人工股関節の耐久性や摩耗にはやっぱり姿勢が関与する

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人工股関節置換術後の耐久性は誰しも気になるところ。運動は制限すべき?どれぐらいもつの?そんな疑問や不安にお答えします。

人工股関節の耐久性や摩耗には姿勢が大きく関与する

人工股関節置換術のデメリットの1つに耐久性があります。(細かく言うとこれは「デメリット」に分類されるものではないかもしれません)

人が立って歩いて動いている限り、股関節にかかる負担はゼロにはならないでしょうし、歳を重ねれば骨も筋肉も弱ってきますから、股関節には負担がかかり続けます。

ただそれでも以前に比べると手術の技術や人工関節に使われる素材の進化により、耐久性は格段に増えました。

私が理学療法士を目指している学生の頃、授業で習った人工股関節の耐久性は10年。気をつけて生活しても15年ぐらいと習いました。

ですから変形性股関節症などで人工股関節置換術の手術をするにしても、再置換術をしないのであれば、適応は65歳以上、できれば70歳以上であればいいと言われていました。

ただいまでは20年以上、30年以上、病院によっては一生大丈夫と宣伝している場合もあります。

一生?本当にそうなのでしょうか?これについては正直わかりません。

だって理論上は可能なのでしょうが、その人が人工股関節置換術後にどんな生活を送るかとういうことまでは想定していません。

すごく太る可能性もあるでしょうし、運動をせずに実年齢以上に筋力が落ちることもあるでしょう。

また立位姿勢や歩行が悪ければ、関節には必要以上の負担がかかることが予想されます。

ちなみに私の知人の理学療法士はよくこんなことを話しています。

「30年とか、40年とか言ってても、実際問題それまで寿命があるか分からないし、そのときには主治医も退職しているでしょうから、誰も責任をとってくれない可能性が高い」

なるほど、そんな考え方もあるわけですね。

ただ耐久性があることには越したことがないので、ポリエチレンライナーの摩耗を減らし、耐久性が向上をさせる方法は考えていきたいものです。

そのヒントのひとつに姿勢があります。


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骨盤は後傾していませんか?

たとえばいつも話している立位姿勢も、人工股関節の摩耗に大きく影響しています。

札幌医科大学整形外科の小助川先生らの研究1)では、人工股関節置換術を受けられた方で、臥位から立位になったときに骨盤が後傾する方ほど、ポリエチレンの摩耗量が優位に増加するという報告がなされています。

これは骨盤が後傾して臼蓋が前向きの大きく開大すると、寛骨臼と大腿骨頭の接触面積が減ることや、剪断力が増えることによって起こるそうです。

人工股関節の耐久性や摩耗にはやっぱり姿勢が関与する3

ただこれってどこかで聞いたことがあると思いませんか。そうなんです。高齢者に多い変形性股関節症の姿勢の話ですね。

骨盤の後傾し過ぎている方(特に臥位時から大きく後傾する方)は、ポリエチレンの摩耗が多いことが示唆されていますので注意が必要です。

まとめ

人工股関節の耐久性や摩耗について考えてきました。

耐久性については、人工股関節置換術後の姿勢や歩行、肥満度、運動習慣、仕事、生活スタイルなどにも大きく左右されますので、一概に何年もつという話は個人には当てはまらないでしょう。

姿勢はやはり重要ですので、術後のケアも大事ですね。

文献)
1)小助川維摩ほか:人工股関節全置換術後ポリエチレンライナーの摩耗への影響因子.関節外科,30:514-518,2011


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