高齢者の転倒とバランス能力低下の関係を分かりやすく解説

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転倒する高齢者は本当に多いのですが、その原因はどこにあるのでしょうか。

単刀直入に申し上げると、転倒の大きな原因となるのはバランス能力の低下です。

前回のブログではリハビリの視点で、バランスについて考えました。

その中で、「バランスとは姿勢保持や動作時の安定性や不安定性を示し、筋・骨格系や感覚系など、さまざまな要素が正常に機能することでバランスが得られ、転倒しない身体を作り出す」とお伝えしました。

前回の記事をまだご覧になっていないのであれば、今回の話につながる内容となりますので、先にそちらをご覧ください。

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今回は、前回お伝えした中でも筋・骨格系の原因に関するお話です。

実はバランス能力と足関節・股関節は深い関係にあります。

私たちはどのようにしてバランスをとっているのでしょうか?そして足関節・股関節との関係とは?

目次

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人はどうやってバランスをとるのか?

人は足首(足関節)と股関節でバランスをとります。

足首でバランスをとることを専門用語では「アンクルストラテジー(ankle strategy)」と呼びます。

一方、股関節でバランスをとることを、専門用語では「ヒップストラテジー(hip strategy)」と呼びます。

健常者や若い人は少しバランスが崩れたとき、足首の動きでバランスをとり姿勢を維持し、大きくバランスが崩れたときは股関節の動きでバランスをとります。

ところが高齢者は少しバランスが崩れただけでも足首でなく、股関節の動きを使ってバランスをとる傾向にあります。

アンクルストラテジーで運動を制御する際には、足首周りの筋肉をしっかり働かせることで足首を固定し姿勢を安定させます。

ただし高齢者は健常者ほど筋力がありませんので、力を入れて何とかバランスをとろうとするのですが、アンクルストラテジーがうまく機能しません。

先ほどお伝えしたように、高齢者はヒップストラテジーで運動を制御しようとするのですが、アンクルストラテジーに比べて、バランスが崩れたときに素早く重心位置を調整して姿勢を立て直すことが難しくなります。

そのため高齢者は健常者であれば転倒しないような、わずかなバランス崩れにも対応できず、転倒につながる危険性が高いのです。

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足首を使ってバランスをとるには?

足首でのバランス反応をよくするためにリハビリの現場でも実際に使われるのがバランスパッドです。

リハビリを受けたことがなければ見たことがないかもしれませんが、医療器具ですがAmazonや楽天でも売っています。


バランスパッドはクッションのような物に乗ってバランスをとるリハビリ器具で、パッドの柔らかさは分かりやすい例でいうと、こんにゃくと考えてください。

重心位置が安定していないと前後左右に傾きます。

以前、バランスパッド上で片脚立位になったときの足の指の動きを撮影したことがあるので、参考にそちらをご覧ください。

この練習を行うことでバランスが崩れた際に、バランスをとるために働く前脛骨筋の反応時間が短くなったり、足関節捻挫の再発予防に効果的があったりします。

ただバランスパッドがご自宅にある方は稀だと思いますので、今回はバランスパッドの代用品になるものをご紹介します。

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自宅で簡単にできるバランス練習

まずはバスタオルを用意して写真のように折ります。

高齢者の転倒とバランス能力低下の関係を分かりやすく解説1

折り方は特にこだわらなくて大丈夫です。厚みが出ればOKです。

折ったタオルを壁と壁のあいだの角っこに置きます。

高齢者の転倒とバランス能力低下の関係を分かりやすく解説2

壁と壁の間で行うのは、バランスを崩したとしても壁が支えになってくれるからです。

その上に片脚で乗りバランスをとります。

高齢者の転倒とバランス能力低下の関係を分かりやすく解説

このときの注意点としては、なるべく重心がぶれないように、足首でバランスをとるようにしましょう。

ただしバランス能力が落ちている方が練習される際には、補助する人に必ずついてもらい、安全に配慮してください。

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まとめ

高齢者のバランスのとり方と、転倒しないためのバランス練習についてお伝えしてきました。

後悔先に立たずという言葉があるように、転倒して骨折した後ではあれこれ言っても後の祭りです。

病院で勤務していると、転倒して骨折される方は本当に多いことに気づきます。転倒して骨折する前に足首でのバランス能力をしっかり鍛えて、転びにくい身体を作ってください。

最後に、万が一転倒してしまったとしても、骨が丈夫であれば骨折する可能性はわずかですが低くなります。

小魚やパセリ、モロヘイヤなどカルシウムをしっかり含む食品を食べて、適度に日光浴そして、丈夫な骨になるように心がけることも大事ですよ。

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