整形外科のリハビリ期間の上限は?

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整形外科のリハビリはいつまで受けられるのか?今回は整形外科のリハビリの期間の上限についてお伝えします。

リハビリを受けておられる方なら聞いたことがあるかもしれませんが、病院や医院(クリニック)で受けるリハビリの日数には期間があります。

股関節や膝関節、腰痛、五十肩など、「運動器」と呼ばれる疾患(分かりにくければ整形外科で取り扱われる疾患と考えてください)については、厚生労働省からの通則に記載されている運動器リハビリテーション料に基づいて算定することになります。

 

そしてこの通則には「それぞれ発症、手術又は急性増悪から150日以内に限り所定点数を算定する」と書かれています。

つまり「発症日(病院では診断名がついた日)や人工股関節置換術などの手術を受けた日から150日以内はリハビリができます」ということです。

 

これは転院してもリセットされることはなく、たとえば大病院で手術をして近院で引き続きリハビリを受ける場合には、手術した日が起算日となります。

 

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150日で運動器疾患は治るのか?

この150日という数字は、発症日や手術を受けた日からだいたいこの位でリハビリによる回復がなくなるので、それ以上やってもあまり変わらなくなるという線引です。

 

たしかに手術後のリハビリによる効果は、5ヶ月を経過すると大きく望めなくなるかもしれません。

ただ現実を見ると、中年や高齢者の場合、加齢による廃用もそこに加わってくるため、5ヶ月経てば症状が寛解するのかと言われれば難しい方も多いです。

150日のルールを決めた人にしたら、「廃用の分は疾患や手術とは別でしょ?」ってことなんでしょうけど、何か腑に落ちませんね。

 

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放っとかれる若年者

65歳以上の高齢者の場合、股関節に疾患があったり、人工股関節置換術を受けて要介護状態になれば、介護保険を使ってリハビリを受けることができます。(デイケア、訪問リハビリなど)

また介護保険における40~64歳の第2号被保険者の場合、両側の股関節に著しい変形を伴う変形性関節症の場合、介護保険の認定を受けられる可能性があります。

この介護保険を使うリハビリには期間の上限がないため、リハビリをずっと受けることができます。(もちろん介護保険の点数は必要ですが)

 

ここで断っておきますが、私は「要介護状態になれば期間を気にせずにリハビリが受けられますよ」って話をしているわけではありません。

介護認定はできるだけ受けない方が自分の身体は元気ですからね。今回の150日ルールを詳しくお伝えするために例示しているだけです。

 

このルール話の流れでいくと、若年者の場合、一度運動器の診断(変形性股関節症、臼蓋形成不全、腰痛、五十肩、変形性膝関節症など)を受けると150日にしかリハビリができないことになります。

股関節でいえば、股関節唇損傷の内視鏡手術を受けて、スポーツ復帰するまでには150日以上かかることがありますし、よく耳にする疾患でいえば前十字靭帯断裂の手術からの復帰には半年以上かかります。

 

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150日以上は絶対リハビリが受けられないの?

では介護認定を受けるほどでもない高齢者や、若年者は150日以上リハビリを受けられないかと言われれば実はそうではありません。

 

先ほどご紹介した厚生労働省からの通則にはこんな文言も書かれています。

「必要があってそれぞれ発症、手術又は急性増悪から150日を超えてリハビリテーションを行った場合は、1月13単位に限り、算定できるものとする」

 

つまり何か必要性がある場合には、150日を超えても月に13単位であればリハビリを受けることができます

1単位は20分ですから、外来のリハビリであれば1回1単位であれば週2~3回受けられる計算になります。

 

ただしこの話にも悩ましい問題があります。

150日を超えて月13単位以内で行うリハビリは1割程度減算されるので、病院側としては積極的にとりたがりません。経営のことを考えると、減算されていない患者さんのリハビリをする方がお金が入りますからねぇ。

 

また大病院の場合は、新しい患者さんがどんどん増えていきますので、期限超えた患者さんをリハビリを行い続けることがマンパワー的に困難です。

昔担当していた患者さんがよく「向こうの病院(大病院)では150日しかうちではリハビリできないって言われました」とおっしゃっていましたが、これは法律上にはできるけれど、体制的にも経営的にも受けいれられないというのが正しいかもしれませんね。

 

いずれにせよ、制度の問題には大きく振り回されます。

 

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まとめ

整形外科のリハビリ期間の上限について考えてきました。

こちらでは股関節疾患中心に書いていますが、膝関節痛や腰痛、五十肩でも同じことです。

 

先ほども申し上げましたが、150日経ったから完全に治るということはありませんので、150日ルールが重く伸し掛かってくる方もいらっしゃいます。

リハビリを受け続けられる何か良い策があればいいのですが、現状では厳しそうです。

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