下垂足の装具オルトップの適応と目的は?

スポンサーリンク

下垂足という言葉をご存知ですか?下垂足になったとき、なかなか改善しない場合には装具を使用してADLの維持をはかります。

今回は下垂足で使われる装具「オルトップ」をご紹介します。

下垂足で使われる装具「オルトップ」、その適応と目的は?1

下垂足とは英語ではdrop foot(ドロップ フット)と呼ばれ、文字通り「下に垂れた足」という意味です。

この場合、下というのは背屈の逆の底屈方向。つまり足部がこんな感じになることをいいます。

下垂足で使われる装具「オルトップ」、その適応と目的は?2

足関節を背屈できないので垂れ下がってしまうのですね。足関節が背屈できなくなると、足先が床に引っかかり転倒のリスクが上がります。

下垂足になった方の歩容を鶏歩と呼びます。

ではなぜ下垂足になるのか、そしてどんな装具が使われるのか詳しくみていきます。


スポンサーリンク



下垂足の原因は?

下垂足とは足関節を背屈できなくなった状態をいいますので、背屈できない原因を考えればいいのです。

背屈できない原因はいろいろありますが、代表的なものは腓骨神経麻痺です。

腓骨神経麻痺の原因については、以前ご紹介しましたので、分からない方は先にそちらをご覧ください。

参照)腓骨神経麻痺の原因は骨折や術後、それ以外にもあるので要注意

腓骨神経麻痺では総腓骨神経領域の筋肉、すなわち前頚骨筋や長趾伸筋、長母趾伸筋、長腓骨筋、短腓骨筋などの筋肉が使いにくくなります。

これらの筋肉のほとんどは足関節の背屈に使われる筋肉が多いので、

背屈する筋肉が使えなくなる⇒背屈できなくなる⇒下垂足

となります。

その他、足関節背屈筋が使いにくくなる原因としては、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの腰部疾患があります。

近年日本での発症例はありませんが、ポリオ(急性灰白髄炎)でも下垂足になります。

特に下垂足の場合、背屈の主動作筋である前脛骨筋の働きがクローズアップされます。

前脛骨筋の解剖イラスト図4

前脛骨筋とは下腿の前面にあり、足首を背屈させる筋肉です。そのため前脛骨筋に問題があると足関節が背屈できなくなります。


スポンサーリンク



下垂足は治るのか?

下垂足の原因が神経由来のもの(神経が問題になるもの)に関しては、経過をみてみないとなんともいえません。

治るかもしれないし、治らないかもしれません。

足関節が完全に背屈できるようになる方もいれば、一部しか背屈できない方や全く背屈できなくなる方もいます。

腓骨神経麻痺では低周波治療が行われていた時代もありましたが、効果がないことの方が多いです。

ただし、二次的な機能障害を防ぐ必要があります。ここでいう二次的な機能障害とは、下垂足になったことで他の部分に影響が出ることです。

例えば、下垂足になると足関節が常に底屈位になっている状態になります。

足関節が底屈位になっていると、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋、ヒラメ筋など)は伸びずにかたくなり、背屈できない要因を作り出します。

そのため、リハビリではアキレス腱のストレッチを行います。

アキレス腱のストレッチについてはこちらで詳しくお伝えしています。

参照) アキレス腱のストレッチ方法は?間違い例もご紹介します

下垂足を補助する装具

ここまで下垂足の原因と予後についてお伝えしてきたのですが、下垂足を補助する装具があります。

下垂足に用いられる装具はAFO (= Ankle Foot Orthosis、アンクルフットオルソーシス)と呼ばれる短下肢装具の一種で、オルトップというプラスチック製の装具です。

オルトップ横正面1
※上記2枚の写真はある施設からご提供いただきましたが、プライバシー保護のため背景を加工しています。

この装具のメリットは、簡単に着脱できることや、小さいためオルトップの上に靴を履くことができ、外見上付けていることが分からないことです。

この装具をつけることで、足関節が背屈位に保たれ、つま先が引っかからずに歩くことができるようになります。

装具の固定位置まで足関節が底背屈中間位にならないと取り付けるこができませんので、先ほどご紹介したアキレス腱のストレッチは重要です。

先ほど簡単に着脱できるとお伝えしたのですが、これでも難しい方も実際にはいます。

軽度の下垂足の場合は、もっと簡単に着脱できる簡易装具も市販されているので、ぜひそちらもチェックしてください。

テーピングってダメ?

YahooやGoogleで下垂足と検索すると、「下垂足 テーピング」というキーワードが関連ワードとして出てきます。

下垂足に対するテーピングは無いことはないですが、あまりおすすめできません。

その理由は、

  • 毎日巻き直す必要があり面倒。
  • 毎日テーピングを使うとコストがかかる。
  • 効果的なテーピングができているか分からない。
  • テーピングかぶれを起こす。
  • 固定力が少ない。

などです。

ただ極軽度の下垂足なら効果がある場合もありますし、装具を使ったらどんな感じになるのか疑似体験するには一度試してみるのもいいでしょう。

なので、一番簡単な方法だけご紹介しておきます。

今回使うのはキネシオテープです。こんなやつですね。

キネシオテープ図イラスト1

いわゆるテーピング(白いやつ)だと固定力が強すぎますし、巻くのが面倒なので使わない方がいいでしょう。

足の甲から外側に向かってテープを張ります。

下垂足キネシオテープ図イラスト2

足の裏をぐるっと回して、足の内側から出します。

下垂足キネシオテープ図イラスト3

そこから足関節の前面を通って斜め上に。このとき足の裏に何か入れて、やや背屈位で行うといいでしょう。

下垂足キネシオテープ図イラスト4

腓骨頭付近まで張ります。背屈位が保持できるようにやや強めに。

下垂足キネシオテープ図イラスト5

鋭い方はお気づきかもしれませんが、これは先ほど紹介した前脛骨筋の筋の走行に合わせています。

これで簡易的に下垂足を軽減できますが、ほとんど効果はないと考えてください。

まとめ

下垂足の原因や治療、装具についてお伝えしてきました。

下垂足は治りにくいこともありますので、まずは原因を知り予防することが大事です。

もし下垂足になっても、日常生活を送ることは可能ですが、足関節が背屈できないため転倒するリスクが増加します。

また、装具をつけることでつま先が引っかかり転倒する可能性は減りますが、足関節を固定しているため足関節でのバランス制御が低下しますので注意が必要です。

二次的な機能障害を予防し、転倒に注意して生活を送りましょう。

コチラの記事もおすすめです

lpバナー股関節