人工関節の手術をどこで受けるか決めるときに重要なのは手術件数ではない

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人工股関節置換術や人工膝関節置換術の手術をどこの病院で受けるか迷われたとき、病院の手術件数で判断していませんか。

今回は人工関節置換術の手術を決断するときに、何を基準に判断するかです。

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6月1日の読売新聞の朝刊に、全国主要病院の人工関節置換術の手術件数が掲載されていました。ご覧になった方もいらっしゃるでしょう。(こちらには掲載できませんので、気になる方は読売新聞に問い合わせてください。)

先日、手術経験も豊富なある整形外科医にこの記事の話をしたところ、その先生は「手術件数なんか関係ないけどなぁ」とおっしゃっていました。

それはこの後お伝えする内容を端的に表現した言葉で、妙に納得しました。

話を元に戻しましょう。この手術件数の実績を見ているといろんな思いが浮かんできました。

「あぁ、あの病院が多いんだ」とか、「この病院が学会で名前を聞いたことある」とか漠然とした医療従事者目線のものでしたが、最後に2つの疑問が浮かびました。

ひとつは「この手術を見た方はどう思うのだろうか」ということ、もうひとつは「自分が手術を受けるとしたらこの手術件数を見て決めるだろうか」ということです。


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手術件数はあくまで目安

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さきほど私は「医療従事者目線」と書いたのですが、医療従事者なら手術件数が多いと聞いても「へぇ、そうなんだ」としか思いません。いや、本当にそうなんです。

でも私が医療に携わっていない患者さんの立場なら、「手術件数の多い病院だからすごいんだ」となると思います。これは仕方ないことです。

手術件数が多いから、それに比例してすごい病院かどうかと言われれば、それは違います。そもそも「すごい」って表現自体はあやふやだと思うのですが、何をもってすごいと言うのでしょうか。

診察の待ち時間、医師の人柄、執刀医の技術、設備、リハビリの技術などなど、すごい当てはまりそうな項目はたくさんあります。

残念ながら手術件数からはこのどれもわかりません。(あえていうなら診察の待ち時間ぐらいでしょうか)

手術件数からは手術が多いということ以外はわかりませんので、これだけで決めるのは危うということです。

そして自分は手術件数を見て病院を決めるかという、答えはNOです。

ある講演に参加したときに講師の医師がこんな話をされていました。

みなさんは手術を決めるときに何を重視しますか?病院名で決めていませんか?私や私の周りの医師は自分が手術するときに病院名で選びません。

では何を基準にするかわかりますか?それは医師です。

ひとつ例を挙げてみましょう。一般の方が手術を検討されているときに聞いてくる質問はこんな感じです。

「◯◯の手術を考えているのですが、△△病院はどうでしょうか」

同じ質問を私がするならこうなります。

「◯◯の手術を考えているのですが、□□先生はどうでしょうか」

△△病院の部分が□□先生に変わっただけですが、この違いはとても大きいのです。

手術が多い病院といっても、若い研修医が執刀すれば意味がないです。そういう可能性もあるわけです。ですから私は病院ではなく、医師で選びます。

この講演を聞いているときにはなるほどと感心したのですが、リハビリのスタッフとしてはそこにもうひとつリハビリという要素を加えたいです。

術前術後にどれぐらいリハビリができるのかも、手術の成績を大きく左右する要素です。

最近では「人工関節置換術後5日で独歩退院」と入院日数が短い病院がいいかと言われれば、これも違います。

周りの理学療法士(5日退院のプログラムを組んでいる病院の理学療法士を除く)に聞くと、術後5日で退院することに不安を持っている人が多いです。

どんだけそれでいけると言われても、2~3週間ぐらいはしっかり入院して在宅での生活に備えたいものです。

ですからすべてとは言いませんが、理学療法士の中には5日で退院する病院を選ばないという基準を持っているわけです。

意外かもしれませんが、これらは病院に勤めている者の中での事実です。

まとめ

人工関節置換術を受けるときの基準についてお伝えしてきました。手術件数や入院日数はひとつの目安であり、それがすべてではありません。

手術を決める際には、これらに加え、医師の人柄、自宅からの距離、リハビリの状況なども踏まえ、トータルで判断するようにしてください。

以上、参考になれば幸いです。

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