股関節唇損傷に対する内視鏡手術の適応。どんな場合すればいい?

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近年増加する股関節唇損傷。股関節唇損傷に対する内視鏡手術はどんな方の場合すればいいのでしょうか。

股関節唇損傷に対する内視鏡手術はどんな場合すればいいのか?3

股関節唇損傷に対する内視鏡手術は侵襲が少ないメリットがあり、股関節唇損傷の治療の主翼を担っています。

一方で内視鏡手術後に痛みが引かなかったり、思うように回復しない症例もあり、手術の成果は人により分かれます。

どんな方は手術に向いていて、どんな方は手術に向かないでしょうか。


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内視鏡手術をするのか否か

股関節唇損傷に対する内視鏡手術はどんな場合すればいいのか?2

ご質問をいただいたので、今日はご紹介します。

題名:股関節唇損傷

性別:女性

年齢:40代

診断名:股関節唇損傷

メッセージ本文:
はじめまして。私は変形性膝関節症でO 脚があり、左右の高位脛骨骨切り術を受けました。

それで以前より左の股関節痛があり、先日も寝ていても痛い状況だったので造影のMRI 検査を受け、股関節唇損傷があると言われました。

股関節臼蓋形成不全もあるとのことですが、軽度なので股関節鏡で股関節唇縫合と、出っ張って引っ掛かる骨を削る手術をすすめられました。

先生のブログを見させていただき、手術がまだ新しいことも知り迷っています。國津先生に一度診ていただくことはできますか?

股関節唇の手術は、何を目的として行うかによって状況が変わります。

たとえば若いスポーツ選手の場合、可動域や筋力が競技に求められますので、人工股関節置換術という選択肢にはなりません。

50代後半以降で変形性股関節症の方の多くが股関節唇損傷があるという話もありますが、変形性股関節症がクローズアップされて、股関節唇損傷かどうかはしっかり調べられず、人工股関節置換術をしてしまうことも多いのです。

何が言いたいのかというと、股関節に痛みがある方の多く(変形性股関節症にしろ、臼蓋形成不全にしろ)が股関節唇損傷も合併していることが多いというのが一点。

もう一点は、50代以降の場合、股関節唇損傷の縫合術が、人工股関節置換術をせずに生活できる期間の延長に寄与しないかもしれないということです。

話を始めに戻すと、なぜ股関節唇の縫合術をするかということです。

人工股関節置換術をしないためにする、というのであればあまり役に立たない可能性があります。

可動域や筋力などのパフォーマンスを取り戻すためならする意義はあると思いますが、これは若い方の場合でしょうか。

こちらの方の場合、この中間のぐらいにおられると思われますので、そのあたりをどうとるかでしょう。

ここまで述べたことも、症例が少ないのではっきりとしたことはわかっていません。良くなった人もいるし、良くならなかった人もいます。

ここからは私ならという立場でも書きますが、こちらの方の状態であれば手術はしません。

その理由としては、

  • 内視鏡手術が低侵襲といっても無侵襲ではないため、なんらかのリスクは必ず伴う。
  • 内視鏡手術がうまくいかなかった場合、人工股関節置換術がすぐに目の前に迫ってくる可能性がある。

まずは脛骨の手術後の状態をしっかりさせることが先決。膝からくる股関節痛もありますので、ここがしっかりしていないと、股関節痛が起こる可能性があります。

また保存療法でも経過がうまく行ってる人もいますので、保存療法を試していく方法もあります。

ただし保存療法に関しては、縫合術以上に確立されていないので、治療者によってレベルも方法もバラバラですので、そのあたりは注意が必要です。

まとめ

股関節唇損傷に対する内視鏡手術の適応についてお伝えしてきました。

ひとつだけ断っておきますが、内視鏡手術が悪いと言っているわけではありませんので、その点をご理解の上、最終的には主治医とじっくりご相談して欲しいと思います。

しっかり適応を見極めて、後悔しないように決めてください。


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