ランキングに載る人気の病院では股関節の保存療法は続けられない

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股関節に疾患があると診断を受けると、手術を勧められることがあります。

そんなとき保存療法を続けて維持できる可能性もあるのですが、人工股関節置換術の手術件数が多い人気の病院では、保存療法を受け続けることは難しいことをご存知ですか。

ランキングに載る人気の病院では股関節の保存療法は続けられない
以前担当していた患者さんがある病院を受診したときに言われてショックを受けたことがあります。

その患者さんが言われたことをまとめると、

  • 変形性股関節症がある
  • いずれ手術をしなくてはならない可能性がある
  • ただしうち病院では保存療法のリハビリはできない
  • 手術を前提に定期通院をするように

こんな感じです。

その中でも患者さんがショックを受けたのが、3つ目の「うちの病院では保存療法のリハビリはできない」ということでした。

患者さんが受診された病院は股関節の専門医がいらっしゃって、全国からたくさんお患者さんが来院されます。

多くは近くの医院で股関節疾患を指摘され、専門医を頼って来られた患者さんです。

股関節の専門医の元で、何とか手術をしない方法はないか模索したいと思っていたそうですが、実際には手術を前提として定期的に通院するように言われたそうです。

同じ事例はこの患者さんに限らずいくつもありますので、なぜこんな自体が起こっているのか、他の方からいただいたご質問もふまえて考えてみましょう。


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股関節の保存療法はどこで受ける?

先日こちらのブログに届いたご質問です。

題名:初めまして。

性別:女性

年齢:40代

診断名:先天性股関節脱臼

メッセージ本文:
初めまして。先生のご著書とブログを拝読させていただいてます。お忙しい中、拙い文で失礼します。

私は両脚先天性股関節脱臼で、左脚は小さい頃に手術してそれ以降レントゲン上問題なしですが、右脚は臼蓋不全です。

現在4◯歳ですが、軟骨が徐々に減り、35歳を過ぎた辺りから痛みが時々出るようになりました。今年1月、□□病院でレントゲンを撮ってもらうと、

  • 進行期で骨棘あり
  • 骨嚢胞はなし
  • 可動域は問題なし

と診断されました。

次回は4月に受診ですが、レントゲンを見て経過観察するだけでリハビリもなく、ゆくゆくは手術になってしまいそうです。

受診前の去年の12月にカイロプラクティクスでアクティベーターという施術を受けました。

大きな注射器の様なものでガシャンと押して骨を正しい位置に整えたのですが、一度だけ右の大転子でズキンと痛みが走ったことがあり、施術した次の日は右足太もも全面に肉離れのような痛みが出るので3回受けて止めました。

その後、座って足を上げる動作や足の爪切り、自転車漕ぎなど、今まで何ともなかったことにも痛みが出るようになりました。

最近、自転車は痛みなく乗れるようになり、脚も挙がるようになりましたが、膝を立てて内側に倒すと背骨の横の右腸骨あたりが痛みます。左の膝も違和感が出てきました。

また足首と背骨の下の方が立ち上がって動き出すときにポキッと音が鳴るようになりました。

歩行も痛みが出て長く歩けなくなり、右下肢に体重を乗せるのが怖くて跛行してると思うと辛いです。

このような不安定な状態でストレッチなどをした方がいいのか、安静にした方がいいのか、そもそも股関節からくる痛みなのか、わからなくなってきました。

お忙しい中、申し訳ないのですがご教示いただけると幸いです。できることなら先生に診ていただきたい気持ちで一杯です。いつでも伺います。

どうぞ宜しくお願い致します。

※プライバシー保護のため、一部加筆・修正を加えています。

両先天性股関節脱臼で、左股関節は小さい頃に手術をされ、右に臼蓋形成不全があり痛みを抱えている方です。

症状についてはおっしゃるように、股関節の痛みなのか、それとも別のものなのか、いつもこちらのブログでは申し上げておりますが、原因をはっきりすることから始めるべきでしょう。

