画像所見と痛みはイコールではない。だから治療は難しい

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レントゲンやMRIの所見で症状があることと痛み、両者は一致しないことがあり、それが患者さんを悩ませることがあります。

画像所見と痛みはイコールではない

患者さんのリハビリをしているときにはよくあることなのですが、レントゲンやMRIの所見の症状と、痛みやしびれが一致いないことがあります。

レントゲン上ではすごく変形がある股関節でも痛みがない方もいれば、変形がなくても痛むこともあります。

炎症や打撲などの一時的な痛みの場合、後者でることも多いと思うのですが、診察ではなかなかそのあたりまでしっかり説明してもらえないことも多いのです。

そんなお悩みが届きましたので、本日はご紹介します。


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病院に足が向かなくなる

届いた質問は以下です。

初めまして。よろしくお願いします。3◯歳、女性、出産経験ありです。

23歳で3人目の子供を産んでから掃除機をかけたり雑巾で床を拭いたりする姿勢でいると右のお尻のつけねあたりに痛みを感じました。その時は寝て起きるともうよくなっていたのであまり気にしていませんでした。

それから働き始めましたがずっと立ち仕事ばかりで重い物を持つこともありました。ある時にずっと立つことができなくなりました。立っているとすごく腰が痛いんです。それからはずっと立ちっぱなしをしなくなりました。

それから数年後の2年前に尾てい骨を骨折してしまい、病院に行ったら尾てい骨と腰のレントゲンを撮りました。その時に第4椎間板と第5椎間板の間が狭くなってるからいずれ立ち仕事がつらくなるかもしれないと言われました。

そして今年3月に右股関節に強い痛みが出ました。足を引きずって歩けるものの次の日には足がつけない激痛で寝返りなども困難でした。病院に行ってレントゲンを撮ってもらいましたが股関節に異常はないと言われ、腰からきてると言われ痛み止めの錠剤と湿布を処方され帰りました。一週間くらいで痛みは引きました。

それから痛みはなかったのですが8月3日にまた痛みが出ました。まだ病院には行っていません。腰からきてると言われて終わると思うとあまり病院に足が向きません。

立ち仕事が腰に負担をかけてるとは思いますが一度MRI でみてもらったほうがいいのでしょうか?母が脊柱管狭窄症で手術をしたのでとても不安です。

長々すみませんがよろしくお願いします。

こちらのご質問に対する私の回答がこちらです。
※プライバシー保護のため一部修正を加えています。

はじめまして。理学療法士の國津秀治と申します。お問い合わせいただきましてありがとうございます。

少し順番は前後しますが、メールの内容について感じたことをご返信します。

>母が脊柱管狭窄症で手術をしたのでとても不安です。

脊柱管狭窄症についてですが、遺伝性というよりも年齢によるものが大きいです。ですから80歳の方のMRIをとれば多かれ少なかれほぼあります。

おそらく歳相応のものはいま現在もあると思いますが、症状として現れるかどうかは人それぞれで、80歳で狭窄があっても症状がない人もいます。

ですからいまは狭窄症を心配されるより、「そんなのもあるのか」と頭の隅に置いとく程度でいいのではないでしょうか。

>第4椎間板と第5椎間板の間が狭くなってるからいずれ立ち仕事がつらくなるかもしれないと言われました。

これも同じです。

診察ではレントゲン上から、いまの症状に合わせたところを指摘することが多いです。(後出しジャンケン的なもの)

さきほどの高齢者の例と同じく、椎間板が少し狭くても症状と直結するかはわかりません。もちろん椎間板にしっかり厚みがある方がいいのですが。

>今年3月に右股関節に強い痛みが出ました。足を引きずって歩けるものの次の日には足がつけない激痛で寝返りなども困難でした。病院に行ってレントゲンを撮ってもらいましたが股関節に異常はないと言われ、腰からきてると言われ痛み止めの錠剤と湿布を処方され帰りました。

