Q角をご存知ですか?膝蓋骨脱臼など膝関節や膝蓋骨の疾患に深く関わるので要チェックです。
前々回はFTA、前回はミクリッツ線についてお伝えしましたが、お読みいただきてましたでしょうか。
見逃している方は、先にそちらをご覧ください。
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今回はFTA、ミクリッツ線と混同されやすいもうひとうの評価、Q角についてお伝えしていきます。
Q角とは?
Q角は「Qアングル」とも呼ばれるもので、角と付いているので何かの角度を表すものだとイメージできると思います。
Q角とは、
- 上前腸骨棘と膝蓋骨の中央を結んだ線
- 膝蓋骨の中央と脛骨上縁中央を結んだ線
このふたつが交わる角度です。
上前腸骨棘の場所が分からない方はこちらで詳しく述べています。
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Q角の正常値は男性は約10°、女性は約15°です。(※教科書によって多少のばらつきがあります)
男性と女性に角度に差があるのは、男性の骨盤が女性の骨盤に比べて横長になっているためです。
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Q角の測定はFTAやミクリッツ線と同様に触診や視診では行えず、下肢をレントゲン撮影して調べます。
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Q角の異常によってもたらされるもの
Q角はおおよそですが、男性では15°以上、女性では20°以上になると正常から逸脱した状態と考えられます。
Q角の異常がもたらず一番有名なものは、膝蓋骨脱臼の脱臼です。
このレントゲンで分かりますか?
これは大腿四頭筋(特に大腿直筋)の走行を考えると分かりやすいでしょう。
こちらの図をご覧ください。
もともと膝蓋骨は、内側広筋と外側広筋の働きにより、大腿直筋の収縮と同じような向きに動きます。
ただしQ角が大きいと、内側広筋と外側広筋のバランスが崩れて(特に内側広筋が落ちます)、大腿直筋の収縮により膝蓋骨は外側に動く力が加わります。
これが膝蓋骨脱臼の原因になります。
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膝蓋骨脱臼を予防するには?
変形性膝関節症でも内側広筋が落ちることが問題になることが多いのですが、そんな方には股関節の内転筋を働かせながら大腿四頭筋を鍛える方法をおすすめします。
用意するのは少し大きめのボール。
100円均一などで売っているもので大丈夫です。
このボールを太ももの間にはさみます。
はさんだ状態で、膝をしっかり伸ばしましょう。
別の角度から見るとこんな感じ。
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まとめ
Q角の測定方法と正常値、膝蓋骨脱臼との関係をお伝えしてきました。
前回、前々回ご紹介したFTAやミクリッツ線とはまた違う意味を持ちますので、しっかりその意味を理解しましょう。
特に膝蓋骨脱臼など、膝蓋骨の疾患には関わりが深いので、予防方法も含めて要チェックです。