高齢者はリハビリでどのくらい歩行ができれば退院できるのか?

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どれくらい歩けるようになれば退院することができるのか、またどれくらのレベルで歩いていればお一人で散歩が可能なのか、みなさんは考えたことがありますか。

今回は入院している人(もしくは入院する予定のある人)が気になる退院の話題です。

高齢者はリハビリでどのくらい歩行ができれば退院できるのか?

「先生、これぐらい歩ければもう帰られますよね?」と高齢者の患者さんから聞かれることがあります。

ケガや病気になりリハビリを続けてきて、やっとお一人で屋内を歩けるようになった頃が多いでしょうか。

やはり1日でも早く住み慣れたご自宅に帰りたいというのは、誰しも思うことでしょう。

病院からの退院については一刻も早い方がいいです。

病院って病気の人が集まる場所でしょ?骨折で入院したのに、インフルエンザが院内で蔓延してかかってしまって、リハビリが思うように進まずに入院が長くなる、なんてこともあり得ます。

一方で、そんな患者さんはこんなことも話しています。

「この時間になると調子はいいんですけど、朝はどうも動きにくいですね」

『この時間』とはリハビリに伺った時間を指します。午前中のときもありますし、午後や夕方のこともあります。

1日の中で歩行レベルに差があると伝えたいようですが、そもそも歩行レベルの日内差はあってもいいのでしょうか。

もっといえば、歩行に時間や環境の差はあっていいものなのでしょうか


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日内差や日差と歩行

日内差については、何かしら(=何かが原因では)あると思います。

それはケガや障害を抱えている人だけでなく健康な人にも実は起こっているのですが、元気な人はあまり気になっていないのです。

たとえば分かりやすい例では、真夜中に目が覚めたときと日中活動しているとき、どちらが動きやすいと言われれば間違いなく後者でしょう。

これには血圧の日内変動(一般的には夜寝ているときには低く、目覚める頃から活動に備えて徐々に高くなっていき、夕方から夜に活動しなくなると徐々に下がっていく)や、関節液の状態(動いていない状態では関節液が機能しにくい)などが関係するでしょう。

また冬でもお昼間はそこそこ暖かいので動きやすいですが、真夜中は寒くて動きにくい、こういった室温による外的な影響を受ける日内差もあるでしょう。

ですから歩行レベルに日内差があること自体は不思議ではありません。

同じように天気やその日の体調によって動きやすさは変わるでしょうから、日差(にちさ)もあると考えます。


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最低レベルがいまの自分の能力

以前ある患者さんがご自宅に帰りたいとおっしゃっていました。

そのとき私はこんないじわるな質問をしました。

「雨の日にひとりで買い物に行けますか?」

そう聞くと「いいえ、雨の日は怖いから無理です」と答えました。

その患者さんはひとり暮らしで、近所にご家族もいらっしゃいません。退院後はおひとりで近くのスーパーに買い物に行きたいとおっしゃっていました。

介護保険の認定は受けていますが、他のサービスを使うため、買い物にはヘルパーさんを使わずに自分で行きたいとのこと。

そうなると晴れていようが雨であろうか、もっと言えば雪の日だってスーパーに行く必要があります。

「いやいや、雨が降ってたら1日ぐらい行かなかったらいいやん」というご意見もあるでしょうが、もしかしたら冷蔵庫の食べ物が空っぽになってスーパーに行かないといけない日が大雨、そんな可能性はゼロではないわけです。

「いまは雨の日の歩行は難しくても、帰って生活していたらそのうち雨の日も外出できるようになるやろう」という意見もあるかもしれません。

もし退院後すぐに買い物に行かないといけない雨の日がやってきたら、そう考えるとそのうちなんて考えるのは無責任です。

理想をいえば朝でも夜でも、晴れでも雨でも、春でも冬でも、同じレベルで歩ければいいですが、そうは行かないことの方が多いです。

だったら一番最低レベルの歩行を「いまの自分の歩行レベル」として、そのレベルでご自宅の中を歩けるのか、屋外歩行が必要な方は屋外が歩けるのかを考える必要があります。

病院では退院前訪問指導といって、退院前にご自宅に理学療法士や作業療法士と一緒にいくことがあるのですが、その患者さんが動きにくいとおっしゃっている時間があれば「その動きにくい時間」に行くのがいいんでしょうね。

病院のリハビリで行う屋外歩行もそうです。朝に散歩に行くなら朝に屋外歩行を行うべきでしょうし、退院後に雨でも買い物に行く可能性があるなら雨の日に一緒に歩くべでしょうね。

ちなみに以前「帰ったら自転車に乗りたい」とおっしゃっていた患者さんと、屋外で自転車の練習をしたことがあります。

そのときは後ろの荷台を私が軽く持ちながら、患者さんが漕ぐ自転車にダッシュで着いて行きました。いまとなってはいい思い出です。

まとめ

高齢者の退院時の歩行レベルについて考えてきました。

重要なので何度もいいますが、日内差や日差がある場合、最低レベルの歩行がいまの自分の歩行レベルです。

「今日はむちゃくちゃ調子がいいんですよ」という最高レベルをいまの能力とはしない方がいいですよ。

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