股関節の靭帯を1つずつみていきましょう

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股関節の解剖を理解すると、治療がみえてくる。以前からそのように申し上げております。

今回は股関節の解剖の中でも少し見落とそされがちな、靭帯の解剖についてお伝えしていきます。

シリーズでお伝えしております、股関節の解剖シリーズ。

今回のテーマは靭帯です。

靭帯については、前日全体像を少しだけご紹介しましたが、それぞれの靭帯について詳しくみていきましょう。

細かいことですが、それぞれの靭帯が持つ役割は違いますので、その違いに触れましょう。


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股関節の靭帯

腸骨大腿靭帯

1つ目は「腸骨大腿靱帯」です。まずはイラストで確認してみましょう。

股関節痛み原因治療(腸骨大腿靱帯)

股関節前面にある非常に強い靭帯。その名の通り、腸骨と大腿骨を結んでいて、人体中、最も強靭な靭帯です。

「Y」の字をひっくり返したような形(上部と下部に分かれている)になっていますので、別名Y靭帯とも呼ばれています。

上部線維は伸展、内旋、外旋を制限し、下部線維は伸展、外転、内転、外旋を制限しています。

腸骨大腿靱帯は、関節包という関節の袋の前面と上面を補強する役割も担っています。

坐骨大腿靭帯

次に坐骨大腿靭帯です。

股関節痛み原因治療 坐骨大腿靭帯

股関節の関節包の後方を補強する靭帯で、その名の通り、坐骨と大腿骨にまたがっています。

寛骨臼縁の後下部から起こり、らせん状にまきついて、一部は輪帯に、一部は大転子内側に付着します。

この靭帯は股関節の伸展と外転を制限します。

恥骨大腿靭帯

3つ目は「恥骨大腿靭帯」です。イラストではこんな感じになります。

股関節痛み原因治療 恥骨大腿靭帯

恥骨大腿靭帯は、これもその名前の通り、恥骨と大腿骨を結ぶ靭帯です。

寛骨臼縁の恥骨部と恥骨の上方部にかけての部分から起こり、外下方に走って関節包の前下面を強めます。

恥骨大腿靭帯は、股関節の伸展、外転、外旋を制限しますが、特に外転を制限する強い靭帯です。

大腿骨頭靭帯

大腿骨頭靭帯はちょっと変わってます。まずは股関節を真横から見ると、こんな感じです。

股関節痛み原因治療 股関節真横

次に大腿骨を外して、寛骨臼といって、大腿骨の骨頭がはまり込むくぼみを覗いて見ましょう。

股関節痛み治療原因 大腿骨頭靭帯

そうすると、そのくぼみの中にありました。こちらが大腿骨頭靭帯です。

大腿骨頭靭帯は、寛骨臼と大腿骨頭を結んでいて、関節包(関節を包む袋)の中に存在します。

股関節を内転すると緊張する(制限をかける)のですが、いままでの靭帯と違って、大腿骨頭靭帯には、骨を連結部を補強する役割はありません。

この大腿骨頭靭帯の中に細い血管(閉鎖動脈の枝)が通っていて、大腿骨頭に栄養を渡せるようにしています。

運動というよりも、血管の橋渡しなど、生理的な機能を担っています。

寛骨臼横靭帯

この靭帯はなかなか耳慣れない靭帯ではないでしょうか。って股関節の靭帯はどれもマイナーなものが多いですが^^;

大腿骨頭靭帯と同じく、股関節を横から見てみましょう。

股関節痛み原因治療 股関節真横

そして大腿骨を外すと前回ご説明した大腿骨頭靭帯が見えますが、その下に寛骨臼横靭帯があります。

股関節痛み原因治療 寛骨臼横靭帯(横)

寛骨臼横靭帯は前からみると、こんな位置になります。

股関節痛み原因治療 寛骨臼横靭帯(前)

寛骨臼横靭帯は、関節窩というくぼみの下部(寛骨臼切痕)にあり、関節唇の続きとなって、横切っています。

寛骨臼横靭帯は、関節唇とは異なり、軟骨細胞を持ちません。

あまり知られていない靭帯だと思いますので、「まあこんなのがあるんか」程度に知っておいてください。

輪帯

最後は「輪帯」という靭帯です。

「寛骨臼横靭帯」のところでも書きましたが、これもかなりマニアックな靭帯ですので、「まあこんなのがあるのか」ぐらいの感じで知っておいてください。

それではさっそくイラストからみていきましょう。いつもはわかりやすいイラストがあるのですが、今日はいいのが見当たりませんで^^;

実物の骨模型の写真から1つ抜いてきたので、そちらをご覧ください。

股関節痛み原因治療 輪帯

ちょっと分かりにくいですが、右の股関節を後ろから見た写真です。

輪帯はその名前のとおり、輪状になっている靭帯で、関節包の内面の深部にあって大腿骨頭を取り巻くようにあります。

輪帯の仕事は大腿骨頭が寛骨臼から抜けないようすることです。

まとめ

股関節の靭帯の解剖についてお伝えしてきました。

靭帯は股関節が動き過ぎないように制限する、大切な命綱です。緩んだり、機能しないと、何か障害をつくってしまう可能性があります。

治療では筋肉ばかりがクローズアップされることが多いですが、意外と靭帯も重要です。

それは料理でいう隠し味のようなもの。

この機会にぜひ覚えておきましょう。


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