足の骨の解剖を図やイラストでわかりやすく解説していきます。
これを読めばどんな名前のどんな形の骨があるのか、きっと理解することができますので、ぜひ最後までお読みください。
足っていろんな骨が集まっています。
あっ、先にいうときますが、『脚』と『足』はちょっと違います。よくごっちゃにされている人が多いので簡単に解説しておきます。
脚と書いたら鼠径部(骨盤と脚の境目、コマネチ!ってギャグでなぞるところ)からつま先までを指します。こちらは解剖学的には下肢といいます。「肢」は枝を想像してもらえばわかりますよね。枝は「木偏」ですが、肢は「月(にくづき)」です。簡単にいうと体から出た枝みたいなもんで、脚は下にあるので下肢、腕は上にあるので上肢といいます。
一方、足は解剖学では『足部』(そくぶ)といわれていて、足首から足先の部分を指します。これがいわゆる足のことです。
今回は『足』を中心に、『脚』の骨も理解できるように解説します。
脚の骨の解剖の全体像
脚の骨の解剖の全体像はこんな感じです。
骨盤とつながっているのが大腿骨(だいたいこつ)。
膝の前には膝蓋骨(しつがいこつ)があります。膝蓋骨はお皿のことですね。
膝の下には脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)があります。内くるぶしは脛骨、外くるぶしは腓骨の一部です。あと脛骨の中央部がいわゆる弁慶の泣き所です。
脛骨と腓骨の下にいわゆる足(足部)があります。
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足の骨の解剖はふたつに分けると覚えやすい
まず足部のレントゲンを見てみましょう。
右足を上から(足背)から見るとこんな感じ。
今度は右足を内側から見てみましょう。
う~ん、よくわからないですね。でも仕方ないです。レントゲンは医師に読んでもらえばいいので、ここではイラストで足の骨の解剖を見ていきましょう。
最初にも申し上げましたが、足の骨は本当にややこしいです。
ですから足の骨は大きくふたつに分けてみます。ひとつは足の指(漢字では趾と書きます)に関わる骨とそれ以外の骨。
足の指以外の骨をまとめて足根骨(そっこんこつ)と呼びます。足の根みたいな骨ってことですね。でもここが本当にややこしい。
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足根骨の解剖の詳細
足根骨には
- 距骨(きょこつ)
- 踵骨(しょうこつ)
- 舟状骨(しゅうじょうこつ)
- 内側楔状骨(ないそくけつじょうこつ)
- 中間楔状骨(ちゅうかんけつじょうこつ)
- 外側楔状骨(がいそくけつじょうこつ)
- 立方骨(りっぽうこつ)
があります。
こちらは足を上から見た図。
次は外側から見た図。
最後は内側から見た図。
距骨はあまり有名じゃないんですけど、下腿の脛骨・腓骨とのつなぎ役に大事な骨です。距骨を骨折するとなかなかくっつかずに難渋するケースがあります。
踵骨の『踵』は「かかと」と読みます。つまり「かかとの骨」です。踵骨は高所から飛び降りると衝撃で骨折することがあります。
舟状骨は距骨と内側楔状骨・中間楔状骨・外側楔状骨をつなぐ骨で、楔状骨には中足骨がくっついています。
立方骨は外側にある骨です。
小さい骨がたくさんあるのでわかりにくい人は、距骨と踵骨だけ覚えて、あとは「小さい骨があるんやな」ってぼんやり覚えておいてください。
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足の指の骨の解剖
足の指の骨は近位部(手前のこと)から、
- 中足骨(ちゅうそくこつ)
- 基節骨(きせつこつ)
- 中節骨(ちゅうせつこつ)
- 末節骨(まっせつこつ)
があります。
※細かくいうと中足骨は足の指ではないのですが、今回はわかりやすいように足の指の骨と足根骨のふたつに分けていますので、中足骨も足の指の骨として表記しています。
ただし親指(母趾)には中節骨がありません。これは手の指の骨と同じ構造です。
どこかの角に足をぶつけると小指の骨折しますが、足の小指の骨でも基節骨、中節骨、末節骨とありますが、手よりも小さいので関節可動域訓練は難しいです。
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おまけ
さきほど足の親指のことを「母趾」と表記したのですが、「趾」は『訓読み:あし、音読み:シ』と読みます。「足へんに止まる」と書きますから、「足に止まっているもの」=「足についているもの」=「足の指」という意味です。
それがわかれば理解しやすいですね。母趾は足の親指のことを指します。同じように人差し指は手では示指といいますので足の人差し指は示趾、中指は中趾、小指は小趾といいます。
薬指はリングをはめる指なので、解剖学的には環指といいます。ですから足の薬指は環趾といいます。
外反母趾は足の中足指節関節が変形していることをいいます(上の図の赤矢印部分)が、このときの漢字表記では「母趾」と書かれています。
趾ってなじみがない漢字ですけど、実は普通に使われていますし、みなさんも目にしていることがあるんですよ。
以上、少しややこしいですが、足の骨の解剖でした。