腰椎椎間板ヘルニアは何科を病院で受診すべき?医師に聞いてみた

このページにはプロモーションが含まれています。

腰痛の代表的な疾患である腰椎椎間板ヘルニアですが、病院では何科を受診するべきなのでしょうか。意外と悩む人も多いみたいなので、わかりやすくご紹介します。

少し前になりますが、ある患者さんにこんなことを聞かれました。

「腰椎椎間板ヘルニアって何科を受診すればいいのですか?」

私は「整形外科」と迷わず答えたのですが、その患者さんはこんな話を続けました。

「私も整形外科だと思ったのですが、インターネットで調べたら脳外科って書いてあるサイトもあってどちらか分からなくなって・・・」

たしかに調べてみると「脳外科を受診するべき」と書いてあるサイトがありました。(医療従事者が書いていないようなサイトでちょっと怪しいけど・・・)

読んでみて言わんとすることは分かるのですが、それでも「やっぱり最初は整形外科でいい」と私は考えました。

その理由などを以下にお伝えしていきます。

 

目次

スポンサーリンク

腰椎椎間板ヘルニアとは?

腰椎椎間板ヘルニアとは「腰椎にある椎間板がヘルニアの症状を起こすこと」です。

椎間板とは背骨の椎体の間にあるものです。下の図でいうとピンク色の物が椎間板ですね。

椎間板は背骨の間にあり、髄核というゲル状の組織の外側に、線維輪があります。クッション材として役割や背骨に可動性をもたらしてくれます。

次にヘルニアとはラテン語で「脱出」の意味です。脱出と書くとわかりにくいので、ここでは「飛び出している」「出ている」とイメージしてください。

何が飛び出しているかというと椎間板にある髄核が飛び出しています。

ですから腰椎椎間板ヘルニアとは「腰の骨の間にある椎間板の髄核が飛び出している」という状態ですね。

 

でもなぜ飛び出してる状態がダメなのでしょうか。

実は椎間板の周囲には脊髄や神経があって、飛び出した髄核がそれらを圧迫すると様々な症状を引き起こすからです。

たとえばこちらの図では椎間板が飛び出して赤い神経を圧迫しています。

腰にある神経を圧迫すれば、腰周囲や脚に症状が出ます。それは下肢に届く神経が腰から伸びてきているからです。

どんな症状が出るかというと、腰痛や片側の下肢痛、筋力低下、知覚障害、ひどい場合にはおしっこが出にくくなったりします。

腰椎椎間板ヘルニアの治療は初期には薬物療法(痛み止め、湿布など)や理学療法士による運動療法が行われますが、手術療法の適応になる場合もあります。

 

スポンサーリンク

腰椎椎間板ヘルニアで受診すべきは整形外科?脳外科?

腰椎椎間板ヘルニアの概要がわかったところで話を戻しましょう。

なぜ私が腰椎椎間板ヘルニアを疑われた場合、整形外科を受診すべきと考えたのでしょうか。

 

まず大前提として、腰椎椎間板ヘルニアを疑うということが一般の人にはできません。

わかりにくいので補足すると、そもそも「腰椎椎間板ヘルニアで病院を受診します」という人はいなくて、「病院を受診した結果、腰椎椎間板ヘルニアと診断されました」というのが通常の流れです。

だって診断するのは医師ですから、セルフジャッジで「腰椎椎間板ヘルニア」と考えること自体がおかしいのです。

 

でも病院で何科を受診するかを決めるには、何かの判断材料が必要です。

息苦しいなら呼吸器科、動悸がおかしいなら循環器科というように、何科を受けるか判断するには症状を材料にすると思うのですが、腰椎椎間板ヘルニアで出現する症状を見ると、やはり整形外科かなと考えるものが多いのです。

整形外科は主に骨や筋肉、関節、神経、その部位に起因するしびれや痛みなどを扱いますが、腰椎椎間板ヘルニアでは

「腰が痛いです」

「脚に力が入りにくです」

「足先がしびれます」

など、まさに整形外科の医師が扱う部位であったり、症状にぴっったりだなと思います。

 

スポンサーリンク

腰椎椎間板ヘルニアは整形外科でいいのか医師に聞いてみた

先日お会いしたある整形外科の先生に、この話をぶつけてみました。そしてその先生からいただいた回答は、

「そりゃ整形外科やろ」

とのこと。まあ整形外科の先生に聞いたので当然なのかもしれませんが。

ただ脳外科に受診するべきとインターネットを調べると書かれていた旨も伝えると、こんな話をしてくれました。

「脳外科の医師はもともと顕微鏡を使った手術が得意だった。そこに最近低侵襲の顕微鏡を使った手術が脊椎でも行われるようになった。

脊髄は細かい作業が必要なので、脊椎や脊髄の手術を脳外科の医師がするようになった。だから脳外科に受診すべきといっている人がいるのではないか。」

なるほど、手術療法に関しては、脳外科医が行っている病院もたしかに多いです。以前勤めていた病院でも頚椎の手術は整形外科医ではなく、脳外科医がしていましたね。

 

そしての整形外科に最後にこう締めくくってくれました

「手術はそうかもしれないけど、実際の出てくる症状を考えたら、やっぱり整形外科でいいと思うよ」

最後は私が考えていたのをほぼ同じでした。

 

スポンサーリンク

まとめ

腰椎椎間板ヘルニアは病院で何科を受診するべきかについてお伝えしてきました。

腰痛や下肢痛、筋力低下、しびれなど、症状や部位を考えると、最初は整形外科の先生に診てもらうのがいいと私は考えます。

ただし手術療法では脳外科で取り扱われているケースもありますので、それは病院によっては整形外科から脳外科に紹介されるケースもあるかもしれません。

目次