このあたりが少し気になりますね。

腰の症状なのか、股関節の症状なのか、それをはっきりさせる必要があります。

出産を3度経験されているので、もしかしたら骨盤周囲の症状が起こり、それから変形性股関節症が起こっている可能性もあります。

股関節のレントゲンは撮られていますか?一番良いのは股関節のレントゲンをとって、股関節に問題がないのであれば、腰のMRIを撮影するという流れでしょう。

>腰からきてると言われて終わると思うとあまり病院に足が向きません。

すごくわかります。

行かれたのは大きな病院でしょうか?もし大きな病院に行かれたのであれば、逆に町にある小さなクリニックに行かれたらどうでしょう。

しかも理学療法士のいる医院(クリニック)をおすすめします。

腰の症状を確定させて、それからリハビリを受けて、ストレッチや筋トレを習うのが一番いいと思います。

理学療法士がいるかどうかは、医院のホーページをみればわかります。ホームページがないのであれば、直接電話して聞くのもいいでしょう。

まずはご不安が晴れるようにどこからきているのか、しっかり判別することから始めてみてはいかがでしょうか。

以上、簡単ではございますが、ご回答とさせていただきます。

こちらの方のようにご本人は強い痛みを感じても、レントゲン上では症状とリンクするような状態を示さないものはたくさんあります。

そんなとき医師はレントゲン見て「もしあるとすれば」という感じで、疑われる症状を指摘することが多いです。

ただ「本当にそのレントゲンがその痛みの原因になるの?」と患者さんご本人は納得がいかず、以後同じような症状が起こって、また同じことを言われるのではないかと病院に足が向かなくなります。


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痛みの原因はどこかにある

痛みがあるということは原因はどこかにあります。

医師も理学療法士も時間をかけてゆっくり診察や評価、治療をすれば、それをつきとめることができるかもしれませんが、診察やリハビリの時間には限りがあり、はっきりと原因がわからないことがもあります。

今回のお話では、「立ち仕事」「3度の出産」「椎間板」などヒントとなるキーワードがいくつかありますので、そのあたりを考えていけば、腰なのか、股関節なのか、原因はわかってくると思います。

原因がわかればあとはそれに対する治療をすればいいわけですから、答えはみつかるかもしれませんね。

さきほどの回答に対して、ご返信をいただきました。

こと細かい解答、感謝します。

病院は小さな個人病院でみてもらいました。

股関節のレントゲンも撮りましたが股関節に異常はみつかりませんでした。

最初の質問の時に入れ忘れたのですが2人目の子供を出産した後に整骨院の先生に右足のほうが長いと言われたことがあります。今から12年前のことです。

その時は言われても半信半疑でしたが靴底の減りを見た時に右足の靴のほうが減りが速いんです。

これはなにか関係はないでしょうか?

長さに関しては病院に行っても話していません。なにもないところでつまずくことも何度かあります。

確かに骨盤のゆがみなど感じます。出産の影響だと思いそのままにしていました。

理学療法士がいる病院がいいんですね。はじめて知りました。

何度も質問してすみません。お時間がある時に返事もらえたら嬉しいです。

脚長差についてはこちらのブログでも何度か触れてきますね。

一般的に脚長差は3㎝以内なら問題ないと言われています。3㎝というのは素人目にみてもらわかるぐらいです。

ただ脚長差が1cmでも歩き方や姿勢が悪い人はダメですし、3㎝でも適切な姿勢や歩行をすれば問題なく過ごせます。

宣伝になって申し訳ないですが、このあたりは拙著をご覧いただければ詳しく書いてありますので、もし疑問に思われる方はそちらをご覧ください。
図解入門 よくわかる股関節・骨盤の動きとしくみ (How‐nual Visual Guide Book)

ですから脚長差が悪さをしている可能性はありますが、どう悪さをしているかはその人次第です。このあたりは医療従事者も理解していないことが多いです。

脚長差があることよりも大事なこと
「脚長差=悪」ではなく「脚長差がある上での悪い姿勢や歩行=悪」なのです。

まとめ

理学療法士にも能力的な差はあると思いますが、柔道整復師(接骨院の先生)や他の施術家(整体師やカイロ)などに比べて、姿勢や歩行をしっかり考える職業です。

もし同じように股関節や腰、膝関節の痛みで悩んでいる方がいらっしゃれば、理学療法士に姿勢や歩行をしっかり診てもらったらどうでしょうか。

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