それが分かれば普通に動いてもいいのか、それとも安静にすべきかは分かってくると思います。

基本的に大きな病院や、人工股関節置換術を専門に扱っている病院は手術が中心ですので、手術が決まっていない方へのリハビリは行いません。

一部行っている病院もありますが、保存療法で症状を軽減させて手術を回避するというよりも、人工股関節置換術後のリハビリを円滑に進めるためのものであることが多いです。

リハビリが限定的になるのは手術後も同じで、入院中にはリハビリを行いますが、退院後は定期受診のみとなります。


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病院の事情

ではなぜ大病院や人工股関節置換術を専門に扱っている病院では、積極的に保存療法を行っていないのでしょうか。またそれらの病院行われるリハビリは手術前提になることがあることが多いのでしょうか。

その答えを考えると、病院の経営的な面が一番大きいと考えられます。

人工股関節置換術はリハビリに比べると大きな保険点数が動きます。手術日や入院日数もある程度計算できますので、病院経営的には魅力的なのです。

またもし積極的なリハビリによって手術を回避することができれば、患者さんにとってはすごく良いことですが、病院としては手術する患者さんが一人減ることになりますから、良いことはできるが儲からないことになります。

ですから大病院や人工股関節置換術を専門に扱っている病院ではリハビリが行われていないことが多いですし、行われていたとしても保存療法を主目的としたものではなく、手術をより良い状態で迎え、術後のリハビリもスムーズにすすむようにするという意味合いが強くなるのです。

最初にご紹介した患者さんのように、専門医の元で保存療法を受けようと期待して受診したのに、保存療法のリハビリを受けられないというのはよくある話です。

定期受診は勧められますが、痛み止めや湿布薬の投与などが中心で、積極的に手術を回避するものではありませんので、ご質問をいただいた方のように悩まれる方も多いのです。

もちろん股関節疾患などの運動器のリハビリには期日があり、ずっとリハビリができないという事情も考慮すべきでしょう。

参照) 整形外科のリハビリ期間の上限は?


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リハビリは近くの医院で受ける

ここまでお伝えしたことを踏まえ、保存療法を続けるなら(人工股関節置換術のリハビリでも)のであれば、ご自宅近くの理学療法士がいる整形外科医院(クリニック)ですることをお勧めします。

最近は医院にもたくさん理学療法士がいますので、インターネットで調べれば、リハビリが受けられる医院が見つかると思います。

もし人工股関節置換術を受けることになったとしても、退院後にリハビリをするかかりつけ医があった方がいいですよ。

ただ保存療法を受けるとしても注意が必要で、ご質問をいただいた方も次のようなことをおっしゃっています。

以前、近院でリハビリのある整形外科を受診したことがあるのですが、「筋トレして痛みが出てもその痛みを乗り越えるべきだ」とのお考えでしたのでそれからは遠ざかってしまいました。

これは医師も理学療法士もそうですが、「リハビリ=筋トレ」のイメージはまだまだ根強いです。

筋力が大事なことは理解できますが、どちらかと言うと筋トレよりも、姿勢や動作の見直しも大切にした方がいいでしょうね。

まとめ

手術ランキングに掲載されるような人気の病院の事情をお伝えしてきました。

ここまで書いてきたように、専門医の元で股関節の保存療法は受け続けることはなかなか難しいのが現状です。

ただ現状の制度でも週に1~2回のリハビリを受けることは可能ですし、受けながらご自身で姿勢や歩行に注意すれば維持していくこともできるかもしれません。

最後にご質問いただいた方から次のよなお礼のメールをいただきましたのでご紹介します。

普段知ることのできないような股関節外来の裏事情、よく分かりました。ありがとうございます。

インターネットで「股関節 保存療法 ◯◯ 」で調べても、病院ではリハビリをメインに謳ってる所が少ないはずですね。

ご助言をふまえて、まずは△△病院に電話してみます。

それから、筋トレより姿勢や動作が大切と個人的にアドバイスをいただき、先生がご著書に書かれてたのを読んだ気になって認識に欠けてたと思いました。再度、読み直しています。

右肩が少し下がっていて、異常なほど、痛みの為 右大腿骨の外側の筋肉に力が入ってますので、重心の位置を意識して考え、癖付けたいと思います。その上でもリハビリは重要で欠かせないと、ますます思うようになりました。

お忙しい中、厚かましいのですがまたわからない事があったら、質問させてください。

ありがとうございました。

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