RAOやCPOなど自骨の手術をする前に考えるべきこと

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自分の骨を用いた股関節手術を受ける前に考えるべきこととは?いただいたご質問を元に考えてみましょう。

RAOやCPOなど自骨の手術をする前に考えるべきこと1

股関節の痛みや変形に対する手術では人工股関節置換術が主流ですが、現在も自骨(自分の骨)を用いた手術が行われています。

RAO(寛骨臼回転骨切り術)やCPO(寛骨臼回転移動術)、AAO(臼蓋内転骨切り術)などが有名でしょうか。

RAOやCPOなど自骨の手術をする前に考えるべきこと2

その最大の特徴は、インプラントを入れずに自分の骨を用いること。ここが人工股関節置換術との最大の違いではないでしょうか。

できれば人工物を身体に入れたくないと考える方も多く、自分の骨を用いた手術で痛みが改善するならいいですよね。

ただし自骨を用いた手術にもデメリットがあり、そのあたりを知らずに手術をして後悔される方もいらっしゃいます。

今回はRAOの手術を控えている方からご質問が届きましたのでご紹介します。


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RAOの前に考えること

いただいたご質問はこちらです。

題名:RAO手術を控えて

性別:女性

年齢:40代

診断名:臼蓋形成不全

メッセージ本文:
約6年前ぐらいに臼蓋形成不全と診断され、痛みがありながらもなんとか仕事をしながら生活してきました。

手術はすすめられなかったので、ときどき習ったストレッチをする程度でした。もっと真剣に取り組めばよかったと、いまさらながら後悔しています。

右と左では、右のほうが臼蓋が浅く、痛みも右だけだったのですが、最近は左にも痛みが出始め、股関節の専門外来のある病院を受診しました。

RAO手術についてそのときは具体的に相談せず、先生も「遅かれ早かれすることになると思うけど」といった感じで「すぐに手術をしなさい」と言われませんでした。しかし1時間座るのもお尻と腰の痛みでままならず、車の運転もできないぐらい痛みを感じるので、再度受診し手術を受けることに決めました。

股関節の痛みもあるのですが、それよりも強い痛みであるお尻の痛みを先生に訴えましたが、股関節との因果関係を説明してくれることもなく、円座クッションや腰痛ベルトの着用を勧められた程度です。たしかに中殿筋ベルトをすると少し改善しました。

現在している仕事は外回りの営業です。毎日100km程度の運転、軽いときで4キロ、重いときで10キロ以上の書類を持って商談に行きます。

歩く距離は少ないです。玄関先で横座りで2~3時間程度商談することもあり、姿勢がつらく、手術を受けたあともこの痛みがでないのか、運転できるのか不安です。

この仕事を続けることで悪化させるのであれば退職したいとも思っています。

手術をしてくださる先生には、仕事復帰も大丈夫と言われたのですが、なんとも不安なんです。

手術から完治までは余裕をみて5か月と言われています。手術前にリハビリを受けて手術に挑むべきか等も知りたいです。

お聞きしたいことを整理すると

  • 臼蓋形成不全とお尻や腰の痛みで座れないことの関係は何か?
  • 仕事をすることで、手術前、手術後に身体に与える考えられる影響は何か?
  • 手術前にリハビリを受けて手術に挑むべきか?(手術まで約3か月あります)

普段は運動らしい運動はしたこともなく、常時股関節に重だるい痛みがあります。どうぞよろしくお願いします。

RAOを決めたが、お尻に痛みがあるということです。また術後の仕事復帰にも不安があるようですね。

こちらに対する私の回答がこちらです。

はじめまして。理学療法士の國津と申します。お問い合わせいただきましてありがとうございます。

ひとつのご意見として、文面から感じたことをお伝えします。

>臼蓋形成不全とお尻や腰の痛みで座れないことの関係は何か?

