股関節痛と歩行は密接なつながりがあります。今回は股関節に痛みを抱える方からウォーキングについてご質問をいただきましたのでご紹介します。
最近ウォーキングを趣味が流行っていますね。早朝の公園ではたくさんの人が歩いておられます。
もちろん股関節に痛みを持つ方の中にもウォーキングを趣味されている方はいらっしゃるのですが、股関節に痛みがあるとウォーキングをしてはいけないのでしょうか。
股関節痛とウォーキング
今回いただいたご質問は以下です。
題名:股関節痛とその治療法について
性別:男性
年齢:60代
診断名:股関節炎
メッセージ本文:
國津様
2013年12月初旬に生まれて初めての軽い股関節痛発症。マッサージ師の1回の治療で翌日には痛みは治まりその翌週にハイキングとゴルフを各1回行いました。
12月下旬にまた股関節痛が発症、マッサージ師に2回通院するも治らず。椅子に座っている時、臀部が痛くなり、ネットで調べると股関節症の特徴のひとつと書いてあったのですぐに病院でレントゲンを撮り、医師から下記診断を受けました。
- 骨盤と大腿骨との空隙は保たれている
- 骨盤と大腿骨との入り具合が少し浅め(亜脱臼気味)である
- 軟骨がすり減っているが、まだ残存している
- 腰椎のMRIでも異常は見当たらない
私はインターネットのウォーキング・サークルの世話人をこの2年間している関係で、年間で下見と本番を入れて約35~40回(1回8~10km×35~40回=約350km)くらい2年続けてで歩いていたことを医師に告げました。
医師からは「歩き過ぎと思います。1ケ月くらいウォーキングを自粛し様子をみてください。」と言われました。
私は現在6◯歳です。それまで運動はゴルフを10数年で年間20回くらいやっていたくらいで、ウォーキングを始めたのは数年前からです。
今年1月10日からある鍼灸指圧院がやっている股関節改善筋肉トレーニングの本を見ながら、毎日20分くらい軽く筋トレを開始しました。
それまで股関節痛は歩行中には一切起こらず、姿勢転換の際や起き抜けの際や立って作業している時に単発的にしか出ていませんでしたが、1月19日頃から歩行中にも持続的に出現するようになったため、1月22日に再度医師に症状の悪化を報告しました。
医師はすぐ筋トレを中止して様子をみるようにとのことでした。
今後は痛みが治まったらまた筋トレを行い、こちらのサイトに書かれているように正しい姿勢で歩行し、軟骨のすり減りを少なくしていくしか痛みを改善する方法はないのでしょうか?
今年1月初旬に中殿筋の部分が痛くなり、マッサージ師に腸骨筋と合わせて治療してもらい、2回くらいで痛みは治まりました。
ウォーキング・サークルの世話人はもう無理でしょうね?ご回答よろしくお願い致します。
症状をお伺いする限りでは、股関節症としては手術を考えるような進行したものではなく、初期段階でしょうか。
状況を確認していきましょう。
たくさん歩かれているようですね。それだけ歩かれて、ゴルフもされているのであれば、筋力は保たれていると思われます。
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方法を再考してみる
正しい姿勢や歩行をするべきですが、その前に考えるべきいくつかポイントもあります。
まず現在ある痛みを改善して、筋力を出しやすくして動きやすい状態にしてあげること。
次に痛みはなくても、かたくて動きを制限している筋肉や関節の硬さをとってあげて、動作に支障をきたさないようにすること。
その上で姿勢や歩行を考えないといけないのですが、姿勢や歩行もどれが正しいのか、しっかりチェックしてもらう方がいいと思います。
ウォーキングサークルの世話人を続けられるかどうかはわかりかねますが、ひとつ言えることは股関節の痛みや軟骨のすり減りはウォーキングを始められてから起こっているものだけではないと思います。
それまでの生活習慣や歩き方の癖などによっても、少しずつ進行していた可能性はあります。
そう考えると、ウォーキングが全て悪いということではない可能性もあります。
下見は他の方に任せたり、他の方が無理なときだけ行くようにしたり、回数を減らすことはできないでしょうか。
動きやすさの前段階の準備、正しい歩行、下見を減らすなど工夫していけば、ウォーキングは続けられる可能性もあるでしょう。
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まとめ
股関節の痛みをウォーキングについてみてきました。
以前にもお話ししたことがあるのですが、スポーツや趣味はダメと言われてもなかなかすぐに辞められるわけがありませんし、あきらめられないですよね。
それならば発想を転換して「どの方法だったら可能なのか」ということを考えていけばいいと思います。
実際に股関節を手術されてもテニスやハイキングを楽しんでおられる方もいらっしゃいます。
現在の状態でできること、それを考えてみれば意外と道は開けるかもしれません。