膝のお皿も骨折するのをご存知ですか?今回は膝蓋骨骨折についてご紹介します。
高齢者やスポーツをする人など、若者からお年寄りまで幅広い年代で起こる骨折なので、ぜひご覧ください。
膝のお皿をぶつけて痛い思いをしたことありませんか。
私はコンクリートでこけて、おもいっきりぶつけて泣いた記憶があります(T_T)
膝のお皿は解剖では膝蓋骨(しつがいこつ)と呼びます。
膝蓋骨骨折の話をする前に、簡単に膝蓋骨の解剖を復習しておきましょう。
お膝の前にある丸っこい骨ですね。
もっと詳しく知りたい方は、以前こちらのブログで解説していますので先にそちらをご覧ください。
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膝蓋骨の解剖の記事でもお話しましたが、膝蓋骨は膝関節を守る役割がありますが、強い衝撃が加わると膝蓋骨は骨折します。
どんな人が骨折しやすいのか、またどんな治療が行われるのか、詳しくみていきましょう。
膝蓋骨骨折とは?
膝のお皿が骨折することを膝蓋骨骨折といいます。
膝蓋骨骨折は全骨折の1%程度の頻度で起こるといわれていて、膝関節に関わる骨折の中では一番多く起こります。
膝蓋骨骨折のタイプ
膝蓋骨のタイプには横骨折、縦骨折、粉砕骨折の3つがあります。
粉砕骨折とは簡単にいうと「バラバラ」ということですね。
膝蓋骨骨折の受傷機転
膝蓋骨骨折の受傷機転は、高齢者と若者に分けて考えると分かりやすいです。
まず高齢者の場合、転んだときに直接膝蓋骨を床や地面にぶつけて骨折することがほとんどです。また階段でつまずいて上の段の角に膝をぶつけて骨折をしてしまうケースや、階段からの転落によって骨折するケースもあります。
次に若者の受傷機転ですが、交通事故とスポーツでの受傷がほとんどです。
交通事故ではバイクが多く、膝を強打した際に骨折します。
スポーツでは特にサッカーやラグビーなど、膝に強い衝撃が加わる可能性があるスポーツで多く起こります。
次は膝蓋骨骨折の治療について紹介します。
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膝蓋骨骨折の治療について
治療には保存療法と手術療法があります。
なるべくなら手術はしたくないですが、保存療法で様子をみていくのか、手術療法をするのか、これには基準があって「骨片間が3mm以上離れ、関節面に2mm以上の転移があるもの」とされています。
骨が大きく折れてずれていたら手術になるということですが、このあたりは個々の症例の状況により教科書通りにはいかないことが多いので、判断は医師の診察を受けてご相談ください。
保存療法
保存療法ではニーブレースという装具で、膝関節を伸ばした状態である程度骨が癒合する(くっつく)まで固定します。
その間は非術側の下肢の筋トレや、術側の足関節の運動などを行います。
ある程度骨癒合が得られれば、徐々に関節可動域運動も開始します。
保存療法での歩行は、ニーブレースを着用すれば免荷(脚をつかない)せずに歩行は可能です。
先ほどからニーブレースという言葉がでてきていますが、、「ニーブレースって何?」ってなりますよね。
ニーブレースをご紹介しようと探していたら、こんな医療用品まで楽天で販売されているんですね。すごい時代です^^;
手術療法
次に手術療法です。
最近は Tension band wiring法が主流となっています。これはワイヤーで膝蓋骨を固定する方法です。
Tension band wiring法は比較的予後が良いと言われていて、順調に回復すれば歩けるようになりますし、スポーツもできるようになります。
手術後のリハビリは翌日から開始します。
保存療法と違い最初から関節可動域運動も開始できます。ただし手術をしていますので、痛みや状態をみながらになります。
その他、筋力トレーニングも行っていきますが、大腿四頭筋に関しては骨折部に離開ストレスを与えたくないため、関節が動かない程度の軽いメニューから始めていきます。
手術をした場合は、ニーブレースを装着すれば全荷重で歩行可能です。
保存療法、手術療法ともにポイントとなるのは、膝関節の可動域制限を残さないようにすることです。
また膝蓋骨の動きは大腿四頭筋の筋力にも大きな影響を与えますので、膝蓋大腿関節の動きと大腿四頭筋の筋力も要チェックです。
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まとめ
膝蓋骨骨折と治療についてお伝えしてきました。
膝蓋骨骨折を完全に防ぐことは難しいですが、受傷機転については知識があった方がいいでしょう。
膝蓋骨骨折後の治療ではニーブレースの装着が必要になりますが、順調にリハビリできれば、ほとんどの方が元の生活に戻ることができます。
まずは骨折しないことが一番ですが、骨折しても焦らずにしっかり治療をすすめましょう。