股関節痛の歩行時における荷重と抜重

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股関節や膝関節に痛みを抱える方が歩行時に考えるべきは、荷重と抜重、その方法とタイミングです。

前回のブログで瀬戸物と瀬戸物がぶつかるように歩行時に接地を迎えると、股関節や膝関節を傷めていくことになるとお伝えしました。

参照)股関節痛の歩行における柔軟性とは?

私たちが普段何気なく歩いている時、脚を前方に振り出して踵から床に接地するとき、どのように着いて、どんな風に体重が載っていくのか、考えたことはありますか?

股関節を傷つけようと思って歩いているヒトはいないと思いますが、自分の歩き方は股関節にどれぐらい負担をかけているのか、それはとても気になるところです。

歩行時の荷重のタイミングや、荷重から抜重へのシフトのタイミングが悪いと、股関節の痛みの原因となることがあります。


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波紋のように力みなく歩行する

股関節に痛みを抱えている方(股関節だけではなく、膝関節に痛みを抱えていても同じかも知れませんが)の治療をする際には、歩行を必ず評価します。

股関節に痛みがある方の中には、脚に体重を載せていくタイミングが早すぎたり、遅すぎたりする方が多くいます。

このような歩行をしている方に意識して欲しいのは、歩行における流れです。

この流れを身につければ、歩行時の股関節の負担を減らすことができます。

ここで私のお伝えしたい「歩行における流れ」とは、カクカクとコマ送りのように止まることなく、スムーズに一連の歩行の動作を行うことです。

池に石を投げ入れると波紋が広がりますよね?水面の波紋がきれいに拡がっていくように、力みなく行えることです。


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荷重の衝撃をどう受け止めるか?

流れが大切だと考える理由は、歩行の大部分が無意識的に行われる動作だということです。

毎日何千歩も歩くのに、一歩一歩ガチガチに緊張して歩いていると、すぐに疲れたり、身体のどこかに負担がかかって痛みが出現しそうですよね。

もう1つの理由は歩行時の荷重(体重のかけ方)に股関節の痛みにつながるヒントがあるからです。

こちらの動画をご覧ください。

重りを投げてもらって受けとめているのですが、1回目のようにしっかり受け止めると手にはずっしりと衝撃がきます。逆に2回目のように重みを逃がすように受けとると衝撃は減ります。

股関節に痛みを抱える方は、前者のように衝撃を受け止めるように歩いている方が多いのです。

ガツンガツンと棒のように脚を突っ張って、床面に突き刺すように歩きます。そうすると、脚を前方に振り出して踵が足底や床面に着いた衝撃を、足関節や膝関節、股関節周囲で見事に受けてしまいます。

流れのある歩行ができれば、踵や足底が床面に着いて体重を載せていくときに、足関節、膝関節、股関節と荷重をうまくシフト、つまりリレーするように荷重を移し替えていくことができます。

股関節で荷重のシフトが止まってしまうと股関節が負担を強いられますので、股関節をしっかり伸展させて荷重を後方へ流して負担がかからないようにします。


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荷重と抜重は一連の動作

荷重以外にももうひとつ歩行において重要な要素があります。それが抜重です。

抜重とは「荷重している状態から体重を抜いていくこと」と考えてください。自転車やバイク、スキーやスノーボードで方向を変えるときに体重移動をするとき使われる用語です。

歩行では荷重と抜重を繰り返しています。

衝撃をうまく逃がして関節への負担を減らす歩行のポイントは、荷重と荷重位から体重を抜いていく抜重にもあると私は考えています。

荷重と抜重は一連の動作になりますので、抜重がうまくできないと荷重のタイミングが遅れますし、抜重がうまくできる方は荷重もしやすくなります。

抜重も荷重と同じように、スムーズに流れるよう行うことが理想です。

抜重はボートのオール

突然ですが、ボートを漕いだことがありますか?遊園地の池でカップリが昔はボートを漕いだいましたよね。最近なら海に泳ぎに行ったときに、小さいボートで遊んでいる方もいます。

抜重を考えるときには、ボートのオールを漕ぐ動作をイメージするとわかりやすいかもしれません。

前のほうにオールを持っていって、力強く引くとボートは前に進みます。このとき最初はすごく力がいりますが、途中からは最初ほど力がいらなくなります。

歩行と抜重とボート

このイメージを歩行に当てはめてみましょう。歩行周期前半の荷重時には、体重を支えるためにある程度の筋力が必要です。ボートでいうとオールを手前に引くときに当たります。

歩行周期の後半には、片脚立ちの状態から股関節を伸展して脚を後方へ蹴り出しますが、このときがボートのオールでいう後半の力のいらない部分に当たります。

片脚立ちになって荷重した後は、流れるように後方へ足を蹴り出していく。抜重がしっかりできれば、股関節にかかる負担は軽減できます。

歩行における流れ

まとめ

歩行における荷重と抜重についてお伝えしました。

どこの筋肉に負担がかかっているのか、どうすれば負担が少なく歩けるのか、歩行時には体重のかけ方ひとつをとっても、ものすごく考えることがあります。

それと同時にどう体重を抜いていくのか、それも考える必要があります。

ときどき私も施設の廊下の手すりをもって、お尻の筋肉を触りながら歩行の練習をしていますが、うまく荷重と抜重をするのは本当に難しいです。

ただしこれを考えすぎるといつもお話している無意識的な歩行はできませんので、練習を繰り返して身体に覚えこませて、普段歩くときには何も考えないのがBESTです。

負担のかからない体重のかけ方と抜き方、皆さんはできていますか?


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