ご質問の文面を拝見する限りでは、お尻や腰の痛みは臼蓋形成不全の痛みとして出現しているというわけではない気がします。

これは二次的なもので、

臼蓋形成不全による痛みや動きにくさ

腰部の疾患

腰やお尻の痛み

という印象です。

ブログでは何度も書いていますが、股関節の痛みから腰の痛みに発展する方は非常に多いので、つながっていても、不思議ではないと思います。

>仕事をすることで、手術前、手術後に身体に与える考えられる影響は何か?

お仕事が影響している可能性はあるでしょう。

車での移動や横すわりではよくない姿勢を強いられますので、手術をするしないにかかわらず、それは改善するべきかもしれません。

ただいますぐ仕事を辞めた方がいいと言っているわけではなく、後から書くようになぜ腰やお尻の痛みがでるのか、それと仕事の因果関係をはっきりさせる必要はあると思います。

>手術前にリハビリを受けて手術に挑むべきか?(手術まで約3か月あります)

たまたまですが、今日そのあたりをブログに書きましたのでご覧いただきましたでしょうか。

参照) 股関節のためにいまできることを考えよう

手術前には手術前の、手術後には手術後の、そして保存療法には保存療法としてやるべきことが必ずあります。

手術をしてもすぐにすたすた歩けるようになるわけではありませんので、手術後に問題となりそうなところを改善しておくことは必須です。

ご質問に関しては以上なのですが、気になったところを少しだけ補足します。

腰部については詳しく検査されたでしょうか。

臼蓋形成不全から腰部の疾患が何か起こっていれば、RAOの手術直後は腰部の痛みは残りますし、動けない時期が長く続くと腰痛やお尻の痛みはひどくなる可能性もあります。

もちろん良い姿勢や歩行で動けるようになれば、腰やお尻の痛みは減っていくはずですので、このあたりも考えたリハビリが必要です。

手術まで時間があるなら、腰やお尻の痛みの原因もはっきりさせておいて、RAOの手術でこれが改善できるのかできないのか、できない場合はどんなリハビリが必要なのか考えておきましょう。

以上、簡単ではございますが、ご回答とさせていただきます。

実際に拝見していないので詳しいことはわからないのですが、臼蓋形成不全だけでこちらの方がおっしゃるような痛みがでるのか、まず調べる必要があると感じました。

いつも申し上げているように、痛みの原因を分けて考えていく必要があります。


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RAOをすれば他の痛みも治る?

こちらの回答をお伝えした後、ご返信を2ついただきました。

こんにちは。早速のお返事、アドバイスありがとうございました。丁寧にご回答いただき感謝しています。

腰の検査はしていませんので、腰の検査を受けてみようと思います。

現在長時間座ることが難しいことと、高速道路上の運転が怖いので仕事を休んでいますが
明日からは出社してみようと思っています。

RAO手術を受けるのは私の住まいより遠い病院で、通うのに車で1時間半かかるので腰の検査は近隣の病院(整形外科でリハビリ施設があり、入院施設はない病院)に行ってみようかと思っています。

できれば術前のリハビリも受けられるように、そこで相談もしようと思っています。

RAO手術をする病院で腰の検査をしたほうがいいのかもしれませんが、腰とお尻の痛みを訴えた時の先生の反応が、いまひとつだったので不安なのです。

そんな不安な中で手術をするのが本当に正解なのかもわからないので、腰の件を違う病院で検査し、腰とお尻の痛みの原因を知りたいと思います。

本日のブログも拝見しました。手術前にできることをしたいと思います。ありがとうございました。

本日、近隣の病院に行って、腰とお尻の痛みについて診察を受けてきました。

股関節のレントゲンと、腰のレントゲン複数枚をとりました。

結果としては、腰の骨には異常はないけれども、腰の下のほうの骨が少し間隔が狭くなっている部分があるけど、今どうこうというものではないとのこと。足や腰をいろいろ触られ、「股関節の中の部分には問題はないでしょう」と言われました。

