ミクリッツ線と膝OAやO脚との関係は測定方法を知れば理解できる

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ミクリッツ線を知れば、変形性膝関節症で痛みがでる理由が理解できます。

今回は下肢の重要な評価のひとつであるミクリッツ線についてご紹介します。


前回はFTAについてご紹介しました。

FTA(大腿脛骨角)は大腿骨の軸と脛骨の軸が交わる角度のことをいい、正常は約176°、180°以上であれば内反膝、165°以下であれば外反膝ということでした。

 

まだお読みになっていない方は、今日の話を理解する上で必要ですので、先にそちらをご覧ください。

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そして今日ご紹介するのはミクリッツ線です。

ミクリッツ線はFTAとごっちゃになる方も多いので、その違いについてしっかり理解してくださいね。

 

目次

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ミクリッツ線とは?

先にミクリッツ線には呼び名がたくさんあります。

 

私は「ミクリッツライン」と専門学校で習いましたが、「Mikulicz線」となぜか英語と漢字の組み合わせで呼ぶ場合もありますし、漢字で「下肢機能軸」と呼ぶこともあります。

そうかと思えば、英語の論文では「Mechanical Axis」と表記されていることが多いので、それをカタカナ読みして「メカニカルアクシス」という先生もいらっしゃいます。

 

今回は何と呼べばいいのか、そんな話は置いといて、ミクリッツ線、ミクリッツライン、Mikulicz線、Mechanical Axis、メカニカルアクシスは同じものとします。

ですから診察などでこれらの名前を耳にしたら、「ミクリッツ線のことなんだな」と考えてください。

 

前置きはさておき、ミクリッツ線とは大腿骨頭の中心から足関節の中心を結んだ線のことをいいます。

この線は正常では膝関節の中心を通りますが、O脚の方は膝関節の内側を、X脚の人は外側を通ります。

ミクリッツ線ミクリッツライン下肢機能軸
引用)図解入門よくわかる股関節・骨盤の動きとしくみ (How‐nual Visual Guide Book)

ちなみに「ミクリッツ線」とインターネットで検索すると「ミクリッツ線 外反股」というのが検索関連ワードとして出てきます。

 

外反股とは頚体角が通常より増大した状態と以前ご紹介しました。

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「外反股だから股関節が外転している。だから膝関節も外側に向くだろうからミクリッツ線は膝関節の内側を通る」という話が、どこかのサイトに書かれていましたがそれは間違いです。

外反股や内反股はあくまで股関節の問題ですし、そもそも頚体角が大きいことは股関節が外転していることではありません。

 

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ミクリッツ線の測定方法

ミクリッツ線を測定するには、大腿骨頭と足関節の中心がどこにあるか知る必要がありますので、下肢全体をレントゲン撮影する必要があります

 

ただしFTAのときもお伝えしましたが、ただ膝痛の初期に病院を受診して、下肢全体のレントゲンを撮影することはほとんどありません。

放射線被曝や費用がかかるため、膝が痛い場合には正面と側面、あと1枚撮る膝関節を上から見たもの、この3つです。

 

ではどんなときにミクリッツ線を見るのかというと、人工膝関節置換術の適応になる場合、どれくらいミクリッツ線からずれているのか調べることが多いです。

 

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ミクリッツ線の意味

ミクリッツ線は荷重がどのように膝関節にかかっているのか、理解する上でとても重要です。

ミクリッツ線が膝関節の内側にあると、膝関節の立位や歩行時には膝関節の内側に荷重がかかりやすくなり、外側にあると膝関節の外側にに荷重がかかりやすくなります。

 

たとえばO脚の人はもともとミクリッツ線が膝関節の内側にあるため、膝関節の内側に荷重がかかりやすくなっています。

その上、立位や歩行時に片脚立位になると、さらに膝関節の内側荷重となるため、膝関節の内側の軟骨が傷みやすくなり変形性膝関節症になってしまいます。

ミクリッツ線と膝OAやO脚との関係は測定方法を知れば理解できる2

 

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まとめ

ミクリッツ線について詳しくご説明してきました。

ミクリッツ線はあまりレントゲン撮影する機会はありませんが、荷重と荷重による膝関節への影響を考えるときにとても重要です。

 

ミクリッツ線が分かれば、立位や歩行で膝関節の内側の軟骨がなぜ減るのか、理解しやすいでしょう。

 

皆さんのミクリッツ線はどうなっているでしょうか?

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