び肋骨突起

小腰筋の起始:第12胸椎、第1腰椎の椎体

 

筋肉について簡単におさらいしておくと、筋肉には筋繊維に沿った走行というものがあります。

 

筋肉は基本的には起始の方向に停止が引っ張られて骨が動き、関節の運動が起こります。

筋肉の収縮と骨運動

腸骨筋であれば腸骨窩の方向に、大腰筋であれば第12胸椎の横突起や第1~5腰椎の椎体・肋骨突起方向に停止を引っ張るということです。

筋肉の走行

ですから厳密にいうと腸骨筋と、大腰筋や小腰筋が働いたときに骨を動かす方向は違います。

※以下、腸腰筋について述べますが、小腰筋は欠けている人もいて、小さすぎて意識することが難しいため、腸骨筋と大腰筋を中心に書いていきます。

 

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アスリートは知っていて一般人が知らない腸腰筋

腸腰筋を構成するそれぞれの筋肉が骨を動かす方向が違うといっても、それを体感している人はほとんどいません。

その理由は大きく分けて3つあると思います。

腸腰筋を知らない

多くの方に当てはまることだと思いますが、普通に生活していると筋肉の名前を覚えることはあまりないですよね。

街を歩いている人に「知っている筋肉を挙げてください」と質問して、挙げられるとしたら、ポパイでお馴染みの上腕二頭筋ぐらいでしょうか。(ちなみに腹筋は「腹直筋」という筋肉です)

 

ですからまず腸腰筋自体を知らないので、使い方うんぬんの話に至ることはありえません。

 

腸腰筋の構成を知らない

さきほども述べましたが、腸腰筋は腸骨筋、大腰筋、小腰筋が合わさったものです。

でも腸腰筋という筋肉は知っていても、腸腰筋自体が3つに筋肉からなることや、起始や停止の関係を知っている人はほとんどいません。

 

私もおそらくこの仕事をしていなかったら、腸腰筋の名前ぐらいは健康情報番組で知ることはあっても、3つの筋肉からなることは知らなかったでしょう。

少しマニアックな話ですが・・・。

 

そういう意味ではこちらのブログをご覧になっている方は、この段階はクリアできていると考えてもいいでしょう。

 

腸腰筋の使い方を知らない

医療従事者に欠けている視点かもしれませんが、「筋肉をどう使うのか」、これが大変重要になってきます。

先日もお伝えしましたが、たとえばスポーツ選手でパフォーマンスを上げたいと考えたときに筋力トレーニングをする方が多いでしょう。

でも鍛え続ければ成績がどんどん伸びるかといえば、それは間違いです。

 

筋肉を鍛えればパフォーマンスが上がるのであれば、ムキムキのボディービルダーはスーパーマンになってしまいます。

余分な筋肉は身体の柔軟性を奪い、かえってパフォーマンスを低下させる可能性もあるのです。

 

どんなスポーツでもそうですが、必要な筋肉を必要なときに必要なだけ働かせる必要があります。

これは以前からお伝えしているように、股関節に痛みを抱える方の立位や歩行にも言えることです。

 

大切なのは筋肉の使い方なのです。

 

ごく一部のトップアスリートは使い方を意識してすでにトレーニングできているか、意識して鍛えていなくても知らず知らず使えている方が多いのです。

ここが一流たるゆえんなのでしょう。

 

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使っている筋肉を意識する

少し長くなりましたが話を戻しましょう。

腸腰筋を構成している筋肉はそれぞれ骨を動かす方向が違います。

腸骨筋は骨盤と股関節の関係を考えたときには大切な筋肉です。一方、大腰筋は腰部と股関節のつながりを考えたときにとても重要です。

 

そしてもうひとつ、腸骨筋よりも背骨に近いところに位置するので、身体の軸を考えたときにとても重要になってきます。

 

ですから身体の軸を考えたり、下部体幹のコアを意識する際には、腸腰筋ではなく、大腰筋の動きや使い方を意識するようにしましょう。

大事なのは鍛えることではなく、しっかり使えることです。

鏡姿イメージ

これができれば立位や歩行が変わってきます。

 

まとめ

腸腰筋の使い方の違いについてお伝えしてきました。

今日お伝えしたことは少しマニアックになりますが、身体をうまく使えている人は知らず知らず行えている大切な要素です。

 

大切なのは筋肉を鍛えることではなく使い方を知ること。そして意識すべきは腸腰筋ではなく大腰筋。

一度お試しください。