しゃがむと股関節が痛い!その原因はどこにある?

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しゃがんだときに出現する股関節痛、その原因はどこにあるのでしょうか。

今回はしゃがみ動作と股関節痛の関係を解説し、痛みに効果的な自主トレもご紹介します。

股関節の痛みといえば、立ち上がりや立位、歩行時に訴えがある方が多いですよね。現にこちらのブログに届くご相談は、立位や歩行時の痛みに関するものほとんどです。

でも痛みがでるのは、立位や歩行時だけではありません。意外と多いのがしゃがみ動作時の痛みです。

 

近年和式トイレの減少に代表されるような洋式生活の中では、しゃがむ機会は以前に比べると減っています。

ただし、床に置いているものを拾うときや、外で靴の紐を結ぶときなど、日常の中にはまだまだしゃがむ機会はあります。

 

しゃがみ動作時の股関節の痛みの原因を一緒に考えていきましょう。

 

目次

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股関節の可動域をおさらい

しゃがみ込みによる痛みを考える前に、しゃがみ動作に絶対必要な股関節の運動は分かりますか?そう股関節の屈曲です。

股関節が大きく屈曲しないとしゃがみ込みは絶対できません。

 

股関節の参考可動域が何度だったか覚えていますか?股関節の屈曲の参考可動域は125°です。

股関節の可動域ROM

 

このあたりは以前こちらのブログでもお伝えしておりますので、分からない方は先にそちらをご覧ください。

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股関節が十分に曲がらないと日常生活ではしゃがみ動作などに制限を受けます。

股関節に問題のあると屈曲可動域が悪くなって、しゃがみにくくなります。またそこに痛みが加わる場合もあります。

 

これはこれで間違いではないのですが、それだけが原因ではありません。

このとき考えるべきなのが股関節と骨盤、腰椎の運動連鎖です。

 

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股関節からの運動連鎖

寛骨と大腿骨で作られる「いわゆる股関節」は平均して70°程度しか曲がらないと言われています。

しゃがむと股関節が痛い!その原因はどこにある?2

股関節屈曲の参考可動域の125°ですので55°も足りません。

 

では、どこが曲がってあと55°分を補っているのでしょうか?それが今回の記事のポイントです。

まず約20°が股関節前面の軟部組織(脂肪や筋肉)が圧迫されることで確保されます。

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そして残りの40°程度は骨盤の後傾、腰椎の屈曲が組み合わされて動いています。(※足したら60°になるというツッコミはなしです。あくまでおおよそって話です^^;)

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つまり単純に股関節を曲げているようでも実は骨盤や脊柱の動きが複合的に組み合わさって股関節を曲げているということです。

ですから、股関節がうまく曲がらない方は、股関節だけでなく骨盤や背骨の動きまで良くしていく必要があるのです。

 

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バレリーナはうまくしゃがめない

ところで、バレリーナは踵をつけてしゃがむのが苦手なことをご存知ですか?

 

バレリーナってすごく身体が柔らかいイメージですよね?でもバレリーナって普通の人よりしゃがむのが苦手です。

「本当に?」って思うかもしれませんが本当です。

 

先に申し上げておきますが、しゃがめないのはアキレス腱がかたいためではありません。

アキレス腱も私たちよりも柔らかいです。ですから足関節の背屈角度は問題になりません。

 

ここで注目すべきなのが、さきほどご紹介した骨盤や腰椎の動きです。分かりにくっければ、股関節と骨盤と腰椎の動きは連動すると覚えてください。

 

股関節が屈曲 ⇒ 骨盤が後傾 ⇒ 腰椎が後弯

 

という動きの連動が、しゃがみ込みには必要です。

 

でもバレエダンサーが舞台上でとっている姿勢を思い浮かべてください。骨盤が前傾し、腰椎が大きく前弯していると思いませんか。

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普段の立位でも腰椎はこのように大きく前弯しています。腰がそっている感じがお分かりいただけるでしょうか。

 

これはバレエダンサーや新体操の選手などの特有の姿勢ですね。

このまましゃがみ込もうとすると、骨盤の後傾と腰椎の後弯が起こりにくいためしゃがみ込めません。

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バレエや新体操など、個々の競技にとってはいいことなのですが、しゃがみ込みにはマイナスに働きます。

このような方には股関節の動きだけでなく、骨盤の後傾と腰椎の後弯を意識してもらうと簡単にしゃがむことができます。

 

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骨盤と腰椎を動かすには?

