病院を受診される方の症状の1つに「足のしびれ」がありますが、足にしびれがある方は何科を受診すればいいのでしょうか。
足のしびれはリハビリテをするときにも治療対象となる症状で、悩まされている方も多いのですが、足のしびれで疑われる疾患は多様で、考えるべきことがたくさんあります。
(※今回の記事では分かりやすく「足」と表記していますが、今回の記事に限り「足=下肢(脚全体)」と考えてください。)
整形外科的な症状
多くの方が想像するのは整形外科の対象となる疾患ではないでしょうか。
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアで足にしびれが生じます。
腰部周辺に疾患がある場合は、足全体にしびれの症状が現れるのが特徴です。
足根管症候群
足根管症候群(そっこんかんしょうこうぐん)といって、足部周囲の絞扼(こうやく)によって起こるしびれもあります。
足根管症候群では足の裏にしびれがでることが多いです。
スポンサーリンク
内科や脳外科的な疾患
整形外科の疾患は片側で症状が出ることが多いのですが、これから上げるような内科的な症状や、脳外科的な症状では両側にしびれがしたりします。
糖尿病
糖尿病はみなさんご存知のように、血糖が高くなる病気で、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症という三大合併症があります。
そのうち糖尿病性神経障害では左右の手足の先からしびれや痛みが起こることがあります。
この場合、左右対称であることが多いですし、手と足同時にしびれが起こるため腰椎椎間板ヘルニアとは区別がつきます。
バージャー病
バージャー病(閉塞性血栓性血管炎)でも手足のしびれや冷感を感じることがあります。
これは足の末梢血管に原因があり閉塞を起こしてしびれが起こります。片側に起こることが多いです。
閉塞性動脈硬化症
閉塞性動脈硬化症はASO(エーエスオー)と呼ばれることが多いです。
こちらは名前の通り、動脈が硬化して閉塞を起こす病気です。バージャー病とは違い、大血管に起こることが多いです。
こちらも片側で起こることが多いです。
脳梗塞
脳に梗塞が起こる病気で、片側にしびれた出現することがあります。
スポンサーリンク
どこでしびれが出るのか
これは川の流れを考えてもらえたらわかりやすいと思います。
たとえば関西の水瓶といえば滋賀県の琵琶湖が有名です。琵琶湖の水は京都を通って、最後は淀川につながって大阪湾に注ぎます。
河口付近で何かトラブルがあれば、そこから大阪湾まで間の流域に問題が起こります。(※川の場合は、注いだ大阪湾にも問題が起こりますが、今回は大阪湾の部分は考えません。)
逆に琵琶湖を出たところで汚染水などのトラブルがあれば、そこから大阪湾の流域すべてに影響します。
先ほどの疾患の例でいえば、足根管症候群は河口付近でのトラブルで、腰椎椎間板ヘルニアは京都と大阪の間ぐらいのトラブルでしょうか。そして琵琶湖で起こるのは脳梗塞だとイメージすれば理解しやすいでしょう。
ですから、起こっている部分である程度推測はできます。
ただ難しいのはそれが全てではなく、たとえば腰の症状の場合、腰のどの部分に障害があるかによってしびれが痛みがでる部位が変わってくることもあります。
また片側に出ることが多い血管の症状が、たまたま両側同時に起こることもあります。
どんな原因が考えられるか、医師に診断してもらいましょう。
スポンサーリンク
まとめ
足のしびれは何科を受診すればいいか考えてきました。
判別できない方も多いでしょうから、まずは整形外科か内科(もしくは脳の疾患が疑われる他の症状も併発していれば脳外科)を受診し、ご自身の症状を伝えましょう。
その際、
- いつからしびれているのか
- どんな姿勢になったときにしびれるのか
- どんなしびれか
- どの部位がしびれるのか
をできるだけ詳しく伝えましょう。
例:一週間ほど前に仕事で前かがみになって荷物を持とうとしたときから、足にジンジンしたしびれが出現するようになった。
いつも申し上げておりますが、詳しく伝えれば伝えるほど、医師は診断しやすくなりますので、ご自身のためにしっかり伝えるようにしましょう。