RAO術後10年目の痛み その原因は?

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股関節は手術をすればすべてがよくなる、というわけではありません。手術は治療のひとつであり、改善するひとつの手段です。

股関節手術全てが解決しない

なんとかして痛みから開放されたいと決断した手術。術後にすぐに痛みから開放される方もいれば、術後も痛みが続く方もいます。

今回はRAO術後10年目に痛みが出現した方から、ご質問をいただきましたのでご紹介します。


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痛みの原因を自分で推察する

いただいたご質問は以下です。

性別:女性

年齢:30代

診断名:臼蓋形成不全

メッセージ本文:
初めまして。◯◯県在住のAと申します。

左足臼蓋形成不全でRAOのオペを受けて、明日でちょうど10年目を迎えます。よろしくお願いいたします。

術後、痛みと付き合いながらも、仕事(パート半日事務)やスポーツクラブでの軽い運動、ハイキング(4~5時間まで)を楽しんできました。

今年の5月末に、股関節の中からズキズキする痛みが発症し、今はあまり歩けないので車移動、リハビリは1時間の筋トレと市民プールで週2回1時間歩いています。

検査では、レントゲンやMRIではさほど症状は悪くない(今すぐ手術が必要でない)ので、痛み止めとリハビリとしてプールでの運動を続けています。

痛みの原因がはっきりしないのですが、自分なりに考えてみました。

痛みが発症する2日前に、スポーツクラブで思いっきり股関節のマッサージをしてしまいました。プロの選手がしている、柔らかくなるマッサージとのことで、うかつにも力をいれてしまいました。

同じマッサージをしても、未手術の右股関節は痛みがありません。

ここで質問です。

  1. 自分の手の力でマッサージをした場合、股関節の中の筋肉や靭帯などを痛める可能性はありますか?
  2. その場合、炎症をなくすためにはどのような方法が良いのでしょうか?

ひとくちに股関節症と言っても、軟骨か骨かその他の部分の痛みなのか、本人でもはっきり分かりません。

ただ、今回の傷みは、従来の足のつけ根の外側でなく、手術で切って痛められた筋肉たちの傷みのような気もします。傷みの場所が足のつけ根の前中央だからです。

先生のホームページで、股関節の靭帯の存在を始めて知り、もしかしたらソコを痛めてしまったのではないか…と少しヒントを頂きました。

文章で分かりにくい表現も多いかと思いますが、今後のリハビリ内容のアドバイスなどありましたら、ぜひともよろしくお願いいたします。

こちらのご質問を拝読してすごいと思ったのは、ご自身でどの動作が痛みの原因につながっているのか、しっかり分析されているところです。

しっかり自己分析できて行動できる方は、しっかり痛みと向き合える方ともいえます。

こちらのご質問に対する私の回答がこちらです。

ご返信が大変遅くなり、申し訳ございません。國津です。

さてご質問の件なのですが、「マッサージはしてもらった」のではなく、「自分でした」ということでよろしいでしょうか?その前提でお話を進めますね。

1、自分の手の力でマッサージをした場合、股関節の中の筋肉や靭帯などを痛める可能性はありますか?

できることはできると思いますが、力のない私(成人男性>私>成人女性ぐらいの筋力)が、筋肉をいためつけようと自分でマッサージしても、破壊するぐらい押すのは不可能です。

なぜなら自分自身でマッサージするには力が入りにくいからです。靭帯も同じだと思います。

ストレッチや無理な運動で、自重(自分の体重)が過負荷となって傷める可能性はあるかもしれませんが、女性が自分の手で筋肉や靭帯を傷めつけるのはなかなか難しいと思います。

2、その場合、炎症をなくすためにはどのような方法が良いのでしょうか?

炎症であば、安静、痛み止めがいいです。姿勢や歩行など何か原因がわかれば、それを改善していくのも炎症をおさえていく良い方法だと思います。

5月からの経過と考えると、ちょっと長いですね。炎症としても1ヶ月ぐらいでおさまってもよさそうです。

私の患者さんが炎症があった場合、安静と痛み止めで様子を診ていくのですが、そのときには運動も止めてもらうことが多いです。

もしかしたら筋トレが痛みを出しているのかもしれないと思えば、筋トレを少しの間止めて痛みが改善するかみてみる、プールを疑えばプールをやめてみて痛みがどうなるかみる、などです。