じゃあ骨盤と腰椎の動きを良くする方法が知りたくなりますよね?

そこで股関節を痛みなく曲げるための、骨盤や背骨の動きを出やすくする方法についてお伝えしていきます。

 

その前に、なぜ骨盤や背骨の動きが出にくくなるのかということからお話ししていきます。これが分からないと、改善しようがないですからね。

関節の動きが出にくくなる原因は大きく分けて2つあります。

 

ひとつは骨や関節自体に問題がある場合です。この場合は、病院でレントゲンやMRIなどの画像検査をすることで判別ができます。

骨や関節に問題がある場合、最悪手術をしないと改善しないこともありますが、今回は運動療法で改善できるケースを想定しています。

 

もうひとつは関節周囲の筋肉が硬くなることで動きが制限される場合です。

この場合、理学療法士などのセラピストが行う運動療法やストレッチで改善していく可能性があります。

 

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骨盤と腰椎を動かそう

ここからは股関節を痛みなく曲げるのに役立つ、運動療法についてお伝えしていきます。

 

大事な要素はふたつ。ひとつはここまで解説してきたように、骨盤や腰椎の動きを確保することです。特に骨盤後傾と腰椎の後弯は必要です。

 

骨盤の後傾については前回お伝えしましたので、まだご覧になっていない方はこちらを参照してください。

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もうひとつは筋肉です。

 

骨盤や腰椎に関わる筋肉には、より深部に位置して脊椎の安定性に関わるインナーマッスルと体幹の表層にあるアウターマッスルに分けられます。

前者は腹横筋、多裂筋など、後者は腹直筋や脊柱起立筋などです。

下記は多裂筋の解剖です。
多裂筋解剖

 

インナーマッスルの機能が低下すると、腰の背骨や骨盤の不安定性、可動性の低下が起こり背骨の周りの関節包や靭帯などが損傷したり、背骨同士の関節や仙腸関節等の関節の動きに異常が生じたりする可能性があります。

 

筋肉というのは伸び縮みして働くものです。機能が落ちてかたくなっていくと筋肉の中にある毛細血管がつぶされてしまい血流不全が起きます。

筋肉は血液により栄養を受け、老廃物を流していくので血流不全が起こるとより硬くなってしまうという悪循環が起きます。

 

ですので、この機能を取り戻すためには筋肉を再び伸び縮みが出来る状態にしてあげることが必要になります。

腰や骨盤まわりの筋肉を働かせるために以下のような多裂筋や腹横筋などのインナーマッスルの筋肉に刺激を入れる体操を行っていきます。

 

1. まず四つ這いで骨盤を中間位で保持します。

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2. 1の状態から右、左どちらか片方の腕を挙げ、その状態で10秒止めます。

右(もしくは左)が終わったら反対側の腕でも同様の運動を行います。

このとき腕を上げた側と反対側の多裂筋がよく働きます。

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3. 1の状態から右、左どちらか片脚を挙げ、その状態で10秒止めます。

右(もしくは左)が終わったら反対側の足でも同様の運動を行います。

このとき脚を挙げた側と同じ側の多裂筋、反対側の多裂筋や内腹斜筋が働きます。

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4. 2と3を組み合わせた姿勢になり10秒止めます。ただし、腕と脚は反対側になるようにします。(右腕を上げるときは左脚を挙げます)

終わったら左右を入れ替えて同様に10秒止めます。

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5. 1の状態から両膝を少し浮かせて10秒止めます。

 

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これらの体操でインナーマッスルに刺激が入りますので、継続して行うことで筋肉が活動しやすい状態が作られやすくなります。

 

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まとめ

股関節を曲げるときの身体のしくみについてお話してきました。

単純に股関節を曲げているようでも実は骨盤や背骨の動きも関係しています。当然のことですが人の身体はすべて繋がっているので部分のことを考えるときも全体にも目を配らなければなりません。

 

股関節が曲がりにくい方はぜひ体操を続けてみて下さい。

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