股関節唇損傷の保存治療、自然治癒は期待できる?

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こちらのブログでも何度か取り扱っている股関節唇損傷。今回は股関節内視鏡の手術ではなく、保存治療について考えてみましょう。

股関節唇損傷の治療といえば、現在は股関節鏡を用いた外科的治療が中心に行われてます。

股関節鏡は傷口も小さく、2箇所ほどの創傷で済みますので、人工関節置換術の手術に比べると侵襲は小さいです。

 

ただそうは言っても身体にメスを入れることに変わりはないわけですし、癒着を起こすこともあります。

そんな理由からできれば保存治療に望みをつなげたい方もたくさんいらっしゃいます。

 

今回は股関節唇損傷の保存療法について、ご質問をいただきましのでご紹介します。

 

目次

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自然治癒で完治する?

いただいたご質問はこちらです。


題名:股関節唇損傷による痛みの改善法

性別:男性

年齢:70代以上

診断名:股関節唇損傷

メッセージ本文:
2014年2月初めに棚から落ちてきたものを取ろうとして、両膝を左に曲げながら身体を左に捻ったところ、腰のあたりにズキンという痛みが走りました。

整形外科を受診し、胴体の真ん中から股関節にかけてのレントゲン撮影及びMRI診断を受けました。その結果、股関節唇損傷及び腰椎の椎間板ヘルニアとの診断を受けました。

 

股関節を左右に開こうとするとき

  • あぐらをかこうとするとき
  • 和式トイレにしゃがもうとするとき
  • 椅子に座った状態で膝を垂直に上に上げようするとき
  • 椅子に座った状態で足首を反対の膝の上に乗せようとするとき
  • 膝を回転させようとするとき

などには左右の股関節、特に左股関節にピシッという痛みが走ります。

 

このため、医師は両股関節に痛み止めの注射を施し、それでも痛みが緩和されないため両股関節にヒアルロン酸の注射を施しました。

痛みはわずかに緩和されましたが、先ほど記した動作をすると痛みが走ります。

 

痛み始めてから6ヶ月が経ちましたが、8月半ば現在ではまだ完治していません。歩行や階段上りには痛みは出ません。

先生のホームページに掲載されているストレッチ運動をすれば良いですか?

また「完治には、一般的に何ヶ月ぐらいかかるものなのでしょうか?

 

現在の診断は股関節唇損傷と腰椎の椎間板ヘルニアということです。

 

痛み止めやヒアルロン酸の注射を施行しましたが、少し痛みが軽減したものの、完全にはなくなっていないご様子。

痛み止めは名前の通り痛みをとるだけで、器質的に治すわけではありません。

ヒアルロン酸も効けばラッキーという感じで、股関節唇損傷を接着剤のように治すものではないと思います。

 

股関節唇損傷の場合、「治癒」や「完治」という表現は使いにくいです。

損傷した股関節唇が、かすり傷が治るように元の通りになるというのが、はっきりしないからです。

 

股関節唇にも血流が豊富な部分もありますので、自然治癒能力はあると思いますが、どれぐらいの損傷なら自然治癒できて、どれぐらいなら自然治癒できないのか、そういった判断ができないです。

股関節唇を保存療法で「治癒」したとか、「治った」と表現している治療家もいるのですが、それは股関節唇に負担のかからない動作をマスターしたりして、痛みを抑えていくことができたととらえるべきでしょう。

 

ストレッチも個々の症例に合わせたものをしていく必要があると思いますが、ストレッチしたから股関節唇損傷が治るわけではなく、ストレッチで股関節の痛みが改善したとすれば、股関節唇に負担のかからないような動作を獲得するために必要なストレッチができたと考えるべきでしょう。

 

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まとめ

股関節唇損傷の自然治癒についてお伝えしてきました。

どの程度の損傷あれば元に戻ることができるのか、またそれが本当に可能なのか、それがはっきりしていえば、医師も判断しやすくなると思うのですが、現状ではその判別は難しいのかもしれません。

 

高齢者になれば股関節疾患がないと思っていても、多少の股関節唇損傷がある場合があり、そう考えると高齢者では保存治療で股関節唇の自然治癒を期待するのは難しいのかもしれません。

 

いずれにせよ、それ以上股関節唇に負担がかからないようにしていく必要はあると思いますので、まずはいつも申し上げているように股関節唇損傷に負担がかからないような動作に改善していきましょう。

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