長下肢装具を適応は?目的や利点と一緒に考えてみた

スポンサーリンク

リハビリでは装具と言われる道具(器具)を使うことがあります。

あまり聞きなれない名前ですが、実は脳卒中になった方には非常に重要な役割をしてくれることがあります。

今回はリハビリで使われる装具についてご紹介します。

長下肢装具を適応は?目的や利点と一緒に考えてみた

私たちは日常生活で脚を何気なく使っています。

  • ズボンを履く
  • トイレに座る、トイレから立ち上がる
  • 椅子に座る、椅子から立ち上がる
  • 階段を昇り降りする
  • 歩く
  • 台所で炊事をする
  • 通勤の電車にゆられる
  • スポーツをする
  • 自転車に乗る

普段あまり深く考えることはないかもしれませんが、こんな何気ない日常の中の動作を日々行うことで、脚の関節が硬くなったり、筋肉が弱ったりすることを防いでいます。

しかし脳卒中などの病気で脚が麻痺してしまい、自分の意思でほどんど動かせなくなってしまったらどうでしょうか。脚の関節は徐々に硬くなり、筋肉はどんどん衰えていきます。

がんばって鍛えようにも脚が動かせないため、動作の練習がままならないことがあります。

そんなとき装具が使われます。


スポンサーリンク



装具とは?

装具には大きく分けて2種類あります。

ひとつは理学療法士や作業療法士などがリハビリ時に歩行訓練などに使用する治療用装具。もうひとつは実際に日常生活の中で使われる更生用装具です。

こう書くとどんな違いがあるのか分かりにくいですよね。

簡単にいうと前者は症状の改善が見込める時期に、その名前の通り「治療のために用いられる」装具のことです。こちらは医療保険を使って作られます。

後者はいわゆる症状固定を迎えた後に、日常生活をおくるため用いられる装具のことです。こちらは障害者自立支援法や労災保険に基づいて作られます。

と、細かい分類はあるのですが、同じものが作られることもあるので一般の方は区別することは難しいです。

分かりにくければ「治療の時期に医療保険で作られて用いられるのが治療用装具」、「症状固定を迎えた後に日常生活をおくるために、障害者自立支援法などによって作られて用いられるのが更生用装具」と考えてください。

今回は理学療法士や作業療法士がリハビリで使用する長下肢装具についてご紹介します。


スポンサーリンク



長下肢装具とは?

長下肢装具は主に病院でのリハビリ時に理学療法士や作業療法士によって使用されます。

ただしリハビリをする人すべてが使うわけではありません。主に脳卒中の治療初期で、運動麻痺が重度な患者さんが適応となります。

長下肢装具は足先から太ももの付け根まで覆う様に装着され、両側に金属製の支柱が付いています。

長下肢装具正面画像イラスト 長下肢装具側面画像イラスト

膝にある継ぎ手と呼ばれる金属製の人工の関節をロックすることで、立つことができない、脚を踏ん張ることができない患者さんでも立位や歩行練習をすることができ、麻痺した筋肉に荷重刺激を入れていきます。

長下肢装具を使用する目的と利点

脳卒中を発症した後、病院での入院期間は限られています。

できるだけ早く日常生活に戻ってもらうために、どこを優先的に鍛えれば早く立ったり歩いたりすることができるようになるのか分かりますか。

まずは股関節や骨盤周囲の筋肉を働かすことだと言われています。(※治療家によって様々な考え方はあると思いますが)

その理由は、

  • 運動麻痺は中枢部(体の中心)より回復していく。
  • 立位時には骨盤に重心があるため、付近を鍛えると立ったり歩いたりしたときに安定しやすい。

などの理由があります。

もちろん麻痺の回復に合わせて、他の部位の筋肉も動き出しますので、股関節や骨盤周囲の筋肉と合わせて動きを作っていきます。

長下肢装具を使ってどんなリハビリをしていくのでしょうか。これはどんな患者さんにも言えることですが、まずは歩くよりも簡単な立つ練習から始めます。

下肢に重い麻痺があると、立位で麻痺のある脚に体重を乗せると膝が折れてしまい、踏ん張ることができません。(通称:膝折れ)

そんなとき長下肢装具を使用することで脚が真っ直ぐに保たれ、膝折れが起こらずにしっかり体重を脚に乗せることができます。

この「しっかり体重を脚に乗せる」ということが、者さんのリハビリをする上で非常に重要です。逆にいえば、そのために長下肢装具を使うと言っても過言ではありません。

麻痺が重度でも治療初期より下肢に荷重をかけられる、これが長下肢装具の大きなメリットです。

体重を乗せることで脚の筋肉は刺激が入り、その刺激に対しての反応が得られるようになっていきます。

しっかりと立てるようになれば歩行練習も始めていきます。

下肢を降り出すことができない患者さんはセラピストが脚の振り出しを介助し、使い方を忘れてしまった身体に歩き方を思い出していただきます。

装具は第3の手

装具は別名「第3の手」と言われます。

先ほども申し上げましたが、もし装具なしで脚に体重を乗せようとすると膝折れを起こします。

このような患者さんの歩行練習を行う場合、膝が折れるのを抑えながら、身体を支えて、さらに下肢の振り出しを介助して・・・と、介助はとても大変です。

長下肢装具があれば膝関節は装具が保持してくれますので、セラピストは身体を支えることと、下肢の振り出しだけに集中できます。

脳卒中患者さんの治療初期、立位や歩行練習では非常に役立つのが長下肢装具です。

まとめ

長下肢装具についてお伝えしてきました。

普段脳卒中の話題をこちらのブログでお伝えすることはないのですが、長下肢装具は脳卒中のリハビリをしていく上で、股関節機能と深い関わりがあります。

あまり普段の生活で目にすることのない治療用装具ですが、専門知識を持った理学療法士や作業療法士が適切に使用することで、リハビリの効果は大きく変わります。

重い麻痺がある患者さんでも、病院によっては装具を使用してどんどん荷重練習をしていきます。そんなとき長下肢装具は大きな役割を果たしますので、覚えていて損はないでしょう。

コチラの記事もおすすめです

lpバナー股関節