歩行の蹴り出しに指示を与えると即時効果がある!?

スポンサーリンク

「足関節の使い方を教えてください」そんな御質問がありました。

答えは簡単、「それはあまり使わないこと」です。

えっ!?使わない? そう答えは使わないことなんです。

気になる冒頭でしたが、前回お伝えしましたように、歩行中の股関節と足関節はお互いに影響を与え合います。

良い影響もあれば、もちろん悪い影響もあります。

股関節機能を高めるための足関節の使い方とは一体どんなものなのでしょうか。


スポンサーリンク



歩行時の蹴り出し

歩行中の足関節の底屈による蹴り出しに指示を与えての即時効果について、京都大学大学院 医学研究科の建内宏重先生が研究されていますのでご紹介させていただきます。

人工股関節置換術を施行された女性の患者様を2つのグループに分けます。 1つは蹴り出しの大きいグループ、もう1つは蹴り出しの小さいグループです。

両グループに歩行を行ってもらうのですが、以下の3つのセッションに分けました。

①まず最初に何も考えずにいつもとおり歩いてもらう

②次に指示を与えて歩いてもらう

③そして指示を考えずにもう一度歩いてもらう

それぞれのグループには、蹴り出しが大きいグループには「もっと蹴り出しを強くして歩いてください」、蹴り出しの小さいグループには「もっと蹴り出しを小さくしてください」と指示を出しました。大きい蹴り出しをより大きく、小さかった蹴り出しをより小さくってことです。

結果、蹴り出しが小さかったグループは、股関節パワー生成と、股関節屈筋のパワーの足関節底屈へのパワーに対する比率を即時的に増加させました。

一方、蹴り出しが大きかったグループは、股関節屈曲角度、股関節屈曲モーメント、股関節屈筋のパワーを減少しました。

どういうことかと言いますと、足関節を大きく使って歩いてる、蹴り出しが大きい歩行をしていると、股関節の機能を使わない方向にいってしまうということです。

逆に足関節をあまり使わずに歩いてもらうと、股関節の機能が上がる方向にシフトしました。これは足関節でやっていたことを股関節にシフトさせていったということです。

しかもこの指示による即時効果は、指示を意識せずに歩いてもらう第3セッションにおいても、効果が持続しています。

人工股関節置換術後の患者様においては、術後数年経過しても股関節機能の低下が継続していることが問題とされていますが、股関節機能の低下があるがゆえ、足関節を使って代償していると、さらなる股関節機能の低下を招く危険性があることがうかがえます。

人工股関節置換術後の患者様の歩行や股関節機能を考えると、足関節ではなく股関節をしっかり使った歩行を意識することが大切になってきますね。

まとめ

歩行の蹴り出し時の指示の効果についてお伝えしてきました。

こちらの研究では蹴り出しを小さくすると歩行スピードは低下しています。

股関節機能を考えると、歩行スピードではなく、股関節の機能をしっかり使った質の高い歩行を獲得することを目標にする必要がありそうですね。

reference)

GAIT POSTURE

Immediate effects of different ankle pushoff instructions during walking exercise on hip kinematics and kinetics in individuals with total hip arthroplasty

Hiroshige Tateuchi, Rui Tsukagoshi, Yoshihiro Fukumoto, Shingo Oda, Noriaki Ichihashi etal.

Gait & Posture Vol. 33, Issue4,Pages 609-614.April 2011


コチラの記事もおすすめです

lpバナー股関節