股関節唇とは?解剖と機能、その役割を詳しく解説

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股関節で重要な股関節唇をご存知ですか。今回は股関節唇の場所や役割を詳しく見ていきましょう。

股関節唇を語るとき必ずするお話があります。いまでこそ名前が知られるようになった股関節唇を、ここまで有名にしたのはおそらくこの方でしょう。

 

2、3年前の話になりますが、ダウンタウンの松本人志さんが股関節唇の治療のため、レギュラー番組をお休みされました。

そのときYahooのトップニュースで大きくこの話題が報じられましたが、「そもそも股関節唇ってなんだろう?」と気になりますよね。

 

目次

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股関節唇の解剖

まず簡単に股関節の解剖を思い出しましょう。

これまで何度もお伝えしてきましたが、股関節は骨盤にある寛骨臼というくぼみに、大腿骨の大腿骨頭がはまりこんでできる関節です。

股関節唇の解剖と機能、その役割とは3

股関節唇は読んで字のごとく股関節に付いてる唇のようなもので、寛骨臼のふちにある臼蓋を取り巻くように付いてます。

股関節唇の解剖と機能、その役割とは?

 

人体の数ある関節の中で一番動くのは肩関節、その次は股関節でいろいろな方向に動かることができます。これは専門的に言うと「自由度が高い」ということになります。

自由度が高いというのは、四方八方囲まれていないということです。

 

例えば関節の中で骨が動くときに、四方八方囲まれていると動きにくそうですよね。

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でも股関節や肩関節はあまり囲まれておらず、動きやすい構造になっています。

股関節唇の解剖と機能、その役割とは4

ただし囲まれていない構造は、抜けやすい構造ということもできます。 関節のくぼみである関節窩(かんせつか)が浅くなっており、この浅さを補うために関節唇が付いています。

 

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関節唇の役割

股関節唇の解剖を理解したところで、次に役割を詳しく見ていきましょう。

面積と体積の増加

股関節唇は関節軟骨面積を28%、臼蓋体積も30%増やしています

これはろくろでお茶碗を作る行程をイメージすればわかりやすいでしょう。

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ろくろを回して粘土の縁をのばしていけば、お茶碗の表面積は増えて、容積も増えます。

 

股関節を密閉して栄養

股関節唇は股関節の臼蓋の縁についていて、股関節を密閉します。

股関節を密閉することで、関節内を陰圧にして関節を安定させます。これはちょうど吸盤のように吸い付いています。

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こちらの写真のように冷蔵庫にしっかりついた吸盤は、ちょっとやそっとのことではがれたり、動いたりしないですよね。

股関節でも同じように股関節唇があることにより、陰圧をかけて安定させることができます。(suction機能)

 

また密閉することで、軟骨を栄養する滑液を貯留して圧分布を均一化し、少量の滑液でも軟骨が栄養できるようになります。(sealing機能)

これは主婦の方やお料理をされる方ならわかると思うのですが、魚や肉に早くタレをしみ込ませるために、フリーザーバッグに入れて寝かせる手法と同じです。

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こうやって密閉した方がお皿の上でタレをしみ込ませるせるよりも、少量のタレでも、早く、均等にしみ込ませることができます。

 

 

MEMO 「股関節が傷むと?」
股関節唇が傷んで裂けてしまった場合、この陰圧の効果が薄れ、安定性は低下してしまいます。
 
また軟骨にもうまく栄養が行き渡らなければ、軟骨がダメージを受けていくことは用意に想像できるでしょう。
 
ただしこのあたりの詳しい研究はまだまだ進んでいないため、今後に期待したいところですね。。

 

股関節唇には神経がある?

何度かお伝えしている話では、股関節や膝関節の軟骨には神経が存在しないので、

「軟骨が磨り減って痛みが出現しています」

は正しくありません。

 

医師は診察の中で使うことがありますが、本当の股関節の痛みの原因ではありません。

 

軟骨と違い股関節唇には神経が存在します。ですからFAIで関節唇が挟み込まれると痛みが出現します。

 

また股関節唇には、温度や関節の状態を知らせてくれる感覚受容器も確認されています。ですから股関節唇が痛むと関節のズレや運動を正しく認識しにくくなります

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まとめ

股関節唇は臼蓋の縁が深くなるように補っているだけではなく、さまざまな役割を担っています。

ただし股関節唇についてはまだまだわからない部分もあり、どのように治療していくのが正しいのか、まだまだ不確定な部分もあります。

こうして見ていくと、関節唇が損傷すると痛みが出現するだけでなく、様々な症状が出てくることがイメージできますよね。

 

軟骨ほど有名ではない股関節唇ですが、今後さらに注目を集めていくことになりそうです。

 

文献)

橋本祐介:基礎医学-股関節唇の組織および力学的特徴- . 臨床スポーツ医学29(4):361-365,2012

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