立っているときの姿勢や骨盤の高さの違いなどを指摘され、結論としては

  • 「筋肉や股関節回りや体のゆがみを調整することでかなり痛みは改善すると思う」
  • 「RAO手術をしただけで、腰とお尻の痛みが改善するとは思えない」
  • 「RAO手術は正直あなたの場合必要ないと思うが、手術まで3か月あるので
  • リハビリをして行ってはどうか」

などのアドバイスをいただき、筋肉や普段の姿勢や体の使い方によって起こっている痛みであることの説明を受けました。

受診した先生は開業前は股関節専門で、RAO手術も経験しているそうですが、「あれは、骨も切るけど、筋肉もごっそり剥ぎ落すようなもの。侵襲も大きいし、切ったあとも大変だし、切っても痛みを訴える人がいるからね」と言われました。

手術するしないは私が決めることだとは思いますが、「痛みをなくしたい」ただそれだけの理由で手術に踏み切って予約したので、痛みがとれないのであればする意味もないと思いました。

リハビリや指導を受けて、痛みがどうなるのか様子をみよう、手術はもう少し先なのでそれまでにリハビリを受けて手術について考えようと思いました。

足の指がまっすぐではなく、内側に曲がっているのでそれらをまっすぐ伸ばすストレッチなどを受けました。靴下を売っており(5本指でかなりがっちりした靴下)靴や靴下の見直しについてアドバイスがありました。靴下は試しに購入しました。

いま飲んでいる痛み止めは辞めるように言われました。「薬には頼らず、痛いときはシップにとどめましょう」と言われ、薬やシップの処方はありませんでした。

正直なところ、今まで受診したことのある病院とはかなり異なり、病院だけど病院っぽくない感じなのですが、しばらく先生の方針に従いリハビリを受けてみようと思います。

さっそく受診されてきたようですね。詳しいご説明で、状況が少しはっきりしてきました。

こちらのご返信を拝見して私が感じたことをお伝えしました。

ご返信ありがとうございます。

手術される病院が遠いのも大変ですね。手術後にも定期的に通われることがあると思いますので、そちらも考えておいた方がいいです。

手術をされる先生は、自分の専門分野以外の部位に興味がないこともあります。本来あってはいけませんが、やはり外科のお医者さんは手術に興味がある印象です。

こちらの先生がおっしゃるように、RAOの手術は侵襲が大きく、成績も思っているほどよくないこともあります。

またRAOをして、数年後に人工股関節置換術をされている症例も多いですし、思っているほど痛みがとれない方もいます。

そのような状況や人工股関節置換術の予後や成績がよくなっていることもあり、RAOをせずに適応年齢になってから人工股関節置換術をする方もいます。

このあたりも考えて、リハビリをして痛みが改善するなら、手術回避の可能性をさぐっていけばいいのではないでしょうか。

受診された医院は理学療法士もいるようですし、しっかりリハビリしてみてください。

さきほども書きましたが、RAOの手術をすることによって得られるメリット(股関節の痛みが取れる、動けるようになる、など)とRAOの手術をすることによるデメリットや変わらない可能性のあるもの(痛みが改善しないかもしれない、術後のリハビリが大変、別の部位の痛みは変わらないかもしれない、将来的に人工股関節置換術をする必要があるかもしれない、など)をピックアップして比較してみましょう。

RAOをすればすべてが改善するというのは間違いですよ。

まとめ

RAOの手術をする前に考えるべきことをお伝えしてきました。

最後にお礼のメールをいただいたのでご紹介します。

お返事ありがとうございました。

リハビリの経過を、今後報告させていただきたいと思います。お忙しいとは存じますが、ご一読いただけたら幸いです。

自分の体のことなので、頑張ってリハビリに取組みます。痛みがなくなり、手術せずに済めばと願っています。

保存療法で維持できる可能性も探りながら、リハビリをがんばっていくということでした。

しっかり自分の身体と向きあえている感じが文章から伝わってきましたので、保存療法でも改善する可能性があると思われます。

自骨の手術をするかどうか悩まれている方の参考になれば幸いです。

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