注意欠陥・多動性障害(ADHD)とリハビリの関係

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最近話題の注意欠陥・多動性障害は成人でも該当する場合があり、注意が必要です。

注意欠陥・多動性障害という言葉をご存知ですか?

英語では「Affention Deficit Hyperactivity Disorder 」で、ADHDと略され、不注意、多動、衝動性を主症状とする発達障害の一つです。

学齢期における有病率は3~7.5%とされています。

症状のうち多動は比較的早期に消失するが、衝動性や注意欠陥は長く持続し、青年期においても50~80%、成人期においても30~50%が障害を示し続けるとされています。

今回はADHDと股関節治療の関係について考えていきましょう。


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ADHDの診断基準

ADHDにおける症状の発現には脳機能の障害が関与しています。いくつかのMRI研究は大脳基底核と前頭前皮質の大きさ が健常人よりも小さいことが分かっています。

最近の新聞で報道されていましたが、日本の成人の1.65%にADHDの疑いがあるそうです

ただし病気として扱われることはまだまだ少なく、またうつ病などを併発していることも多く、
注意欠陥・多動性障害だけを特定するのは難しいようですね。

成人期のADHDの診断基準の項目の一部を掲載しておきます。

ADHDとリハビリ

いまから考えると自分の小学校時代を思い出すと、クラスに一人ぐらいそわそわしている同級生がいたような気がします。

以前は「落ち着きがない子」の一言で片付けられていましたが、注意欠陥・多動性障害の存在が明らかになり、落ち着きがないという理由だけではないことが徐々に分かってきました。

また成人においては、予定を忘れる、映画の最中にもおしゃべりをしてしまうなどの症状みられます。

私がある介護老人保健施設で働いていたとき、よく話す男性がいました。

「よく話す」方はたくさんいらっしゃいますが、とにかく話が止まらないのです。ずっと話しています。しかも大声で。

ADHDの特徴

最初は認知症を疑って検査しましたが、大きな問題はなさそう。

意思疎通も、短期記憶も問題ないレベルなのですが、気になっていたのは私が話しているのをさえぎるように話し始めたり、みんなと一緒に何かゲームや作業をしているときでも、集中できずにすぐに手を止めてしまうことでした。

専門医に受診して検査してもらうことが結局できなかったので、詳細はわからず終わってしまったのですが、作業療法士や言語聴覚士とのリハビリのカンファレンスでは注意欠陥・多動性障害という話題もあがりました。

ADHDとリハビリの関係

股関節の治療と一見関係ない話に思えますが、こちらの利用者さんの場合、理学療法はなかなかうまく進まなかったのです。

集中力が続かない、止まると話し続けて運動してくれない、運動療法がうまく進まないこも多いです。

発達障害を抱えた小児の場合には、感覚統合療法(sensory integration : SI)が実施されることはあるが、成人の場合は「よく話す集中力のない人」と扱われ、理学療法士が運動療法の中で感覚系にアプローチすることは、特に整形外科疾患の場合には少ないのではないでしょうか。

また運動機能面にはどんな問題があるのでしょうか。

軽度発達障害児※の立位バランス能力を重心動揺計にて評価した報告によると、健常児群と比較して軽度発達障害児群で動揺が大きかったそうです。

注意欠陥・多動性障害だけではなく、他の発達障害を含み、また対象が小児であることから成人や高齢者とは単純に比較はできませんが、ADHDの症状が成人にも残存していて現れることを考えると、立位バランスにも何らかの障害あるかもしれませんね。

ただ集中力がない、おしゃべりが止まらない患者さんと片付けてしまう前に、少し考える必要がありそうです。

参考文献)
・AD/HD症状の程度で異なる健常成人の行動抑制時における神経活動
澤木 梨沙,他:生理心理学と精神生理学 Vol.23(2005) No.1 p.19-28
・軽度発達障害児と健常児の立位平衡機能の比較について
松田 雅弘,他:理学療法科学 Vol.27(2012) No.2 p.129-133

※注意欠陥・多動性障害、知的発達に遅れはないが特定の分野に極端に苦手な側面のある学習障害、相手の気持ちを察することや周りの状況に合わせたりする行動が苦手であったり,特定の物にこだわる傾向のある広汎性発達障害、アスペルガー症候群などを含む

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