今回は股関節にも関係あるウォーキングの話題です。タイトルの通りなのですが、人間は一体どれぐらいの速度で歩くのでしょうか。
リハビリをしていると時々聞かれることがあるのですが、人間の歩行の平均速度をご存知でしょうか。
人間の歩行の平均速度は約4.8km/hと言われています。
この時速4.8kmという数字を聞いても、「へぇー」と思う方がほとんどだと思いますが、実際に歩いてみるとかなり速いです。
以前勤めていた病院のトレッドミル(歩く練習をする器械)で、時速4.8kmで歩いてみると結構ハードです。
私が普段から歩くのがゆっくりなのも影響しているのですが、高齢者や下肢に障害がある方であれば、おそらくこのスピードで歩くのは不可能です。
1時間で4.8km歩くなら?
時速4.8kmといえば、簡単に言えば1時間で4.8km歩くということです。
この4.8kmが気になったので、電車の駅でどれぐらいまで行けるのか調べてみました。(Yahoo JAPANの乗換検索による)
東京
山手線 東京駅 ⇒ 田町駅(4駅) 4.5km
山手線 東京駅 ⇒ 鶯谷駅(5駅) 4.7km
名古屋
東山線 名古屋駅 ⇒ 今池駅(5駅) 5.1km
大阪
近鉄奈良線 大阪難波駅 ⇒ 今里駅(4駅) 4.8km
JR京都線 大阪駅 ⇒ 東淀川駅(2駅) 4.5km
御堂筋線 梅田駅 ⇒ なんば駅(4駅) 4.1km
福岡
空港線 博多駅 ⇒ 大濠公園駅(5駅) 4.4km
大都市中心ですので地方にお住まいの方にはイメージしにくいですが、こんな感じです。
私が一番イメージしやすいのは、大阪の梅田と難波が4.1kmというのですが、これぐらいならなんとか1時間があれば歩けるかもしれませんね。
ただ難波から今里まで1時間で歩けと言われればちょっと厳しいかな。
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理学療法士的観点で人間の歩く速度を考える
リハビリをしているときに時速が話題になるのは、外出機会が多い方が横断歩道を渡れるかどうか、というときです。
横断歩道は時速3.6kmで歩けば渡れるように設定されているようです。
時速3.6km・・・。いつも時速4km前後で歩いている私にはちょうどいいですが、これでも高齢者や下肢に障害を抱えている方にとっては速いですね。
リハビリで『10m歩行テスト』というテストがあります。その名の通り、10m歩くのに何秒かかるのか計測します。
そのときスタート地点から「よーいドン!」で測るのではなく、スタート地点の前に余分に歩いてもらって、トップスピードで10mを何秒で歩けるのか計測します。
でも横断歩道が問題になるのであれば、初速からトップスピードになるところも重要ですよね。そういう現実的なことも見ていくことも必要です。
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平均は気にする必要はない
人間の平均歩行速度についてお伝えしてきましたが、この時速4.8kmという数値について一切気にしなくてもいいと思います。
私も時速4kmぐらいで歩いていますし、個々人のADLにとって必要な歩行速度は違うはずです。
そもそも平均をとること自体に意味がありません。たとえは少し悪いかもしれませんが、年収1億円の人と年収がない人の平均をとれば年収5千万円になります。でも年収がない人にとってこの5千万円っていう数字には意味を持たないでしょう。
一人一人必要なスピードは違いますから、平均の時速を聞いて自分がそれより遅くても全く問題ないですよ。
自分のペースで歩けばいいのですから。