股関節や膝関節が痛い場合の階段昇降の方法

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股関節や膝関節が痛いとき、どのようにして階段を昇り降りするのがいいのでしょうか。

痛い方の脚から?それとも痛くない方の脚?

股関節や膝関節に痛みを抱える方のリハビリをしているとき、階段昇降の方法について聞かれることがあります。

今回のその答えを解説していきます。

 

目次

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階段昇降時の股関節への負担

階段では平地を歩いているときよりも、股関節や膝関節への負担が増えますので、痛みがさらにひどくなる場合があります。

MEMO 「動作時の股関節への負担」

歩行中の片脚立位時には体重の3倍、ジョギングでは体重の4~5倍、階段昇降時には6~8倍の負担がかかる。

引用) 図解入門よくわかる股関節・骨盤の動きとしくみ (How‐nual Visual Guide Book)

 

ですから少しでも負担を減らせないか、みなさんお考えになるようで、リハビリのときにご質問される方も多いのですね。

 

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股関節や膝関節に痛みがあるときの階段昇降の方法

理学療法では外来や手術後のリハビリで階段昇降の練習をすることがあります。

階段昇降についてはリハビリでは誰もが知ってるわかりやすい言葉でお伝えすることが多いです。その言葉とは?

 


行きは良い良い、帰りは怖い

このフレーズはみなさん、ご存知ですよね。これを階段昇降に当てはめて行うのです。

具体的には、

  • 行き(昇段)は良い脚から昇る
  • 帰り(降段)は怖い(=悪い)脚がら降りる

ということです。

文字では伝わりにくいと思いますので、実際に階段を昇り降りしている様子を動画で撮影しましたのでそちらをご覧ください。

※今回は左が悪い方の脚(患側)です。

手すりを使って昇り降りする場合

T字杖を使って昇り降りする場合

どちらも良い方の右脚から昇り、悪い方の左脚から降りています。行きは良い良い帰りは怖いになっていますね。

階段昇降では上の段にある脚に負担がかかるようになっています。昇段時には上にかけた脚、降段時には上に残っている脚です。

 

でもここでひとつ疑問が。

昇りは上の段にかけた脚に力を負担がかかることは何となくイメージできますが、降りるときはなぜ上に残している脚に負担がかかるのでしょうか?

これを理解するには、筋肉の収縮の方法(働き方)を思い出す必要があります。

 

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階段昇降に必要な筋肉の収縮様式を覚えよう

筋肉には、伸び縮みの種類によって、等張性収縮と等尺性収縮という2つの収縮様式に分けられます。

等張性収縮は長さを変えながら収縮します(働きます)。さらに等張性は求心性収縮と遠心性収縮に分けられます。一方、等尺性収縮は長さが変わらずに収縮しています。

 

階段を降りるときには、上の段に残している脚は体が落ちてしまわないように、遠心性収縮してブレーキをかけながら降ります。

遠心性収縮は一番負担の大きい収縮様式になるので、これを患側で行うのは難しいのです。

ですから降りるときに上の段に良い方の脚を残し、悪い方の脚から降りるようにするのです。

 

今回動画でご紹介したのは、2足1段といって昇りも降りも左右2足を1段でそろえてから昇ったり降りたりします。痛みのない方がされているのは、1足1段といって、左右交互に1段ずつとらえていく方法です。

2足1段の方が時間はかかりますが、痛みのある脚への負担は小さくなります。

 

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まとめ

階段昇降の方法についてまとめてきました。

階段昇降での負担は大きく、昇り降りをされる際にはできるだけ負担の小さくなるような方法考えます。

 

今回ご紹介した昇り降りの方法は、全国のリハビリ室で行われていますので、もし股関節や膝関節に痛いがあれば、ぜひお試しください。

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