あなたはしっかり杖を使えていますか?
今回は杖の使い方について考えてみたいと思います。
股関節に痛みがある方や、手術をされた方の中には杖を使って歩かれている方がいらっしゃると思います。
杖を使っている方にお聞きしたいのですが、正しく杖を使って歩けていますか?
そう言われるとなんだか不安になってきた、そんな方もいるでしょう。
意味がない杖の使い方をしている人が多い
街中を歩いているときに杖を使われている方をよく見かけるのですが、正しく杖を使用して、適切な歩行ができている方は3割程度でしょうか。
残り7割は何かしら問題があり、杖を使っているつもりでもその恩恵を受けることができていません。
恩恵を受けることができていないということは、
- 杖を持つことにより腕の振りが変わるなど歩容が悪くなる
- 疲れる
- 荷物が増える
- 杖を使っていることを知り合いに見られたくない(方もいる)
と、良かれと思って使っている杖によって、身体は様々なダメージを受けているかもしれません。
ダメージを受けるくらいなら、いっそのこと杖を使わない方がいいのかもしれません。
もちろん可能であれば杖を持たずに歩けることが理想なのでしょうが、痛みや負担があり手放せない事情もあります。
そこで杖を正しく使うポイントをいくつかご紹介します。
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正しい杖の使い方
それではポイントを整理していきましょう。
杖の種類
杖にはいくつか種類があります。
松葉杖
これがある意味一番イメージしやすいかもしれませんね。
ただし松葉杖は片脚を地面に着くことができないケガや手術後に使うことが多く、股関節に痛みを抱える方の歩行には向いていません。
ロフストランドクラッチ
あまり聞きなれないかもしれませんが、脊髄損傷や神経疾患の患者さんが使うことが多いです。
股関節痛の患者さんでも使えないことはないですが、使っている方は少ないです。
四脚杖(四点杖)
こちらは脳卒中の患者さんが使われることが多いです。
一本杖(T字杖)
いわゆる杖といえばこちらを指します。股関節痛の患者さんで杖を使われている方は、こちらの杖を使っていると思います。
今回はこの一本杖の使い方を詳しく紹介します。
杖の正しい高さ
当たり前ですが、杖は正しい高さで使う必要があります。
杖の正しい高さですが、まずは大転子か手首に合わせましょう。
引用)図解入門よくわかる股関節・骨盤の動きとしくみ (How‐nual Visual Guide Book)
大転子の位置がわからないときはこちらをご覧ください。
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そして杖を持ったときに肘が30°ほど曲がる高さであればOKです。
このとき杖を置く位置は足の小指から外へ15㎝、前に15㎝にしてください。
杖はどちらの手に持つのか?
意外とこれを間違っている方が多いのですが、杖を持つ手は痛い脚や手術をした脚の逆側の手に持ちます。
正しい杖の握り方
人差し指と中指の間で杖の支柱の根元を挟み込むように握ります。
バイクのスロットルをひねるように手首を軽く返して、母指球(親指の根本)で体重を受けるようにします。
体重をかけるのは母指球のあたりです。
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杖を使っての正しい歩き方
3動作歩行
「杖→痛い脚(患側)→痛くない脚(健側)」の順に動作します。
2動作歩行
「杖+痛い脚(患側)→痛くない脚(健側)」の順に動作します。
先ほどの3動作歩行より実用性(速さなど)は上になります。
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まとめ
正しい杖歩行の要素についてお伝えしてきました。
杖はできるだけ使わない方がよいのですが、使い方によっては股関節への負担を減らすことができます。
せっかく使うのですから、正しく使うようにしましょう。