アキレス腱のストレッチ方法は?間違い例もご紹介します

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小学校の頃からおなじみのアキレス腱のストレッチですが、間違った方法で行っている方が本当に多いです。

今回はそんなアキレス腱のストレッチについてご紹介します。正しい方法とは一体?!

アキレス腱のストレッチをお伝えするのですが、その前にひとつ断っておくことがあります。

リハビリでは「アキレス腱のストレッチ」というのは表現はあまり使いません。

 

腱というのは筋肉の端についている一部分を指しますので、基本的には腱だけをストレッチのではなく筋肉全体をストレッチします。(※腱部分を中心にストレッチすることもあります)

 

「アキレス腱は下腿三頭筋の停止部付近にある腱のこと」と前回の記事でお伝えしました。

 

下腿三頭筋が分からない方は先にそちらをご覧ください。

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ですから本来であれば「下腿三頭筋のストレッチ」と表現すべきですが、ここでは便宜上「アキレス腱のストレッチ」とします。

 

まず簡単に解剖の確認をしてから、ストレッチ方法をお伝えしていきます。、

 

目次

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下腿三頭筋の復習

ここでは軽く筋肉を復習しておきます。

まず全身を後ろから見ます。

アキレス腱のストレッチ方法は?間違い例もご紹介します1

下腿部分をアップにしてみます。

アキレス腱下腿三頭筋解剖1

分かりにくいので下腿三頭筋以外の筋肉を外します。

腓腹筋下腿三頭筋1

この表面にある2つの筋肉が腓腹筋です。

そして腓腹筋をめくるとヒラメ筋が姿を現します。

ヒラメ1

アキレス腱は腓腹筋とヒラメ筋の腱が合わさったもので、足首付近にあります。

アキレス腱解剖2

 

ここまではよろしいでしょうか。

 

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アキレス腱のストレッチの実際

まずアキレス腱ストレッチの概要からお伝えします。

 

アキレス腱ストレッチの概要

アキレス腱のストレッチと聞いて皆さんが思い出すのは、小学校の体育のときにやったどちらかの脚の一歩後ろに引いて(前に出してもいいですが)、上下に揺れながら行う方法ではないでしょうか。

私も医療の世界に身を置くまで上下に揺れながらアキレス腱を伸ばしていていました。

一方で静止してじわっと伸ばす方法もあります。

 

リハビリの世界では時々議論になるのですが、「揺れながらアキレス腱を伸ばす方法は間違っている!」という方もいれば、「いやいや運動前には揺れながら伸ばした方がいいんだ」という方もいます。

これってどちらが正しいのでしょうか?

 

結論としてはどちらも間違いではありません。

 

動きながら伸ばす方法をダイナミックストレッチ、静止してじっくり伸ばす方法をスタティックストレッチと言います。

最近、スポーツなどしっかり運動するときには、運動前にスタティックストレッチするとパフォーマンスが落ちるというデータがでています。

一方で、ケガや病気、手術後の患者さんにダイナミックストレッチは使いにくいという事情もあり、病院や施設などではスタティックなストレッチが用いられます。

 

ですから、自分の状態やこれから行う動作によって、ダイナミックかスタティックを使い分ければいいというわけです。

ただしこちらのブログでは

  • 股関節に疾患がある方を対象にしていること
  • ダイナミックストレッチよりもスタティックストレッチの方が対象となる筋をイメージしやすいこと

これらの理由でスタティックでのアキレス腱ストレッチをご紹介します。

 

アキレス腱のストレッチ方法

まずご紹介するのはオーソドックスな方法です。

ストレッチは30秒を目安にじっくりゆっくり伸ばしましょう

 

正しい方法

アキレス腱をストレッチしたい脚を後ろに引いて立ちます。(※写真の場合、右のアキレス腱のストレッチです)

そのとき前方に掴むところがあった方がやりやすいです。

下腿三頭筋アキレス腱ストレッチ1

その状態から前方の脚に体重を載せていきます。(おへそは正面を向いて前方に突き出すと載りやすいです)

このとき後ろの脚の膝は裏側の伸ばすようなイメージで、踵を浮かさないようにしましょう。

下腿三頭筋アキレス腱ストレッチ2

うまくストレッチができたときには、ふくらはぎのやや上部表層(主に腓腹筋)が伸びている感じがします。

 

間違った方法

一番よく見かける間違いは、上半身を前に倒してしまう方法です。

下腿三頭筋アキレス腱ストレッチ3

これだとうまく前方の脚に体重が載せられず、うまくストレッチできません。

 

あと後方の脚のつま先が大きく外側に向いているのもダメです。(内側に向いている場合もあり)

下腿三頭筋アキレス腱ストレッチ4

 

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ヒラメ筋だけをストレッチする方法

ここまでお伝えしたのは主に下腿三頭筋全体をストレッチする方法です。

やってみれば分かるのですが、これだと深層にあるヒラメ筋の伸張感を得るのがなかなか難しいです。

 

そこでヒラメ筋だけをストレッチする方法を2つご紹介します。

 

ヒラメ筋のストレッチ その1

まずは立位でする方法です。

ヒラメ筋をストレッチしたい脚を後ろにして、さきほどのアキレス腱のストレッチの開始姿勢と同じように立ちますが、アキレス腱のストレッチ時よりも前後の開脚幅はやや小さくします。

ヒラメ筋のストレッチ1

その状態から今度はお尻を下ろすように後方に体重をかけていきます。

その際、後ろの脚の膝関節は屈曲し、踵は絶対浮かないようにしましょう。

ヒラメ筋のストレッチ2

正しくストレッチできれば、ふくらはぎの真ん中からやや下方の深部に伸張感が得られるはずです。

 

ヒラメ筋のストレッチ その2

同じくヒラメ筋のストレッチですが、今度は座って行う方法です。

正座から片膝を立てた姿勢になります。(※写真の場合、右のヒラメ筋のストレッチになります)

ヒラメ筋のストレッチ3

正面から見るとこんな感じ。

ヒラメ筋のストレッチ4

その姿勢から前に傾きながら、前腕を使って膝を前方に押します。

ヒラメ筋のストレッチ5

ヒラメ筋のストレッチ6

じっくり伸ばすと伸張感が得られるはずです。

 

ただしこの方法では股関節や膝関節がしっかり屈曲することが必須ですので、股関節や膝関節に屈曲制限がある方や、痛みのある方は立位で行う方がいいでしょう。

 

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器具使ったアキレス腱のストレッチ方法

最後におまけになりますが、器具を使ったアキレス腱のストレッチ方法もご紹介します。

器具といっても高級な電子機器ではなく、「ストレッチングボード」と呼ばれる簡単な器具です。

ストレッチボード

前にあるギザギザのところで角度を調整します。

 

使用方法は超簡単。この上に立つだけです。

ストレッチボードの使用方法1

足部はこんな感じになっています。

ストレッチボードの使用方法2

ストレッチングボードを使用してのアキレス腱のストレッチでは、腓腹筋とヒラメ筋を分離して伸ばすことは難しいので、全体的にストレッチされると考えてください。

ストレッチングボードはAmazonや楽天市場で購入できます。


 

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まとめ

アキレス腱のストレッチ方法について詳しくご紹介してきました。

途中でお伝えしましたが、間違った方法で行っている方も多いので、自分がしている方法を一度ご確認ください。

いつも申し上げているように、伸ばされている筋肉を意識することも大切ですので、どこが伸ばされているのか確認しながら行いましょう。

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