変形性股関節症で介護保険の認定は受けられるのか?

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つらい股関節痛で悩まれている方は、「介護保険で受けられるサービスはないの?」と考えたことがあるかもしれません。

そこで今回は股関節でお悩みの方のために、介護保険のサービス利用について詳しくご紹介します。

変形性股関節症で介護保険の認定を受けられるのか?

ご近所の方と話していると

「デイケアに通っている」

「自宅にヘルパーさんに来てもらって食事の用意をしてもらっている」

という話を聞いたことがあるかもしれません。

このような話をされる方の多くは、介護保険法で規定されている介護保険サービスを利用しています。

「介護保険ってあれでしょ、ほら高齢者が受けるやつ」

と思われるかもしれませんが、そんなことはないですよ。

介護保険は比較的若い方、たとえば40歳の方でも、一定の条件を満たせば受けられる可能性があります。

何となく介護保険サービスのことをご存じでしょうが、介護保険制度は意外と複雑ですので、ここで改めておさらいをしたいと思います。


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介護保険の概要

介護保険制度は平成12年4月(西暦では2000年)からスタートしました。

ちょうど私が理学療法士を目指して専門学校に入学したときだったので、授業で先生が説明していたのを覚えているのですが、入学直後の私には難しい内容でした。

介護保険制度は皆様がお住まいの市区町村(保険者といいます)が運営していて、私たちは40歳になると被保険者として介護保険に加入します。

市区町村(保険者)が実施する認定調査において介護や支援が必要と認定された場合、介護保険サービスを受けることができます。

こちらのブログを読まれている方は大丈夫だと思いますが、介護保険料を払っていなかったり、滞納していたりすると、後々ややこしくなるので気をつけてください。


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介護保険の理念

介護保険制度が施行される前は「措置制度」というものがありました。

措置制度とは、たとえば介護で困っていて市町村に相談すると、「それでは、その要介護者をこの施設に入れなさい」と自治体の都合の良い施設に「措置」されることが当たり前でした。

市民はその紹介された施設が例えどんなところであろうと、それを受け入れる以外に選択肢がなかったのです。

そこで介護保険法では「利用者がサービスおよび事業所を選択する」ということが理念として掲げられています。

実際に私は介護の現場でも働いていますが、最終的な決定権はあくまで利用者にあり、この理念は施行されて15年経った今でもきちんと守られていると思います。

利用する人にとっては良いことですよね。

ただし、何でもそうですが、制度の内容を知っておかないと、知らない間に無理矢理必要もないサービスを利用させられていたり、行きたくもない事業所に行かされたりすることもありますので気をつけましょう。


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介護保険制度の裏側にあるもの

「利用者がサービスおよび事業所を選択する」という理念の裏には国のある思惑があります。

介護保険制度が導入を検討し始めたのは、国が急増する高齢者とそれに伴う社会保障費の増大を懸念したからです。

旧式の措置制度では国が運営するため、施設を増やしたり、介護職を養成したり、人を雇ったりするのに莫大な費用と時間がかかります。

そこで国はこれを民間に任せようと考えたのです。

民間に委託するにあたって、市場原理を働かせるために「利用者が選択できる」という制度を作り上げました。

そうすると国のお金をあまり使わなくても、施設は競争するように建てられていき、利用者を獲得するために介護サービスの質もどんどん磨かれていきます。

つまり、国が民間に高齢者対策を手伝ってもらうために、介護保険制度で「利用者が事業者・サービスを選択する」という理念を掲げたのです。

この「選択できる権利」がなければ、もしかしたら高齢者を騙してお金を巻き上げる業者がいたかもしれませんし、いま以上に介護保険制度が国民に浸透しなかったかもしれませんね。

特に国として増やして欲しいサービスには、介護保険の点数が高めに設定して「旨味」をちらつかせて、どんどん参入業者を呼び込みます。

そしてある程度増えてくると点数を下げる、まさに人参ぶら下げ作戦。なかなかよく考えられていますね。

変形性股関節症の人は介護保険認定を受けられる?

少し話がずれてしまいましたが本題に戻ります。

介護保険サービスが使えるとみなさんが思われているのは、いわゆる高齢者だと思います。

65歳以上の高齢者を介護保険では第1号被保険者といいます。

第1号被保険者であれば、認定調査を経て要介護状態、もしくは現行の制度であれば要支援状態と認定されれば介護保険のサービスが利用できます。

利用できるサービスは介護度によってさまざまです。たとえば介護ベッドのレンタルは、要介護2以上でないとできません。

ここまではよろしいでしょうか。

では65歳未満の人は介護保険の認定を受けて、サービスを利用することはできないのでしょうか。

たとえばこちらのブログで対象となる方でいうと、「変形性股関節症で股関節の痛みがつらくて、立ち上がることや歩くことが困難な60歳の方は介護保険の認定を受けられるのか?」ということです。

実はある条件を満たしていれば、40歳以上65歳未満の方でも介護保険サービスを受けることができます。これを第2号被保険者といいます。

ある条件というのは、以下に挙げる16の特定疾病に該当するかどうかです。


【16の特定疾病】

  • 筋萎縮性側索硬化症
  • 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
  • 脊柱管狭窄症
  • 骨折を伴う骨粗しょう症
  • 慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎など)
  • 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
  • 脳血管疾患(脳出血、脳梗塞など)
  • 早老症(ウェルナー症候群など)
  • 多系統萎縮症
  • 初老期における認知症(アルツハイマー病、脳血管性認知症など)
  • 脊髄小脳変性症
  • 後縦靭帯骨化症
  • 関節リウマチ
  • 閉塞性動脈硬化症
  • がん末期
  • 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

あえて最後に書きましたが、実は65歳以上でなくても、「両側の股関節に著しい変形を伴う変形性股関節症」があれば、40歳以上65歳未満でも介護保険の要介護認定を受けて、介護保険のサービスを利用できる可能性があります。

「両側に著しい」という文言がありますので、片側ではダメですし、著しくない場合もダメです。

このあたりは医師に診断していただきましょう。

臼蓋形成不全ではダメ?

股関節に痛みを抱えている方には、変形性股関節症ではなく臼蓋形成不全や股関節唇損傷など、他の股関節疾患の方もいらっしゃるでしょう。

特定疾病に入っているのは何度もいいますが「両側に著しい変形を伴う変形性股関節症」です。

ですから、臼蓋形成不全とだけ診断がついている場合はダメです。

ただし臼蓋形成不全から変形性股関節症になって、両側に著しい変形がある場合には第2号被保険者の対象となる可能性もあります。

このあたりも医師に相談してみるといいでしょう。

まとめ

変形性股関節症と介護保険との関係についてお伝えしてきました。

補足になりますが、65歳以上の第1号被保険者であれば特定疾病であることは問われず、「要介護(もしくは要支援)状態」であれば介護保険の認定を受けられます。

ですから変形性股関節症であるかどうかは、第1号被保険者の場合は関係ありません。

変形性股関節症の場合、若い方も多いので、今回の話でいう40歳以上65歳未満の第2号被保険者に該当される方もいるでしょう。

国の制度を知らない人に親切に知らせてはくれません。

個人個人ができる範囲で情報収集し、制度や援助を賢く使っていきたいものですね。


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