股関節のレントゲンからはその人の状態が読み取れるいくつものヒントがあります。
今回は股関節のCE角とSharp角についてお伝えします。
CE角とSharp角。あまり聞き慣れない言葉だと思います。医療従事者でも知っている人は少ないかもしれません。
CE角、Sharp角とも大腿骨の骨頭に対して、骨盤の寛骨臼がどれぐらい被さっているかを表し、臼蓋形成不全の診断時に医師が用いる、レントゲン上のひとつの指標です。
臼蓋形成不全の指標となるCE角とSharp角
CE角は大腿骨の骨頭中心を通過する垂線と、寛骨臼の外上縁を結んだ線がなす角度のことをいいます。
引用)図解入門よくわかる股関節・骨盤の動きとしくみ (How‐nual Visual Guide Book)
この角度は正常では30°前後とされていています。文献にもよりますがCE角が20°以下で、大腿骨頭に対して寛骨臼の被りが浅いことになります。
次にSharp角は、左右の涙痕を結ぶ線と、臼蓋外上縁と同側の涙痕を結ぶ線のなす角度のことです。
Sharp角は男女差があり、こちらも文献により異なりますが、おおよそ45°以上で寛骨臼の被りが浅い目安となります。
スポンサーリンク
被りが浅いとどんな影響があるの?
ここで大腿骨頭に対する骨盤の被りが浅いとどうなるのか気になりますよね。
股関節は寛骨臼に大腿骨頭がはまり込む形をしていますが、CE角が小さかったり、Sharp角が大きかったりすると、関節内で接触する面積が減ります。
接触する面積が減るということは、体重がかかったときに関節内の一部に通常よりも負担がかかることになり、軟骨がすり減りやすくなります。
そのあたりはこちらで詳しくお伝えしていますので、お時間があればご覧ください。
関連記事
スポンサーリンク
まとめ
股関節におけるCE角とSharp角についてお伝えしてきました。
最後に気をつけて欲しいことがあります。
CE角やSharp角は臼蓋形成不全を医師が診断するひとつの指標になりますが、個人差もあります。ですからこの数字が良くないからといって、すぐに手術する必要があるというものではありません。
そのあたりは診察時に担当医としっかり相談してくださいね。