TUGテストの意味は?人工股関節置換術との関係は?

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リハビリではよく使われる評価であるTUGテストをご存知ですか?今回はTUGテストの意味と人工股関節置換術との関係をご紹介します。

最近病院のリハビリやデイサービスでこんなこと検査をしたことがある人はいませんか。

「この椅子から立ち上がって、目の前にあるコーンまで歩いてください。そしてそれをぐるっと周って帰ってきて、またこの椅子に座ってください。」

これがTUGというというテストなのですが、テストをしたことがない人にはなんのこっちゃ分かりませんが、本当にリハビリの現場ではよく見かけます。

それだけこの検査をする意味があるか、評価として必要なものなのでしょう。

ではTUGテストについてまずは見ていきましょう。


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TUGテストとその意味は?

TUGテストとは「Timed Up & Go Test」のことです。Timedの「T」、Upの「U」、Goの「G」の頭文字をとってTUGと表現されることが多いです。

いろいろ語るよりもまずは方法を見てもらった方が分かりやすいので、先に解説します。

まずは準備ですが、最初に椅子を用意します。

椅子の前脚のところがスタートラインになります。

そして3m先に目印を置きます。

テープでマーキングするだけだと分かりにくいので、コーンなどを置きます。今回は分かりやすいように四脚杖を置きました。

準備はこれで完了です。

椅子に深く座った状態から立ち上がって、3m先の目印まで歩いて、目印を折り返して帰ってきてまた椅子に座ります。動作開始時からしっかり座ったところまでの時間を計測します。

回る方向は右回りでも左回りでもどちらでもいいです。その人がやりやすい方向で回ってもらいます。

動画で撮影してみました。

健康な人にとってはなんてことないテストなのですが、これが運動器不安定症や骨折の手術後、脳梗塞の後遺症の患者さんではここまでスムーズにはいきません。

でもなぜこのTUGテストがたくさん行われているのかというと、その理由は明確です。

TUGテストの中には、

  • 安定した状態で座っている
  • 立ち上がる(不安定な状態になる)
  • 歩く(加速する→さらに不安定さが増す)
  • 折り返す(減速と方向転換と加速→歩行よりも不安定)
  • 歩く(加速する)
  • 椅子に座る(減速と方向転換)

と、下肢筋力や歩行能力、バランス能力などさまざまな要素が絡み合っています。ですからTUGテストが何秒かかるかで、その人のおおまかな運動能力が把握できます

そのあたりは日本運動器学会のホームページにも次のように書かれています。

TUGは信頼性が高く、下肢筋力、バランス,歩行能力、易転倒性といった日常生活機能との関連性が高い

引用) 日本運動器科学会「Timed Up & Go Test(TUG)について」

TUGテストは信頼のおける検査ということができ、場所もとらずに1分もあれば検査できますから、歩ける人であればやりやすい評価といえるでしょう。

ちなみに日本運動器科学会では運動器不安定症のカットオフ値を11秒と設定しています。カットオフ値とは簡単にいうと「そうか」「そうではないか」の境となる値ですね。この場合、11秒以上なら運動器不安定が疑われるということになります。

TUGテストと人工股関節置換術の関係

このTUGテストは股関節のリハビリでも用いられています。たとえば南角らの報告にはこう書かれています。

THA施行前のTUGから術後6ヶ月の歩行能力を予測できることが示された.これらの結果は,THA術後早期の患者に対して,適切な退院後のADL指導を実施していくための根拠となる

引用) 南角学,他:人工股関節置換術後の退院後の歩行能力は術前のTimed up and go testから予測できる.日本理学療法学術大会,2011

術前のTUGテストの値を見ていれば、THA(人工股関節置換術)施行6ヶ月後の歩行能力の予測できることが示されています。

先ほどお伝えしたように、TUGテストには立ち上がりや歩行、方向転換、座り込みなど、筋力やバランス、歩行能力に関わる動作が盛り沢山です。

その評価をしておけば人工股関節置換術後の歩行能力がある程度予測できるので、術後にどのようなリハビリを施行していけばいいのか参考にすることができます。

このように、リハビリの現場ではTUGテストが「10秒だった」とか「13秒だった」とか、それ自体が大事なのではなく、それを踏まえてどうリハビリに活かすのが大事になってくるのです。

以上、TUGテストの意味と人工股関節置換術との関係でした。

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