人工股関節置換術とアルツハイマー病 手術のリスクは?

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急激な股関節痛の進行、そんなとき人工股関節置換術の手術を決めるべきか、とても悩みます。

人工股関節置換術とアルツハイマー病 手術のリスクは?1

人工股関節置換術の手術をすべきかどうか、誰でもその状況になれば悩むと思います。

できれば自分の骨で一生歩きたいという願いがあっても、痛みのために動作ができない状況になれば手術を決断する方がいいのかもしれません。

今回はそんな悩みを抱えている患者さんのご家族からご質問をいただきましたので、ご紹介します。

股関節の痛み以外にも糖尿病やアルツハイマーなど、特殊な事情も持ち合わせていますので、そのあたりも考えていく必要がありそうです。


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痛みが急激に進行

いただいたご質問はこちらです。

題名:左鼠蹊部の痛み

性別:女性

年齢:70代以上

診断名:その他疾患

メッセージ本文:
78歳になる私の母の左鼠蹊部の痛みについてお教えいただきたいです。

はじめに痛みが出たのは去年の4月でした。まともに歩くことができなくなり杖をついてやっと歩ける状態でした。それでテレビでも紹介されたことのある○○病院に連れていきました。

この病院ではレントゲンを撮ってから写真を見せてもらい、

「まだ軟骨がすり減っているとは言えない。1週間分消炎鎮痛剤と湿布を渡しておくのでそれで様子を見ましょう」

ということでした。

1週間後に来院するとあまり痛みが取れていなかったので、今度は腰のレントゲンを撮りました。

その時の診断は、腰の一番下の骨が変形して体がゆがんでいるが、腰から痛みが出ているとは言えない。初期の変形性股関節症だろうということでした。

そして一生消炎鎮痛剤を飲み続けて、できるだけ歩かないようにして歩くときは杖を使うようにということでした。

それから2週間位してからかなり痛みが引いてきたので、母が糖尿病ということもあり、ウォーキングをはじめ40分位歩けるようになりました。

しかし去年の12月の末に椅子から立ち上がるときに痛みが出てからどんどん痛みだしました。

再度病院を受診したところ、9か月もたったにもかかわらず、まったく変形が進んでいなかったのでこれは変形性股関節症ではなく股関節捻挫だろうということで、1週間分の消炎鎮痛剤と湿布を渡されました。

消炎鎮痛剤はあまり飲まない方がいいということで、湿布だけ渡されるようになったので今は通院していません。

しかし、痛みは全く引いておらず、歩くときは両手に杖を持ち足を引きずりながら歩いています。

自力では全く足を持ち上げることができません。少し足の角度が変わっただけで激痛が走ります。特に風呂に入った後が悪く大転子のところがぽんと腫れ上がります。

先生のホームページを読んでいて、母は側弯を持っていて足の長さが2cm以上食い違ってるので、ウォーキングのやりすぎで筋肉が疲労して炎症が起きたのではないかと思っています。

しかし、炎症は1か月くらいで収まるとしてあったのですが、すでに4か月が過ぎています。まだ安静にしているべきでしょうか。安静にしているときはできるだけ歩かないようにするべきでしょうか。

今回痛みが出てからは病院に行く以外はほとんど外には出ていません。炎症があるときは安静と痛み止めと書いてありましたが、痛みどめはどのくらいの期間飲んでもいいのでしょうか。

母は高齢の為に筋肉の衰えも心配です。質問が多く申しあけありません。よろしくお願いいたします。

お聞きしたい点があり、こちらからメールをお送りしたところ、以下の返信がありました。

國津秀治先生

メールをいただきまして有難うございます。母の痛みがあまりにひどいので昨日別の病院に連れていきました。

そうすると、1月6日のレントゲンではほとんど軟骨のすり減りがなかったのがかなり進行していてすり減っていました。

3か月でこれだけ進行するとは驚きです。

前回は9か月もあったのに全く進行していなかったのにです。これでなぜあんなに痛みがひどいのかがわかりました。

次は治療方法になります。

母は78歳で、初期のアルツハイマーです。手術をしたときのリスクはどうなのでしょうか。まずは保存療法で様子をみるべきでしょうか。

昨日はこんなに痛かったらすぐに手術をした方がいいと言っていたのですが、今日は痛みどめをもらって少し痛みが引いたので手術はどうだろうかと言い出しています。

私としては、一生痛みどめを飲み続けるというのも怖い気がします。

ただし手術後に安静にしていたために、アルツハイマーがひどくなるのも怖い
です。

先生のアドバイスを頂けたらありがたいです。よろしくお願いいたします。


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手術を決める際に考える唯一のポイントとは?

人工股関節置換術とアルツハイマー病 手術のリスクは?2

本来なら急激に軟骨が磨り減ることがありえないです。ですから前回の撮影の角度が悪かったのかもしれませんが・・。

こちらの方がお母さんを連れて行かれた病院は、テレビに何度も出ている有名な病院です。

そんな病院でも痛みがある方には、「できるだけ歩かないように」といまだに指導しているとは驚きですね。

しかも持病に糖尿病があるということなので、ある程度の運動はした方がいいでしょうから、なんらかの運動はお伝えするべきでしょう。

2つめの質問に書かれていますが、とにかく治療方法が問題ということのようです。

手術はおそらく人工股関節置換術になると思います。

人工股関節置換術の手術をするかどうかのポイントはひとつで、痛みがあり生活がままならいかどうかです。

変形があっても生活し続けている方はたくさんいますし、逆に軟骨のすりへりが少なくても痛みが強く手術をされる方もいます。

ですから、手術を決めるかどうかは痛みがあり活動量があまりにも制限されるということであれば決断するときではないでしょうか。

手術自体は高齢の方でもすることはあるので、年齢的なものはあまり関係ないかもしれません。(内科的に手術に耐えられるという条件はあると思いますが)

アルツハイマー病との関連でいくと、怖いのが脱臼です。脱臼肢位がわからずに股関節が抜けてしまうことがあります。

人工股関節置換術の脱臼についてこちらにまとめていますので、お時間があればご覧ください。

参照) 人工股関節置換術・人工骨頭置換術の脱臼姿勢まとめ

ただ最近は前方侵入で手術する病院が増えてきました。前方侵入の手術であれば、脱臼のリスクはかなり低いので、アルツハイマーの方でも大丈夫ではないでしょうか。

その他のリスクについては、深部静脈血栓症も考えられますので、そのあたりは先生に聞いてか決めればいいと思いますよ。

まとめ

人工股関節置換術はとても前向きな手術だと思います。術後1週間程度でいまと同じぐらい動けるようになります。

アルツハイマーには運動量も関与していると最近わかってきていますので、アルツハイマーの進行に対応するという意味でも、なんとか活動量を維持する方法が選択できればいいのではないでしょうか。

参考になれば幸いです。

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