スポーツ選手でもやることは痛みを改善するためのプロセスは同じ。まずは立位を改善することが大切になります。
今回はスポーツ選手の腸腰筋の痛みに対しての施術報告です。
股関節に痛みがある場合、ストレッチやマッサージでも効果はりますが、一時的であることが多いです。
痛みはなぜ起こったのか、それを明らかにしていかないと、再び痛みがでてしまう可能性が高いです。
今回は担当しているスポーツ選手に施術を行い、痛みが改善されたのご報告します。痛みが強かったので、ご自宅で施術させてもらいました。
とにもかくにも立位をまずチェック
簡単に選手のデータを。
年齢:30代
性別:男性
競技:ソフトボール
主訴:
・走るときに股関節付近(奥の方)に痛みがある
・脚をあげるときにも同部位に痛みあり
まずは立位をチェックしてみましょう。立位はこんな感じです。
側面からみるとかなり特徴的であることがわかりますね。骨盤を前方に突き出して、殿筋には力を入れいない感じです。
大腿部は前方の大腿四頭筋を優位に働かせているか、膝や股関節をロックさせて安定をはかろうとしています。
次に痛みの確認ですが、走るときと座ったときに股関節を曲げると中の方が痛むそうです。こんな動きですね。
ご本人もいろいろ調べた結果、筋肉の痛みに近く、部位としては腸腰筋のあたりと一致するということでした。
もうひとつだけ動きを確認。オープンロータスといって、ヨガで取り入れられている動きで、立位からしゃがみ込みます。
このオープンロータスは最近サッカー日本代表選手も取り組まれている動きで、参加したセミナーで教えてもらいました。大腰筋がしっかり使える、ゆるみも作れる身体かどうかチェックします。
その結果、見事に使えていないことがわかりました。
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施術
施術していくときに考えたことは、
- 腸腰筋を調整する
- 大腿四頭筋の優位に働く状態を変える
- 上部ハムストリングスを効かせて、大腰筋との連動をはかる
- 立位での荷重の意識を徹底する
この4点です。
とにかく腸腰筋を使える状態にしていく必要があったので、まず腸腰筋の調整をする必要がありました。その上で大腿四頭筋の活動を抑え、上部ハムストリングスをしっかり働かせて、大腰筋との共同運動を促していきます。
そこで終わってしまうと根本的な原因が改善しませんので、最後は立位での荷重練習をしました。
腸腰筋の調整中です。
股関節も調整します。
他に気になるところもありまたので、それらもチェックして施術後の立位とオープンロータスをもう一度確認してみましょう。
立位はかなり骨盤の位置もよくなりましたし、何よりも力感がなく良い立ち方になりましたね。比べてみるとわかりやすいです。
立位では重心の意識をしっかり確認してもらい、日常生活で立っているときからしっかり意識するようにお願いしました。
続いてオープンロータス。
施術前に比べると骨盤の後傾が増えて、しっかりしゃがみ込めるようになりました。後はご自身でのトレーニングあるのみですね。
肝心の腸腰筋の痛みはかなり軽減し、歩行時、ダッシュ時にも痛みをほとんど感じなくなりました。
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まとめ
スポーツ選手の腸腰筋の痛みの施術についてご報告してきました。
こちらの選手にも口うるさくお願いしたのは、痛みの原因は日常生活の中の何気ない動作から起こっているということです。
ですから運動するときだけではなく、普段から身体の動きを変えていく必要があります。
普段の姿勢に気をつけるとは、長期的にみてそれが一番の治療になるのです。