膝関節痛が原因となる股関節痛や腰痛 改善するポイントは?

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膝関節痛が痛くても股関節痛や腰痛が起こります。この場合、どのように改善していくべきなのでしょうか。

膝関節痛が原因となる股関節痛や腰痛 改善するポイントは?1

股関節痛の原因は本当に多岐に分かれます。股関節痛を引き起こす代表的な疾患である変形性股関節症では、先天的なものであることも多いのですが、二次的に起こる場合も増えてきています。

これを一次性と二次性の変形性股関節症として分けています。

一次性と二次性の股関節痛については以前こちらのブログでお伝えしていますので、わからない方は先にそちらをご覧ください。

参照) 変形性股関節症の患者数は?一次性と二次性の変形性股関節症とその特徴


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治療は原因をはっきりさせることから

股関節に痛みを抱えている場合には、まずなぜ股関節に痛みがあるのか明らかにすることをおすすめしています。

その理由は、「なぜ痛むのか」という部分が明らかにならないと、痛みの根本に対処できないからです。

たとえば自宅の天井から雨漏りがあり、漏れている雨だけ拭くことはしませんよね。

拭くことで一時的には雨水はましになりますが、すぐにまた漏れだすはずです。必ずどこから漏れているのか、なぜ漏れているのか、そこを調べてもらって対処するはずです。

痛いから湿布、痛いから痛み止め、痛いからマッサージと安易に対処している方は、雨漏りの例でいうと延々と漏れている雨水を拭いていることになり、一時的には痛みが改善することはあっても根本的な解決にはいたりません。

今回は膝関節に痛みが出て、股関節と腰が痛くなったAさんの症例を取り上げてみます。


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膝関節痛からの腰痛

膝関節痛が原因となる股関節痛や腰痛 改善するポイントは?2

まずはAさんのデータです。(※掲載の許可はいただいております)

年齢:40代前半

性別:男性

身長:170cm

体重:66kg

既往:高校時代に左膝の半月板を傷めて保存療法を行った。その後は違和感はあるが痛みなく生活していた。

仕事:自宅から電車を乗り継ぎ通勤している。営業職で重い荷物を運ぶことあり。

その他:既婚。子どもあり。

経過:左股関節と腰が痛むということで診察を受けました。診察では股関節と腰のレントゲンを撮りましたが、特にこれという症状はなく歳相応。動きすぎたことによるものという診断でした。

こんな感じですが、Aさんは腑に落ちないようで、痛みの原因がはっきりしないままリハビリを開始することになりました。

開始時に気になったのは立ち方と歩き方。明らかに右側に偏った立位と歩行になっています。Aさんもそのことは少し自覚しているようで、歩き方には少し気をつけていたようです。

あともう一点、じっくりしながら問診しく中でわかったことがあります。

左股関節や腰に痛みがでる1ヶ月ぐらい前に、左の膝関節が久しぶりに痛かったそうです。そのときは仕事が忙しかったため、かなり痛かったようですが結局はかばいながら動き続けていたようです。

そうしていたら左膝はましになってきたが、左股関節や腰に痛みが出始めたとのこと。

このあたりでもう答えは見つかった気がしますね。

リハビリではまず股関節や腰の状態をチェックします。周囲に筋肉の硬結はあるものの動きは良さそうです。

次に左の膝関節をチェックすると明らかに動きが悪いです。完全に曲げることも伸ばすこともできず、本来膝関節が持っている自然な動きも阻害されています。

推察したことを申し上げて、左股関節や腰ではなく左膝関節の治療をすることを説明して治療を実施しました。

そうすると立位と歩行は激変し、左股関節や腰の痛みかなり良くなりました。左股関節痛と腰痛の原因は左膝関節にあったようですね。

その後は時間をとって原因となった動作を洗い出す作業に移ります。

最近は痛みがなかった左膝関節が痛くなった原因となった動作は何なのか、徹底的に聞き出しました。

膝関節痛が原因となる股関節痛や腰痛 改善するポイントは?3

このときするべきは、忠実にAさんの生活を思い出してもらうこと。どんな小さいことでもいいので、左膝関節に痛みや違和感が出た動作を出してもらいました。

そして出たのは次のようなことでした。

  • 通勤時の乗り換えの階段
  • 通勤時に立って電車に乗っているとき
  • 自宅の階段の昇り降り
  • 営業中の荷物運び
  • 営業中の徒歩での移動
  • 営業中のしゃがみこみ
  • 子どもの抱っこ
  • 子どもと鬼ごっこして遊ぶとき
  • 布団のあげおろし
  • 2階まで洗濯物を持って上がるとき
  • お風呂掃除中のしゃがみこみ
  • 玄関で座って靴を履いたところから立ち上がるとき
  • 座って洗濯物をたたんでいるとき
  • 洗濯物にアイロンがけをしているとき
  • たくさん買い物した後の荷物持ち
  • 寝室で布団から立ち上がるとき

かなりたくさん出ましたね。

共働きの家庭ということもあり、たくさん家事を分担されています。階段やしゃがみこみ、荷物を持っての移動も負担になっていたようですね。

これらをお聞きしてAさんには次のようなアドバイスをしました。

  1. 通勤時の乗り換えは階段ではなくエスカレーターを使用する機会を増やす
  2. 通勤時には可能であれば座るようにする
  3. 階段の昇り降りをするときには手すりを使用して手の力で補助する
  4. 階段の昇り降りでは「昇りを右脚から降りを左脚から」行うようにする
  5. 子どもと遊ぶときには走り回らない遊びを考える
  6. 家事は少しの間奥様の負担を増やしてもらう

まずは左膝関節の負担を減らします。そのままだとこれ自体が跛行(はこう)の原因になってしまいますので、その間に立位や歩行を見なおしていきます。

Aさんの場合、1週間ほどで股関節痛も腰痛も改善、左膝関節の痛みも再発していないそうです。

まとめ

膝関節痛から股関節痛と腰痛が起きた症例をご紹介してきました。

冒頭にも書きましたが、どこに起因しているのか、何が原因となっているのか、紐解く作業が重要です。

今回の例のように、腰が痛くても原因は膝にある場合もあります。

みなさんの痛みは大丈夫でしょうか。

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