いまの御自身の生活の中で、痛みを出しているかもしれない動作や行動、生活パターンなどはないでしょうか。

もし疑わしきものがあれば、それを一度ストップしてみて、痛みが変わるかどうかみるというのも、ひとつの方法です。

おっしゃるようにレントゲンもMRIも何もなく、ご自身で疑わしいと思う動作を改善してみても痛みが変わらないというのであれば、考えられるのは、レントゲンやMRIで見落とされているものがあるか、ご自身では気づかない股関節に負担がかかる動作があるかです。

これはご自身ではどうしようもないので、医師や理学療法士に専門的にみてもらうのがよいでしょう。

以上です。

大変遅くなり、申し訳ございません。また何かあればご質問ください。

失礼します。

痛みの原因とその対策

RAO痛みの原因とその対策

さきほどの回答にも書いていましたが、一般的にご自身で行うセルフマッサージやストレッチで、自分の身体を傷めるのは難しいです。

なぜなら自分の身体にそこまで痛いことはできないからです。

誰でもそうだと思いますが、ある筋肉を強くマッサージしてよくなると思っても、ものすごく痛かったり、何か悪い予感がすればマッサージを中止すると思います。

ですからセルフマッサージやストレッチで関節や筋肉を破壊することはよっぽどのことがない限り難しです。

あと炎症については、やっぱり痛み止めを飲んで、安静にするのがいいと思います。

ただそれで痛みが改善しない場合は、痛みの原因は炎症ではなく、他のものである可能性がありますので、そのあたりの見極めが重要になると思います。

その後、A様から次のようなご返信をいただきました。

國津先生

こんにちは。先日、相談メッセージをメールしたAです。

早々のご丁寧なお返事ありがとうございます。とても嬉しく、心が温かくなりました。ありがとうございます。

國津先生のメールを拝読し、早く治したい一心で少し無理をしているのかもしれない、そして今までの疲労が股関節にたまっているのではないか?と思いました。

どうしても家事をしていると辛くなるので、最近はキッチンチェアーを購入し、普段の生活を見直しています。

また、ひとつ知りたいことがあるのですが。

オペ後は痛みがなく順調でした。

骨の固定ピンを取る、部分麻酔の簡単な抜ピンを術後2週間目に行いました。その後から筋肉が引きつる感じがあり、歩きにくくなりました。

この感覚は10年たった今でも続いています。痺れや筋肉の引きつりは、一生治らないものでしょうか?怖くてあまり触れられませんが、さすったり温めたりしたほうが良いのでしょうか?

よろしくお願いいたします。

股関節症は、命に関わる病気ではありませんが、生活をガラリと変えてしまい、不安と一生付き合わなければならなくなります。

ですから、國津先生のように親身になってくださる先生の存在を知っただけでも、希望を持って前に進めると思うのです。

これからもたくさんの患者さんの灯りになっていただきたいです。ありがとうございました!

最後に。

働き盛り、國津先生もどうぞご自愛くださいませ。

ありがとうございました。

創部癒着身体に影響

骨の固定のピンを抜く手術を抜釘術といいますが、抜釘術を行うときには傷を増やさないようにおそらく1回目の手術と同じ術創から入るようにします。

手術は1回でも、また小さい手術でも(たとえば盲腸の手術の数センチぐらいの傷でも、人の動きに大きく影響を及ぼします。

手術では傷口が開かないように、かなり強固に縫い合わせます。

表面上見えている傷口からは想像もできないぐらい、医師が丁寧に縫合してくれています。

ただしっかり縫い合わせると、その後の癒着が起こる可能性があります。

本来なら、術後からマッサージやストレッチなどで、癒着が起こらないようにしておかないといけません。

抜釘術では固くなっていた術創を一度開いてもう一度縫い合わせるため、もっともっと固くなる可能性があります。

ですから、いま現在あるものはおそらく残ると予想されます。どこまでよくなるかはわかりませんが、あたためたり、さすったりする方がいいと思います。

ただ一度癒着した皮膚や筋肉はそうそうのことでは改善しない可能性もありますので、改善しない場合にはしっかり専門家にみてもらう方がよいでしょう。

まとめ

股関節の手術は痛みを改善するひとつの手段として、有効なことは間違いありませんが、手段後もリハビリは必要ですし、トラブルが発生することもあります。

こちらの方のように術後かなり時間が経過して出現する痛みもありますので、まずは診察を受けてしっかり原因を調べてもらって、動作や運動を見直していくことが重要になるでしょう。

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