現在の医療制度とリハビリテーション そして今後はどうなる?

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現行の医療制度におけるリハビリテーションの立ち位置と、今後どうなるのか、本日は考えてみましょう。

現行の医療制度とリハビリの未来

前回の記事で、リハビリ難民となって苦労されている方からの切実な悩みについてお伝えしました。まだご覧になっていない方は、先にその話題をご一読ください。
参照)股関節の手術後のリハビリがなぜ継続できないのか?

その中でこちらの患者さんがおっしゃっていた悩みのひとつが、自分が必要だと思うリハビリが受けられないということです。

制度的なこととは別にもうひとつ問題があります。その問題とは?


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まだまだ低いリハビリへの理解

日本におけるリハビリの歴史

日本におけるリハビリテーションは、大正時代後期に肢体不自由児の治療に尽力された高木憲次先生の取り組みが初めだと学生時代に習いました。

そして第二次世界大戦中に、戦場に兵士を戻すためにリハビリや装具が発展していきます。

その後1963年に日本リハビリテーション医学会が設立され、1965年に理学療法士及び作業療法士法が制定されました。

歴史を詳しく知る必要はないかもしれませんが、要は日本におけるリハビリの歴史は外科や内科に比べるとまだまだ日が浅いということです。

リハビリ病院の医師が・・!?
近年リハビリテーション病院が各地に増えました。手術をしたり、最初に運び込まれた急性期病院から転院し、リハビリを専門的に受ける病院です。

そんな施設の医師はリハビリの専門家と思いきや、そうでもないことがあります。

最近大阪にできたあるリハビリ病院のリハビリ専門医は泌尿器科の出身で、脳卒中や整形外科の専門知識はないとのこと。

また友人が以前勤めていたリハビリ病院の病院長は糖尿病の専門医でした。糖尿病がある患者さんとの会話にはすごく熱心だそうですが、糖尿病がない患者さんとはほとんど話さないと。

最近になりやっとリハビリテーション医学を専門的に学んだ医師が増えてきましたが、すべてのリハビリ病院に専門医が着任されるにはもう少し時間がかかりそうですね。

このようにリハビリ病院でもリハビリに興味を持ってもらえないこともあるので、一般病院の医師にリハビリの必要性をご理解いただくこともあります。

リハビリを受けたくても受けられない

前回ご紹介した患者さんがその後近くの医院にお問い合わせになり、結果をご報告くださいました。

國津先生

医療環境の矛盾に対しての不信感は、病院に問い合わせるほどに増していきます。おっしゃるお話は、理学療法士さん、患者双方の壁ですね。

入院中は人質、おとなしくしていた方がいいと、みんな言っていましたし、医師は忙しく説明を省くので、不安で悩む患者さんだらけでした。

今の身体の状態は、元気な頃の60%前後です。90%になりたいです。

理学療法士さんのいる医院を通える範囲で探し、電話やメールで問い合わせてみました。

  • 手術をしているなら、紹介状がないと診れません。
  • 交通事故患者はお断りしています。診断書など書けません。健康保険のみ対象です。
  • 医師から許可が出ても、リハビリは来月まで予約で一杯です
  • 外来は入院していた患者対象です。
  • 日常生活ができる方のリハビリはできません。

笑えます。今は医師よりバランスボールの方が助けてくれます。

私の職業は立ったりしゃがんだりすることが多く、床に近い位置での作業は不可能、長時間の座位も問題があります。海外出張も1ヶ月単位で年3回あり、現地では相当な運動量だと思います。

現在は◯◯市在住で、手術したのは△△病院です。主治医は若く執刀医は医長です。

街の医院では、
「△△病院でリハビリが要らないって言うなら、要らないと思うけど、紹介状もらえるなら、来たかったら来てもいいですよ」
という返事だけで、初診料と診察料でした。

この医師も主治医と同じ、レントゲンしか見ない整形外科医です。△△病院の地域医療連携の中心なので、立場が強いみたいです。

どの病院でも他人事なのに、アドバイスありがとうございます。バランスボールとじゃれながら、頼れるリハビリ環境を探していきます。

お忙しい中、心のリハビリをありがとうございます。あきらめないでいこう!と思えます。

この方の場合にも、もう少しリハビリへの理解があればと考えさせられました。

医療従事者と患者さんと距離感

医療従事者と患者さんの距離

こちらの方もおっしゃっていますが、医療従事者と患者さんの距離はかなり遠いです。特に患者さん側は医療従事者の顔色を伺うことも多く、医療従事者と相談しながら自分の治療を決めていくということができません。

もちろん一般人は医療の知識がないので、医師任せにする比重は大きくなるかもしれませんが、治療には自分の意志も伝えて決めていくのが理想です。

それは悪い意味で医師に噛み付いて文句を言うことではなく、自分の体のことなので自分でも考えて行動するという意味です。

そうはいっても、医師との関係がこじれることをおそれて、なかなか言い出せない方もいらっしゃるでしょう。

でも痛みを我慢しながらの動作を強いられたり、元の生活とはほど遠い状態ならどうでしょか?

いまのままリハビリが受けられず、自分の身が大変なことになるかもしれないのと、その関係や状態を断って、苦労するかもしれないが、リハビリできる環境を得るのとどちらが良いでしょうか。

人工骨頭の手術をすれば、イメージ的には元気なときの80~90%ぐらいの動作能力になります。いまはまだお若いので大丈夫ですが、高齢者になれば支障をきたしてきます。

なんとしてでも、いまのうちに100%に近づけるように、しっかりリハビリを受けられる環境があればいいのですが、いまの医療ではなかなか難しいのです。

また将来的には、外来での継続したリハビリを受けることは難しくなると予想されます。

国としては介護保険に移行させていきたいようですが、医療保険と同じく介護保険も財源が厳しい状態で、半永久的に適切なサービスを提供できるかは不透明です。

また介護保険に対象にならない疾患の方や若年層の患者さんは、医療でも介護でもリハビリを受けられない状況になります。

まとめ

最後にお礼のメールが届きましたので、ご紹介致します。

國津先生

何度も励ましのお言葉をいただき、ありがとうございます。

主治医から具体的に聞き出せずに不安なことは、自分と似た状況の人がいたら、情報を得て未来のイメージができるかもしれないと、インターネットで「40代 大腿骨頸部骨折 人工骨頭置換術後」などで調べ続けました。

高齢者の例がほとんどで、ほんのわずかな情報でしたが、医師から説明の足りない点もそこから知ることができました。

状況は個々に違い、同じものではなくても、参考にできることがあれば、どこかで誰かの不安を和らげる材料になるかもしれないと思います。

手術で救ってくれた整形外科の執刀医、主治医への感謝の気持ちは変わりません。

リハビリをしたいのは手術への不満ではなく、この手術の結果を活かしたいからです。

患者は素人でも自分の体のことで真剣なので、本能的に感じています。何が自分にメリットがあるか…。

それでは、未来の医療に期待しつつ…

國津先生、よろしくお願いいたします。

ありがとうございます。

病院や施設で働いていると、そとで見ているより制度的にも、立場的にも難しい場面があります。

今後もどうなるか不透明ですが、こちらのブログではできる限りわかりやすく、股関節のリハビリについてお伝えしていきます。

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