以前放送されたNHKの『ためしてガッテン』をご覧になりましたか?
腰痛や膝痛の原因が「股関節にあった!」というお話でした。
「股関節の痛みの原因は股関節にはない」
一般の人から見ると「???」となりそうな話題ですが、実際にはこんなことはリハビリの現場では日常茶飯事です。
番組では腰痛や膝痛を抱えいてる方の原因は股関節からくるという図式でしたね。
股関節のことならせっかくなので当ブログで検証してみましょう。
貧乏ゆすりの謎にも迫りますね。
痛いのはどこ?
冒頭で女性がおっしゃっていましたが、膝や腰が痛くて整形外科に行っても、なんの問題もないと言われたとのこと。
このあたりは思い当たる方もいらっしゃるかもしれません。
整形外科の診察では、基本的には痛いところの診察をしますし、痛いところのレントゲンを撮るので、他の箇所が悪かったら見逃されることもあるかもしれません。
股関節痛患者様の集まりで聴いても、足の先から腰から背中まで、いろんな箇所に痛みを訴えておられました。
股関節が痛いのにですよ(;´Д`)
この原因は腰から足の先まで一本で伸びている神経があって、股関節の痛みなのに関連する領域の痛みと勘違いするということでした。
まずはどこが痛いのか?それが分からないと話が始まりませんよね。
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どんな姿勢や動作が負担をかける???
普段何気なくやっている姿勢や動作でも股関節にものすごく負担をかけているかもしれません。
股関節の痛みや疾患が姿勢や歩行から起こるかもしれないというのは、当ブログでいつもお伝えしていることです。
例えば番組で紹介されていたのは歩行中の、片脚立ちになる瞬間です。
実に体重の3倍です!
普段何気なくとってる姿勢も、股関節にはすごく悪い可能性があります。
番組では背中が曲げると骨盤が後傾(後ろに倒れてる)して、臼蓋にかかる負担が増えて変形性股関節症に移行するという話でした。股関節痛をお持ちの方は背中が曲がってる姿勢で立ってる人多いですよね。
腰がまがって一日中立っていたり、歩き続けていたりすることを想像してみてください。腰のあたりの筋肉がかたくなるような気がしませんか。私なら確実になります。
腰がまがっていれば、本来立位や歩行時に起こるべき自然な股関節や膝関節の動きが阻害され、太ももの筋肉が使えず、クッション材である半月板が機能しないことが予想されます。
そしたら膝も痛くなりそうですもんね。
股関節と腰や膝関節つながっているのは、人体の構造や運動学を理解していれば当然の流れです。
全然関係ないですが、番組で登場されておりました、京都大学の建内先生は以前ブログでご紹介させていただきました、私も尊敬する股関節のスペシャリストです。
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貧乏ゆすりで軟骨復活???
番組には神奈川リハビリテーション病院の杉山先生も登場され、股関節によい運動をご紹介されていました。
それはなんと貧乏ゆすりです!
筋肉をリラックスさせて運動栄養補給させて、軟骨ができやすい環境をつくっていくそうで、動物では証明されているということでした。
貧乏ゆすりの他にも、座りながら足を開く運動が紹介されていました。
でもね、人気の健康番組なのにがっかりしたのは、関節軟骨の再生のメカニズムは、まだ解明されてないんですよね。
動物実験では軟骨の再生が促されたって言われてるんですが、人間では股関節軟骨の再生は証明されていません。
おそらく番組で言いたかったのは、股関節周囲の筋肉が柔らかくできたら、股関節内で軟骨への圧迫をゆるめることができます。
股関節を動かすことにより滑液による軟骨への栄養供給が増えて、軟骨が再生していくと言うことだと思います。
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まとめ
今回の番組では、腰痛や膝痛の股関節にあるということでしたが、腰痛や膝痛のすべての原因が股関節であるというわけではないですし、腰そのもの、膝そのものが傷んでいる方も必ずいます。
また貧乏ゆすりについても、股関節の治療では関節への過度の負担は害となりますが、適度な負担は必要といわれています。負担をかけることを恐れてばかりいると、全体として治療が進まない可能性もあります。
そのあたりもふまえた上で、医療スタッフと相談して治療の方向を決めましょうね。